バリアフリーは高齢者向けや障がい者向けのものとイメージしがちですが、子どもや赤ちゃんがいる家庭、また元気な人でもより安全に暮らしやすい住まいとする方法がバリアフリーリフォームの考え方となります。バリアフリーでは、「廊下や浴室、トイレに手すりを設置する」、「段差の解消」、「床材を滑りにくくクッション性の高いものへ交換」、「階段の勾配を緩くする」、「トイレや浴室、玄関や廊下を広くする」ことが主要な内容となってきます。
バリアフリーリフォームでは、工事種類によって手軽に施工可能ものと難しい物があります。すべてのバリアフリー工事を1回で完璧に施工することは難しいため、適宜必要性に合わせて工事を実施したり、将来に備えその下準備をしていくことが大切になってきます。
例えば、若いうちは手すり設置の必要性は感じないかと思いますが、高齢となって足腰が弱ってきたときに備えていつでも設置可能なように下地加工だけしておく。大規模なリフォームをする際には将来バリアフリー工事により廊下や玄関、トイレなどを拡張しないで済むように広めに作成しておく、階段勾配を緩やかにしておく事などが考えられます。
補助や減税制度を活用しよう!
また、要介護1〜5・要支援の方がお住まいでバリアフリーを目的とした住居の改修が必要な場合は、自治体からバリアフリーリフォーム費用の半額〜9割を補助してもらえるケースがあります。申請は要件を満たしているか確認する必要があることから事前申請となってきますので、お住まいの市区町村窓口に確認してみましょう。
バリアフリーリフォームの減税制度はこちらでも確認できます。
バリアフリーリフォームの具体例
バリアフリー診断から補強工事はリフォーム会社によって具体的な流れが異なる場合もありますが、一般的に以下のような流れで実施されます。
階段
高齢になり足腰が弱ってくると階段の昇り降りもつらくなってきます、手すりがあれば移動も楽になってきます。
また、大規模なリフォームとなってしまいますが、階段勾配を緩やかにすることも有効です。建築基準法上は蹴上げ23cm以下、踏み面15cm以上となっていますが、安全に階段を乗り降りするのであれば、蹴上げは20cm以下、踏み面は25cm以上取った方が安全でしょう。
廊下・通路
廊下に関しても、手すりが設置されていると足腰が弱ってきた時に移動の手助けになります。
車イスが必要となる場合は、通路幅を拡張することも検討しましょう。廊下幅は90cmは欲しいところですが、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法) では車イスを使用時には120cm以上が望ましいとされているようです。
トイレ
便器は和式であれば洋式に変更したり、座る負担を減らすために便座の高さを補正する器具の取り付け、便座から立つための動作を補助する手すりの設置などが考えられます。
また、補助が必要な場合は介護する人が一緒に入れるように広い空間にすることも求められます。
浴室
浴室の出入口にある段差を解消、湯船には跨ぎやすい高さのものに変更、湯船で立ち上がる動作を補助するための手すり設置、床材も滑りにくいものにできるとよいでしょう。
また、冬場などはヒートショックの可能性が高くなりますので、浴室暖房乾燥機の設置を検討しましょう。
キッチン
腰掛けながら料理ができるようなタイプのキッチンを検討しましょう。水栓もレバー式など小さなちからで利用できるものがオススメです。
床
床へのバリアフリーリフォームでは、床材を滑りにくいものやクッション性の高いものに交換を検討するとよいでしょう。向いている床材としてはコルクやカーペットが候補となってきます。
また、部屋と廊下の間に段差がある場合は段差の解消のために撤去やスロープの設置検討をしましょう。
ドア
開き戸を引き戸に交換すると、扉を開けるためのデッドスペースが少なくなるため開口部を広めにとれ車イスでも通りやすくなります。また仮に中で人が倒れた場合でも、引き戸であれば外から開けられるため救助がしやすくなります。
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