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トランプ新大統領誕生後の米中関係と日本について2週にわたって扱ってきたが、今回は最後の視点として、アメリカを1つの主語として語ることの問題について触れておきたい。
この視点は世界を見るうえで非常に重要なものだが、通常われわれはどうしても一つの国や国民を「中国は」、「韓国は」と一括りにして特徴づけることに慣れてしまっている。
これが問題であることはアメリカに限った話ではないが、今回はとくに注意が必要という意味でテーマに設定した。
トランプ大統領の誕生までのアメリカ国内の動きを、中国は実に詳細に、かつ多方面から分析を加えて報じてきた。そのなかで中国のメディアが強く警戒しながら日本ではあまり重視されない問題があった。
それがトランプ大統領の誕生後のアメリカが本当に一つにまとまるのかどうかということに対する警戒である。
もちろん日本でも同様の視点はメディアにも専門家のコメントにも散見された。だが、問題はそれが本当になったときの受け止め方の深刻さだ。
おそらくそれは国内が2つの勢力に割れて戦ったときの、その闘争のすさまじさに対する認識の違いなのだろう。
私はトランプ大統領の就任演説を聞いて不思議な懐かしさを覚えた。なぜそんな感覚にとらわれたのかはすぐに分かった。
なぜならトランプ氏は階級闘争を仕掛けていると思ったからだ。
問題の部分は、自らが権力を手にしたことの意味について〈ひとつの政権から別の政権へ、または、ひとつの政党から別の政党へ、単なる政権交代をしているわけではなく、ワシントンDCから国民である皆さんへ、政権を取り戻しているからです〉と述べているところ。
一歩間違えば文化大革命である。
本当にワシントンをターゲットにエリートを攻撃するのであれば、その戦いは激烈である。中国のメディアではよくアメリカ大陸の上で2人の大男が取っ組み合いをする風刺画がみられるが、まさしくその図となろう。
一方、これが言葉だけのものであってもトランプ氏を支持し熱狂した人々の怒りはくすぶり続けることになり、それもやっかいだ。
こうした対立がどこに落ち着くのか。4年で終わるのか、それとも8年続くのか。そして8年の雌伏の後に再びエスタブリッシュのアメリカが変えてくるのか。はたまたトランプ暗殺という事態も起こりうるのか……。
いずれにしても権力の行方を見極めることは非常に重要である。少なくともこれは、誰がいち早くトランプ大統領と会談するかなどといった視点で乗り切れるものではないはずだ。
■富坂聰(とみさか・さとし) 拓殖大学海外事情研究所教授。1964年生まれ。北京大学中文系に留学したのち、週刊誌記者などを経てジャーナリストとして活動。中国の政・官・財界に豊富な人脈を持つ。『中国人民解放軍の内幕』(文春新書)など著書多数。近著に『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』(PHP新書)。
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