その結果、手に入れたのが秋田書店の 大全科シリーズの一冊 「怪奇大全科」 (1979年)です。
当時の私は、この本を、 わざわざ出版元(秋田書店)に直に注文して 、取り寄せました。今なら amazonで簡単にできる商品の直接購入 も、昔は、かなり購入の手続きが面倒くさく、実行するには、 だいぶ決意が必要だったのです。
この本一冊だけを取り寄せたのでは勿体ない ので、確か、少年チャンピオンコミックスの 「やけっぱちのマリア」全2巻 (手塚治虫)と、世界怪奇ミステリー全集の第6巻 「S・Fスリラー」 (中岡俊哉)も一緒に購入したはずだと思いました。
で、肝心の「怪奇大全科」なのですが、 もちろん、「キャリー」も収録されてはいました が、それ以外の部分でも、 かなり気合の入った内容でした。
と言いますのも、 日本未公開の怪奇映画もいっぱい掲載されていた のです。この大全科シリーズは、 文庫サイズの児童向けの本であるのも関わらずです。つまり、 ほんとにマニアックな内容だった のであります。
ホラー映画に詳しくなった、のちの私でさえ、 なおも、よく正体の分からなかった作品 も、いろいろと載っていました。例えば、 フランケンシュタインの娘 (1958年)だとか、 フランケンシュタイン対狼男 (1943年)など、佐藤有文の 「世界妖怪図鑑」 (1973年)でも紹介されているにも関わらず、 日本では未公開だった作品群です。
当時の児童書のライターさん は、子供相手でも決して手を抜かず、 洋書の資料もガンガン使ってました ので、 このような通好みの本も、普通に、出来上がる事になったのでしょう。
1979年以前の新旧のホラー系映画 が、 ジャンルごとにまとめてドドーッと掲載されていますので、 レトロな怪奇映画を愛好する方 でしたら、今読んでも、楽しめるのではないかと思います。
「ドラキュラ血のしたたり」 (1971年)を紹介したページでは、さりげなく、 女吸血鬼の乳房が見えちゃっている写真 も使われていました。児童向けの本なのに、 女性のヌード写真 とは、 なんか照れくさいです。
当時、この本を読んだ男の子たち も、ひょっこり、この おっぱい丸見え写真 に気が付いて、 ひそかにドキドキしちゃったのでしょうか。
私自身も、こんな感じで、ホラー映画を見ていると、 思いがけずに、エッチなヌードまで拝めた ものだから、 じょじょにホラー映画好きになっていったのかな 、と言う気もするのでした。
「怪奇大全科」の姉妹本とも言える 「ショック残酷大全科」 (1982年)は、 もっとトンデモナイ内容です。
もはや、ホラー映画目録ですらなくて、 ドキュメント映画などの痛そうな名場面ばかりを並べた残酷シーン絵巻 なのであります。とても 子供向けの本とは思えません。幼い子が読んだら、 トラウマになりそうな気 もするのですが、よく企画が通って、発行にまで漕ぎ着けられたものです。
「怪奇大全科」の補強 という意味もあったのか、 後半の方のページは、 1979年以後に公開された新作ホラー映画の紹介 にも割かれています。
それで、 私もこの本は購入していたのですが、こちらでも、 「デビルスピーク」 (1981年)のページでは、 女性のヌード写真 が使われていました。これが、「怪奇大全科」以上に、 おっぱいがハッキリ見えた写真であり、恥ずかしくて、 よけい私の記憶には深く残った のでした。
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