もうひと月以上、 このブログも放置しておりましたが、 これより再び活動を再開いたしたい
と思います。
沈黙してましたのは、別に 「コロナ鬱」
とか、そんな理由じゃなくて、実は、現在の私が活動拠点にしておりました パブー
が、3月末ぐらいから、急に サイトの改装工事を始めまして、 中に保管してあった私の作品類もいじれない状態
になっておりました。その為、またパブーが使えるようになるまで、私も一緒に活動全体を休止しておりましたら、 こんなに時間がかかっちゃった次第です。
パブー自体は、 もっと早く再開してたみたい
なのですが、私個人の場合は、色々とトラブルがありまして、 パブーそのものに接続できなくなっていました。それが、こないだ、ようやく解消されたのです。
ただし、パブーもかなりシステムが変わってしまったようで、 今までの延長として書き足していく事ができないみたいです。これまでに完成させた作品も、下手にいじると、どうやら、 紙面構成まで壊れてしまう
みたいなのです。
そんな訳で、パブーでの創作活動が再開できるようになったのはいいものの、どのように今後の活動を継続していくかは、 色々と模索している最中
であります。
どうやら、 試し読みページ
という機能も無くなってしまったみたいです。これが無いと、 読者は、有料作品がいっさい読めませんので、それじゃ私の作品がほんとに読めなくなってしまいます。この辺も、どう加減していくかは、検討中です。 いくつかの有料作品は、完全に無料にする
方向でも進めています。
パブーのanuritoページ
2020年06月07日
「コロナの真実」解説(その2)
最新作 「コロナの真実」
は、私の ルシー・シリーズ
の 久々の新エピソードとなります。
新型コロナにまつわる世界情勢 をニュースで観ていますと、なんとなく、 この作品のような「裏の陰謀」が頭に浮かんできたのです。タイトル通り、ラストには、 なぜ新型コロナが流行ったかの衝撃的な真相 も判明します。もちろん、私の バカげた妄想に過ぎないとは思うのですが。
本作は、新しい試みとして、 ツイッター上で発表させていただきました が、いくつかのミニエピソードは、 大っぴらに披露するのは道徳的にヤバいかと思い、ツイッター公開版では省かせていただきました。いずれ、別の場所で、 全てのエピソードが揃った完全版 を掲載しようと思っています。
AIロボットの爆発的社会進出 と、それに伴う ベーシックインカム政策の採用 は、 「拝啓、人工知能さま」 にて、 私がすでに予測してきた未来図 です。それが、 現実のコロナ禍による自粛やソーシャルディスタンスとも、きれいに繋がってしまった訳です。
巨大化したロボット関連財閥が、自らの意思で、自分たちの財産を放棄する という展開は、 ちょっと理想的すぎて、御都合主義だったかもしれません。しかし、財閥がよりエゴイストであったとしても、 最終的には、AI政府に財産を根こそぎ没収されてしまう と言う展開を用意しておりました。だったら、 少しでも「人間の内にある善意」を感じさせるようなパターンの方を、あえて、採用させてもらった次第です。 人間の持つ、純粋な善性の存在 を信じて。
まあ、これがもっと娯楽的な小説でしたら、 「実は、AIは人間に対して害意を持っていて・・・」 みたいな方向に物語は続いていくのかもしれませんが、本作につきましては、 そのようなストーリーにはしませんでした。そもそも、ルシー・シリーズ自体が、 人間とAIの共存 をテーマにしているからです。作者の私としては、むしろ、 この小説に書いたような内容が、本当に実現してほしいと思っているぐらいなのであります。 人間の統治者たちの愚かさは、もうウンザリするほど見てきました ので。
なお、 本作の姉妹編として、 「実際にルシーが人間のパートナーになったら、どんな働きをしてくれるか?」 を、様々なシチュエーションで描いた 「ルシーのいる生活」 なんて物語を書きたいとも思ったのですが、もし、これを作品化するならば、表現するのに適した媒体は、おそらく、 マンガ となるでありましょう。
「コロナの真実」
新型コロナにまつわる世界情勢 をニュースで観ていますと、なんとなく、 この作品のような「裏の陰謀」が頭に浮かんできたのです。タイトル通り、ラストには、 なぜ新型コロナが流行ったかの衝撃的な真相 も判明します。もちろん、私の バカげた妄想に過ぎないとは思うのですが。
本作は、新しい試みとして、 ツイッター上で発表させていただきました が、いくつかのミニエピソードは、 大っぴらに披露するのは道徳的にヤバいかと思い、ツイッター公開版では省かせていただきました。いずれ、別の場所で、 全てのエピソードが揃った完全版 を掲載しようと思っています。
AIロボットの爆発的社会進出 と、それに伴う ベーシックインカム政策の採用 は、 「拝啓、人工知能さま」 にて、 私がすでに予測してきた未来図 です。それが、 現実のコロナ禍による自粛やソーシャルディスタンスとも、きれいに繋がってしまった訳です。
巨大化したロボット関連財閥が、自らの意思で、自分たちの財産を放棄する という展開は、 ちょっと理想的すぎて、御都合主義だったかもしれません。しかし、財閥がよりエゴイストであったとしても、 最終的には、AI政府に財産を根こそぎ没収されてしまう と言う展開を用意しておりました。だったら、 少しでも「人間の内にある善意」を感じさせるようなパターンの方を、あえて、採用させてもらった次第です。 人間の持つ、純粋な善性の存在 を信じて。
まあ、これがもっと娯楽的な小説でしたら、 「実は、AIは人間に対して害意を持っていて・・・」 みたいな方向に物語は続いていくのかもしれませんが、本作につきましては、 そのようなストーリーにはしませんでした。そもそも、ルシー・シリーズ自体が、 人間とAIの共存 をテーマにしているからです。作者の私としては、むしろ、 この小説に書いたような内容が、本当に実現してほしいと思っているぐらいなのであります。 人間の統治者たちの愚かさは、もうウンザリするほど見てきました ので。
なお、 本作の姉妹編として、 「実際にルシーが人間のパートナーになったら、どんな働きをしてくれるか?」 を、様々なシチュエーションで描いた 「ルシーのいる生活」 なんて物語を書きたいとも思ったのですが、もし、これを作品化するならば、表現するのに適した媒体は、おそらく、 マンガ となるでありましょう。
「コロナの真実」
2020年05月29日
「コロナの真実」解説(その1)
この 「コロナの真実」
と言う小説は、もともと、 緊急事態宣言が出ているのに自粛しないパチンコ屋
を見て、 ひとこと言ってやりたくなったのがキッカケで生まれた作品でした。
だけど、ガチで中傷的な事を書くと、 法律に引っかかる恐れ があったので、あえて、 小説(フィクション) にしたのです。そのような流れから、まず考えついたのが、 次の一文です。
でも、結局、この一文は、 ツイッター上の「コロナの真実」には組み込みませんでした。と言いますのも、 現実に、パチンコ店が爆破予告される事件(未遂)が起きてしまった からです。
今回、この「コロナの真実」を公開するにあたり、私は、 ツイッター小説 という形式を選んでみた訳ですが、実は、ツイッターで小説を書いてみる事は、 以前から知人には勧められていました。しかし、今まで、その気にならなかったのは、 ツイッターの140文字という短さでは、思い通りの文章が書けそうな気がしなかった からであります。
それが、今回、「コロナの真実」のネタを組み立てていくうち、 うまく、そのストーリーがツイッターの短文連結スタイルにと一致してきました。 つまり、 一つ一つの完結した短い文章を繋げていって、通して読むと、一本の長い小説になるエピソードが書けそうな感じがしてきたのです。
そうして完成したのが、今回の 「コロナの真実」 です。テーマ的にも、 時事ネタの新型コロナを扱っていますので、ツイッター上で公開するのには、 まさにタイムリーな話 だったと言えるでしょう。
ちなみに、 私が急にツイッター小説に目が向いた理由としては、あの大ヒットした 「100日後に死ぬワニ」 にも刺激された部分があったのかもしれません。
「コロナの真実」
だけど、ガチで中傷的な事を書くと、 法律に引っかかる恐れ があったので、あえて、 小説(フィクション) にしたのです。そのような流れから、まず考えついたのが、 次の一文です。
でも、結局、この一文は、 ツイッター上の「コロナの真実」には組み込みませんでした。と言いますのも、 現実に、パチンコ店が爆破予告される事件(未遂)が起きてしまった からです。
今回、この「コロナの真実」を公開するにあたり、私は、 ツイッター小説 という形式を選んでみた訳ですが、実は、ツイッターで小説を書いてみる事は、 以前から知人には勧められていました。しかし、今まで、その気にならなかったのは、 ツイッターの140文字という短さでは、思い通りの文章が書けそうな気がしなかった からであります。
それが、今回、「コロナの真実」のネタを組み立てていくうち、 うまく、そのストーリーがツイッターの短文連結スタイルにと一致してきました。 つまり、 一つ一つの完結した短い文章を繋げていって、通して読むと、一本の長い小説になるエピソードが書けそうな感じがしてきたのです。
そうして完成したのが、今回の 「コロナの真実」 です。テーマ的にも、 時事ネタの新型コロナを扱っていますので、ツイッター上で公開するのには、 まさにタイムリーな話 だったと言えるでしょう。
ちなみに、 私が急にツイッター小説に目が向いた理由としては、あの大ヒットした 「100日後に死ぬワニ」 にも刺激された部分があったのかもしれません。
「コロナの真実」
2020年05月26日
新作小説「コロナの真実」
本日より、 ツイッター
にて、久々に、(エロ小説じゃない) 新作の小説
を公開させていただく事にいたしました。
題名は 「コロナの真実」 です。
このタイトル通り、 この度の世界的コロナ禍について、私なりの憶測を述べてみたくなったのですが、現実世界の問題なだけに、 安易な事を語るのは不謹慎 かと思い、 フィクション(小説)の形にさせていただいた 次第です。
執筆も、実は、 ひと月前から始めていたのですが、あえて、 日本内での緊急事態宣言が解除されて、少し安心ムードになってから の発表とさせていただきました。
ツイッター上でこんな小説を連載する行為そのものが悪質だ と指摘する人もいるかもしれませんが、最近の調査で、 私のツイッターなど、ほんの一握りの人しか見てない事が分かりましたので、 他者への悪影響はほとんど無さそう なので、思い切って、 ツイッターでの公開に踏み切らせていただきました。
逆に言わせていただきますと、その 「ほんの一握りの人たち」 が、 「誰でも読める小説なのに、自分たちが読んでいる」と言う優越感を味わってくださればいいかな、 と思っている次第です。と言いますのも、この「コロナの真実」は、まさに、 これからのコロナ禍の未来を、私なりに予測した内容となっているからです。
作品そのものの詳しい解説 は、作品全編公開後に、また、こちらのブログにて掲載したいと思います。
「コロナの真実」
題名は 「コロナの真実」 です。
このタイトル通り、 この度の世界的コロナ禍について、私なりの憶測を述べてみたくなったのですが、現実世界の問題なだけに、 安易な事を語るのは不謹慎 かと思い、 フィクション(小説)の形にさせていただいた 次第です。
執筆も、実は、 ひと月前から始めていたのですが、あえて、 日本内での緊急事態宣言が解除されて、少し安心ムードになってから の発表とさせていただきました。
ツイッター上でこんな小説を連載する行為そのものが悪質だ と指摘する人もいるかもしれませんが、最近の調査で、 私のツイッターなど、ほんの一握りの人しか見てない事が分かりましたので、 他者への悪影響はほとんど無さそう なので、思い切って、 ツイッターでの公開に踏み切らせていただきました。
逆に言わせていただきますと、その 「ほんの一握りの人たち」 が、 「誰でも読める小説なのに、自分たちが読んでいる」と言う優越感を味わってくださればいいかな、 と思っている次第です。と言いますのも、この「コロナの真実」は、まさに、 これからのコロナ禍の未来を、私なりに予測した内容となっているからです。
作品そのものの詳しい解説 は、作品全編公開後に、また、こちらのブログにて掲載したいと思います。
「コロナの真実」
2020年05月17日
新生パブーの使い勝手
さて、 パブーでの執筆活動
を再開してから、かれこれ一週間が経つのですが、私も、だいぶ、 今のパブーのシステムが分かってきました。
新しいパブーの作品用フォーマットでは、 試し読みが出来ない だけではなく、 画像を挿入しても、以前のような、融通のきいた形では貼り付けができない みたいです。よって、 画像を大量に組み込んだ過去作品 につきましては、新フォーマットで書き直すんだったら、 一から作り直すしかないようです。
ただし、 旧フォーマットですでに完成させてあった作品 も、 これまで通り公開し続ける事ができるらしいので、 私の大多数の作品 につきましては、新たに手を加えず、 旧フォーマットのものを、そのまま展示し続ける 事に決めました。
画像だらけの 「anuritoさんのエロ談義」 や 「半日天下の半公開エロ小説集」 は、 もうイジらない事にします。 「ピンクの怪物<完全版>」 も、 旧PDFフォーマットで成立する構成 なので、もう、これで完成です。
「『ケータイ小説なんていらない』eブックランド版」 、 「かげこの玉手箱(いじめ対処法の本)」 、 「新編 かげこの玉手箱」 も、すでに内容が完結しており、 無理に書き直す必要もないので、このまま、 旧フォーマットのままで公開させていただきます。
問題なのが、 「ルシーの明日とその他の物語」 と 「平成・令和生まれに捧げる特撮学」 と 「影の少女 rewrite」 です。
「平成・令和生まれに捧げる特撮学」 は、今後、新ネタをどうしても追加したくなったら、 その時は、中身をだいぶテコ入れして、新フォーマットで書き直そう かと思っています。
「影の少女 rewrite」 は、 現時点で、まだ完成しきっていません。だから、 残りの部分を書き上げたら、その時点で、新フォーマットに移行させる 事になるでしょう。
そして、 「ルシーの明日とその他の物語」 なのですが、こちらは、まだまだ色々と書き足したいものの、でも、もし新フォーマットにしたら、 あちこちの構成が崩れてしまいます。そこで、よくよく検討した結果、この「ルシーの明日とその他の物語」につきましては、現行の 旧フォーマット版の「ルシーの明日とその他の物語」 は残しておいた上で、新フォーマットで書いた 「ルシーの明日とその他の物語(改装版)」 も、 いずれ公開する事に致しました。
旧フォーマット版 「ルシーの明日とその他の物語」 が、 今まで通りの有料 であるのに対して、 「ルシーの明日とその他の物語(改装版)」 は、 収録内容を一部変更した上で、無料で読める形にしたいと思っています。
いちお、 現段階で決定した事 は、こんな感じです。
新しいパブーの作品用フォーマットでは、 試し読みが出来ない だけではなく、 画像を挿入しても、以前のような、融通のきいた形では貼り付けができない みたいです。よって、 画像を大量に組み込んだ過去作品 につきましては、新フォーマットで書き直すんだったら、 一から作り直すしかないようです。
ただし、 旧フォーマットですでに完成させてあった作品 も、 これまで通り公開し続ける事ができるらしいので、 私の大多数の作品 につきましては、新たに手を加えず、 旧フォーマットのものを、そのまま展示し続ける 事に決めました。
画像だらけの 「anuritoさんのエロ談義」 や 「半日天下の半公開エロ小説集」 は、 もうイジらない事にします。 「ピンクの怪物<完全版>」 も、 旧PDFフォーマットで成立する構成 なので、もう、これで完成です。
「『ケータイ小説なんていらない』eブックランド版」 、 「かげこの玉手箱(いじめ対処法の本)」 、 「新編 かげこの玉手箱」 も、すでに内容が完結しており、 無理に書き直す必要もないので、このまま、 旧フォーマットのままで公開させていただきます。
問題なのが、 「ルシーの明日とその他の物語」 と 「平成・令和生まれに捧げる特撮学」 と 「影の少女 rewrite」 です。
「平成・令和生まれに捧げる特撮学」 は、今後、新ネタをどうしても追加したくなったら、 その時は、中身をだいぶテコ入れして、新フォーマットで書き直そう かと思っています。
「影の少女 rewrite」 は、 現時点で、まだ完成しきっていません。だから、 残りの部分を書き上げたら、その時点で、新フォーマットに移行させる 事になるでしょう。
そして、 「ルシーの明日とその他の物語」 なのですが、こちらは、まだまだ色々と書き足したいものの、でも、もし新フォーマットにしたら、 あちこちの構成が崩れてしまいます。そこで、よくよく検討した結果、この「ルシーの明日とその他の物語」につきましては、現行の 旧フォーマット版の「ルシーの明日とその他の物語」 は残しておいた上で、新フォーマットで書いた 「ルシーの明日とその他の物語(改装版)」 も、 いずれ公開する事に致しました。
旧フォーマット版 「ルシーの明日とその他の物語」 が、 今まで通りの有料 であるのに対して、 「ルシーの明日とその他の物語(改装版)」 は、 収録内容を一部変更した上で、無料で読める形にしたいと思っています。
いちお、 現段階で決定した事 は、こんな感じです。
2020年05月10日
「ピンクの怪物<完全版>」公開
パブーが再び使えるようになったら、真っ先に公開したかったネタが、この 「ピンクの怪物<完全版>」
です。
なんたって、3月末のパブーが改装工事を始める以前から、 すでに原稿も出来上がっていて、ネットにアップもしており、 あとは公開待ちの状態 で、ずっと待っていた訳ですから。
で、 「大人のケータイ官能小説」 のコンテストに出品していて、 落選を確認し次第、公開するつもりだったのですが、 そのコンテストの審査発表が近づいても、なかなかパブーが使用できなかった ものだから、焦った、焦った。ヘタすれば、 お蔵入りするかもと思っていました。
内容に関して言いますと、もう 「読んで下さい」 としか言いようがありません。そもそも、 「大人のケータイ官能小説」での掲載バージョン 自体、 かなり不満点が多かったのです。この度は、 パブーのPDF書類 にした事で、 ようやく、満足できるスタイルにまで整った次第です。
いちお、この作品は、 続編の構想 もあるのですが、いまいち評判が聞こえてきませんので、 多分、執筆はしないかと思われます。
「ピンクの怪物<完全版>」
なんたって、3月末のパブーが改装工事を始める以前から、 すでに原稿も出来上がっていて、ネットにアップもしており、 あとは公開待ちの状態 で、ずっと待っていた訳ですから。
で、 「大人のケータイ官能小説」 のコンテストに出品していて、 落選を確認し次第、公開するつもりだったのですが、 そのコンテストの審査発表が近づいても、なかなかパブーが使用できなかった ものだから、焦った、焦った。ヘタすれば、 お蔵入りするかもと思っていました。
内容に関して言いますと、もう 「読んで下さい」 としか言いようがありません。そもそも、 「大人のケータイ官能小説」での掲載バージョン 自体、 かなり不満点が多かったのです。この度は、 パブーのPDF書類 にした事で、 ようやく、満足できるスタイルにまで整った次第です。
いちお、この作品は、 続編の構想 もあるのですが、いまいち評判が聞こえてきませんので、 多分、執筆はしないかと思われます。
「ピンクの怪物<完全版>」
2020年02月10日
復活!特撮学
公開終了した 「悪の組織の大研究」の中より、 「平成生まれに捧げる特撮学」
を取り出し、新たに 「平成・令和生まれに捧げる特撮学」
というコンテンツに変えて、再公開させていただきました。
と言いますのも、今後、このブログ内にて、 (私にとっての)懐かしの怪獣グッズとかを紹介していこう かと考えたのですが、その予備知識として、 過去の怪獣ブームとかを説明しておく必要があるだろうと判断したからです。
「平成・令和生まれに捧げる特撮学」 として再編するにあたって、以前はボツにしたコラムである 「特撮界の食獣植物ブーム」 と 「アメコミ的敵組織」 も、正式に加えました。また、巻末付録として 「私の地球侵略白書」 も再録しまして、しかも、 こちらのブログ上でしか紹介していなかった「侵略宇宙人たちの横顔」の後半部分も掲載している完全版となっております。また、著作権に配慮して、画像は大幅に減らさせていただきました。
「平成・令和生まれに捧げる特撮学」
と言いますのも、今後、このブログ内にて、 (私にとっての)懐かしの怪獣グッズとかを紹介していこう かと考えたのですが、その予備知識として、 過去の怪獣ブームとかを説明しておく必要があるだろうと判断したからです。
「平成・令和生まれに捧げる特撮学」 として再編するにあたって、以前はボツにしたコラムである 「特撮界の食獣植物ブーム」 と 「アメコミ的敵組織」 も、正式に加えました。また、巻末付録として 「私の地球侵略白書」 も再録しまして、しかも、 こちらのブログ上でしか紹介していなかった「侵略宇宙人たちの横顔」の後半部分も掲載している完全版となっております。また、著作権に配慮して、画像は大幅に減らさせていただきました。
「平成・令和生まれに捧げる特撮学」
2020年01月22日
「如月未代の奇妙な体験」(5)
○記者会見会場 (映像)
沢山の記者たちに囲まれ、
テーブルについた文部省の幹部らしき老紳士が宣言する。
老紳士 「(低い声で)文部省では、学校のいじめの原因は、
いっさい、いじめっ子自身にあると言う見解を結論にいたす次第です」
会場内の記者たちが、いっせいにどよめく。
○本 (映像)
何冊もの本が、次々に映し出されてゆく。
そのタイトルを見ると・・
「いじめっ子問題を考える」
「恥ずかしいいじめっ子」
「いじめっ子は世界をダメにする」
「くたばれ!いじめっ子」
「いじめっ子の飼いならし方」 etc
○テレビ放送 (映像)
先に、未代が見ていた教育評論家が、
またテレビの席上で、懸命に力説している。
教育評論家 「(ためらいも見せずに)今の学校はストレスが溜まりやすいとか、
いじめっ子には不幸な境遇の子供が多いとか、様々な事が言われてはいますが、
大人になれば、子供なんかよりも、
遥かにストレスが溜まる、厳しい社会生活が待っているものなのです。
それなのに、些細なストレスや苦労にも耐えられずに、
安易にいじめなんてストレス発散法に走ってしまう子供たちが、
果たして、どんな大人に成長してしまうのでしょうか。
我々は、今まで、少し子供たちを甘やかし過ぎていました。
もっと厳しく、強い忍耐力を持った子供たちを育てる為にも、
いじめなんてものに手を出すような子供には、情けはかけるべきではないのです!」
○街頭 (映像)
選挙の宣伝カーが車道をゆっくりと走っている。
その車の上に立っている立候補者とは、吉川である。
吉川 「(マイクを通して)皆さん、どうぞ、私にお力を貸してください。
学校内のいじめ撲滅の為にも、
私は文部大臣にとなり、頂点から学校の全てを改革します。
弱い者いじめをしない善良な子供たちの為にも、快適な教育環境を作ってあげましょう。
七年間の教師生活の経験を生かして、吉川は頑張ります。皆さん、お願いします!」
吉川は、かなり人気があるらしく、歩行者たちが拍手する。
○テレビ画面 (映像)
アニメーション番組が写っている。
かっこいい学生服姿のヒーローが、
不良スタイルの学生たちを過激すぎる暴力アクションで、とことんやっつけている。
(勇ましいBGMがバックに流れている)
ヒーロー 「(かっこをつけて)意地悪で、残酷ないじめっ子たちよ!
ウジ虫みたいなお前たちに、生きてる権利はなーい!」
○面接室 (映像)
スーツ姿の会社の面接官がカメラ目線で話しかけてくる。
面接官 「(冷ややかに)悪いけど、君、学生時代はいじめっ子だったみたいだね。
すまないが、うちの会社では、
いじめっ子は、新人としては、絶対採用しない事にしてるんだ。
何しろ、会社の中でも、また同僚いじめなんかをして、
トラブルなんかを起こされたりしては困るんでね」
○町中 (映像)
主婦を中心とした一団が、通りをデモ行進している。
持っているプラカードの文字は・・
「いじめっ子追放!」
「学校に安全を!」
「子供たちに平和を!」
デモのリーダーらしき主婦が声を張り上げている。
デモのリーダー 「(大声で)いじめのある学校は学校じゃなーい!
子供たちに自由と安心を!いじめをする子供は、学校に入れるなー!」
○中学校・校庭 (映像)
おびえるミチル、さちえ、麻衣子らが、無数の生徒たちに追いかけ回されている。
追っている生徒たちは、皆、きつい表情で、殺気だっている。
生徒の一人 「いじめっ子め!この野郎!お前たちのせいだ!」
別の生徒 「お前たちが問題なんかを起こすから、
うちの学校はよけい校則が厳しくなっちゃったんだぞ!どうしてくれるんだ!」
さらに別の生徒 「お前たちなんか死んじゃえ!」
ミチルたちは怯んで、ついに団子になって、地面に倒れてしまう。
そのまわりにドッと生徒たちが群がり、
まるで無抵抗のミチルたちを袋だたきにし始める。物凄い惨状。
映像の最後に、未代の悲鳴が重なる。
未代の声 「(叫ぶ)止めてえ!もう止めてえ!」
○再び、白い空間
映像は縮小し、光の穴の状態でとどまっている。
その前に、かむろは超然と立ち、未代はうろたえて、耳を押さえている。
未代 「(怯えて)ひどい。ひどいわ!
なぜ、これほどまでも責められなくちゃいけないの?可哀相よ。可哀相だわ!」
かむろ 「(冷たく)なに、おかしな事を言っているのよ。
あなたは、なぎささんの事が可哀相だとは思わなかったんでしょう。
それと同じよ。皆が、いじめっ子はいじめられても仕方がない、
いじめっ子側にいじめられる原因があると考えるようになったから、
あのような事が平気で行なわれるようになったのよ」
未代 「(半泣きで)でも・・」
かむろ 「(激しく)まだ分からないの!
あなたはね、なぎささんや周りの人たちの優しさに甘えていただけだったのよ。
なぎささんが抵抗しなかったから、いじめれたんじゃない。
なぎささんが、優しく、あなたの意地悪行為を許してくれていたから、
何のお咎めもなく、いじめを続ける事ができたのよ。
あなたは、何も知らなかったのよ。赤ん坊と同じだわ。
自分の事だけしか考えないで、他人から愛情や恵みを受け取ってばかりいる。
そして、自分は誰にも何も与えようとしないのよ。
全く、なんで、あなたみたいな人がこの世に生まれてしまったのかしら」
未代は、完全に気が動転する。
未代 「(叫ぶ)うわーっ」
かむろ 「あなたみたいな人たちの為に、
さんざん迷惑をこうむってきた人たちがいっせいに抵抗しだしたのが、
今、あなたに見せたあの世界よ。さあ、あそこへ行きなさい!
あなたがあの世界を望んだのよ!」
かむろがバッと光の穴の方を指さす。
未代 「(泣きながら、必死に)いやっ!いやっ!」
かむろ 「反省したと言うの?遅いわよ!反省しただけで済む問題じゃないのよ!
今頃になって謝ったって手遅れだわ。
なぜ、いじめなんかする前に、よく考えなかったの?
自分が何をすればいいのか、選択するぐらいの意志の自由は、
あなたにだって十分あったはずよ」
未代 「(泣き続け)いやだ。いやっ・・」
かむろ 「(厳しく)あの世界へさっさと行ってしまいなさい!
それが嫌なら、これから自分はどう言う形で償えれるのかをよく考えてみるべきね」
かむろの姿がパッと消え、
代わりに、泣き顔の未代の目前に、小刀がポツンと現われる。
震える未代は、おそるおそる、その小刀を手に取る。
ジッと小刀を見つめた末に、
未代がそろそろと小刀の先を自分の喉の方へと近付けてゆく。
しかし、土壇場になって、未代は小刀をバッと投げ捨ててしまう。
未代 「(悲痛に)いやーっ!」
○別の白い空間
前のシーンの最後の、未代の叫んだ顔写真が宙の一角に浮いている。
同じように、さまざまな人たちの絶望した顔写真が、
あちこちに沢山浮かんでいて、その中央に、かむろがすまして立っている。
かむろ 「(冷ややかに)人間って、なぜ、何も学ばないのかしら。
何百年たっても、何千年たっても同じよ。いつだって、まず自分の事しか考えていない。
もし、自分の利害と他人の幸せが衝突するような事があれば、
自分の主張の方は絶対引っ込めようとはせず、
何だかんだと自己正当の理屈をこねて、相手の要望を押しのけようとする。
誰もがそんな態度ばかりを取り続けているから、いつだってケンカやもめ事が絶えず、
あげくは国同士や民族同士の戦争までもが起きてしまうのよ。しかし・・」
ここで、かむろは、静かに未代の顔写真を手に取る。
かむろ 「(未代の写真を見ながら)こんな人たちでも、
もし一からやり直せれる機会があるのならば、もしかすると、
自分たちが本来歩まなければいけない生き方にも気付いてくれるかもしれないわ。
ねえ、そうじゃないかしら」
かむろは、カメラ目線で、視聴者の方へ微笑みかける。 (FO)
○川沿いの一本道 (朝・登校時)
冒頭のシーンと同じ場所。
なぎさが一人で立ち、静かに皆が来るのを待っている。
そこへ、未代、ミチル、さちえ、麻衣子たちがやって来る。
未代はおとなしくしているが、他の子たちはペチャクチャ喋っている。
ミチル 「(はしゃいで)なぎさー、おはよー!」
なぎさ 「(小さく微笑み)お早う」
ミチルは、いきなり、なぎさへと自分のカバンを投げ渡す。
ミチル 「(明るく)じゃあ、なぎさ、今日も頼んだね!」
さちえ 「(慌てて)あー、あたしのもォ!」
その時、未代が突然さちえを押さえ、
なぎさから奪ったミチルのカバンをミチルの方へと突き出す。
未代 「(きつく)あんたたち、たまには自分のカバンぐらい自分で持ちなさいよ」
未代の態度に、ミチルたちはもちろん、なぎさも呆気に取られている。
未代 「それからさ、あたし、なぎさと二人っきりで話をしたいから、
あんたたち、悪いけど、先に学校に行っててくれない」
未代の強きの命令に、戸惑いながらも、
ミチルたちは、すごすごと先に歩き去ってしまう。
あとには、未代となぎさだけが残される。
なぎさは、未代の前で、ひどくオロオロしている。
未代は、自分のカバンの中からソッと学校の文集を取り出すと、
なぎさの方を見て、優しく微笑む。
未代 「(明るく)なぎさって、小説を書いていたのね。
読ませてもらったけど、とっても面白かったわ」
未代の言葉を聞き、なぎさの表情がパッと明るくなる。
今まで見せた事のないような、嬉しそうな笑顔である。
未代 「(無邪気っぽく)他にも、まだ沢山書いているんでしょう。
あたし、もっと色々読んでみたいんだけどな」
未代となぎさは、楽しげに、並んで歩き出す。
その去ってゆく後ろ姿は、まさに、仲の良い親友たちのそれのようである。
二人は、どんどん、画面の奥へと去ってゆく。
テロップ 「この世には、存在しない時間帯と言うものがある。
例えば、もし第二次大戦でナチスが勝っていたら?
などと言うifの世界などがそうである。
また、予定していながらも、
結局、実行には至らなかった未来スケジュールなども、これに当たる。
オカルティストの中には、このような時間帯の事を総称して、
<かむろの時間> と呼ぶ人たちもいる。
あるいは、少女・未代は、
そんな不可思議な負の時間帯の中にと迷い込んでいたのかもしれない」
END
沢山の記者たちに囲まれ、
テーブルについた文部省の幹部らしき老紳士が宣言する。
老紳士 「(低い声で)文部省では、学校のいじめの原因は、
いっさい、いじめっ子自身にあると言う見解を結論にいたす次第です」
会場内の記者たちが、いっせいにどよめく。
○本 (映像)
何冊もの本が、次々に映し出されてゆく。
そのタイトルを見ると・・
「いじめっ子問題を考える」
「恥ずかしいいじめっ子」
「いじめっ子は世界をダメにする」
「くたばれ!いじめっ子」
「いじめっ子の飼いならし方」 etc
○テレビ放送 (映像)
先に、未代が見ていた教育評論家が、
またテレビの席上で、懸命に力説している。
教育評論家 「(ためらいも見せずに)今の学校はストレスが溜まりやすいとか、
いじめっ子には不幸な境遇の子供が多いとか、様々な事が言われてはいますが、
大人になれば、子供なんかよりも、
遥かにストレスが溜まる、厳しい社会生活が待っているものなのです。
それなのに、些細なストレスや苦労にも耐えられずに、
安易にいじめなんてストレス発散法に走ってしまう子供たちが、
果たして、どんな大人に成長してしまうのでしょうか。
我々は、今まで、少し子供たちを甘やかし過ぎていました。
もっと厳しく、強い忍耐力を持った子供たちを育てる為にも、
いじめなんてものに手を出すような子供には、情けはかけるべきではないのです!」
○街頭 (映像)
選挙の宣伝カーが車道をゆっくりと走っている。
その車の上に立っている立候補者とは、吉川である。
吉川 「(マイクを通して)皆さん、どうぞ、私にお力を貸してください。
学校内のいじめ撲滅の為にも、
私は文部大臣にとなり、頂点から学校の全てを改革します。
弱い者いじめをしない善良な子供たちの為にも、快適な教育環境を作ってあげましょう。
七年間の教師生活の経験を生かして、吉川は頑張ります。皆さん、お願いします!」
吉川は、かなり人気があるらしく、歩行者たちが拍手する。
○テレビ画面 (映像)
アニメーション番組が写っている。
かっこいい学生服姿のヒーローが、
不良スタイルの学生たちを過激すぎる暴力アクションで、とことんやっつけている。
(勇ましいBGMがバックに流れている)
ヒーロー 「(かっこをつけて)意地悪で、残酷ないじめっ子たちよ!
ウジ虫みたいなお前たちに、生きてる権利はなーい!」
○面接室 (映像)
スーツ姿の会社の面接官がカメラ目線で話しかけてくる。
面接官 「(冷ややかに)悪いけど、君、学生時代はいじめっ子だったみたいだね。
すまないが、うちの会社では、
いじめっ子は、新人としては、絶対採用しない事にしてるんだ。
何しろ、会社の中でも、また同僚いじめなんかをして、
トラブルなんかを起こされたりしては困るんでね」
○町中 (映像)
主婦を中心とした一団が、通りをデモ行進している。
持っているプラカードの文字は・・
「いじめっ子追放!」
「学校に安全を!」
「子供たちに平和を!」
デモのリーダーらしき主婦が声を張り上げている。
デモのリーダー 「(大声で)いじめのある学校は学校じゃなーい!
子供たちに自由と安心を!いじめをする子供は、学校に入れるなー!」
○中学校・校庭 (映像)
おびえるミチル、さちえ、麻衣子らが、無数の生徒たちに追いかけ回されている。
追っている生徒たちは、皆、きつい表情で、殺気だっている。
生徒の一人 「いじめっ子め!この野郎!お前たちのせいだ!」
別の生徒 「お前たちが問題なんかを起こすから、
うちの学校はよけい校則が厳しくなっちゃったんだぞ!どうしてくれるんだ!」
さらに別の生徒 「お前たちなんか死んじゃえ!」
ミチルたちは怯んで、ついに団子になって、地面に倒れてしまう。
そのまわりにドッと生徒たちが群がり、
まるで無抵抗のミチルたちを袋だたきにし始める。物凄い惨状。
映像の最後に、未代の悲鳴が重なる。
未代の声 「(叫ぶ)止めてえ!もう止めてえ!」
○再び、白い空間
映像は縮小し、光の穴の状態でとどまっている。
その前に、かむろは超然と立ち、未代はうろたえて、耳を押さえている。
未代 「(怯えて)ひどい。ひどいわ!
なぜ、これほどまでも責められなくちゃいけないの?可哀相よ。可哀相だわ!」
かむろ 「(冷たく)なに、おかしな事を言っているのよ。
あなたは、なぎささんの事が可哀相だとは思わなかったんでしょう。
それと同じよ。皆が、いじめっ子はいじめられても仕方がない、
いじめっ子側にいじめられる原因があると考えるようになったから、
あのような事が平気で行なわれるようになったのよ」
未代 「(半泣きで)でも・・」
かむろ 「(激しく)まだ分からないの!
あなたはね、なぎささんや周りの人たちの優しさに甘えていただけだったのよ。
なぎささんが抵抗しなかったから、いじめれたんじゃない。
なぎささんが、優しく、あなたの意地悪行為を許してくれていたから、
何のお咎めもなく、いじめを続ける事ができたのよ。
あなたは、何も知らなかったのよ。赤ん坊と同じだわ。
自分の事だけしか考えないで、他人から愛情や恵みを受け取ってばかりいる。
そして、自分は誰にも何も与えようとしないのよ。
全く、なんで、あなたみたいな人がこの世に生まれてしまったのかしら」
未代は、完全に気が動転する。
未代 「(叫ぶ)うわーっ」
かむろ 「あなたみたいな人たちの為に、
さんざん迷惑をこうむってきた人たちがいっせいに抵抗しだしたのが、
今、あなたに見せたあの世界よ。さあ、あそこへ行きなさい!
あなたがあの世界を望んだのよ!」
かむろがバッと光の穴の方を指さす。
未代 「(泣きながら、必死に)いやっ!いやっ!」
かむろ 「反省したと言うの?遅いわよ!反省しただけで済む問題じゃないのよ!
今頃になって謝ったって手遅れだわ。
なぜ、いじめなんかする前に、よく考えなかったの?
自分が何をすればいいのか、選択するぐらいの意志の自由は、
あなたにだって十分あったはずよ」
未代 「(泣き続け)いやだ。いやっ・・」
かむろ 「(厳しく)あの世界へさっさと行ってしまいなさい!
それが嫌なら、これから自分はどう言う形で償えれるのかをよく考えてみるべきね」
かむろの姿がパッと消え、
代わりに、泣き顔の未代の目前に、小刀がポツンと現われる。
震える未代は、おそるおそる、その小刀を手に取る。
ジッと小刀を見つめた末に、
未代がそろそろと小刀の先を自分の喉の方へと近付けてゆく。
しかし、土壇場になって、未代は小刀をバッと投げ捨ててしまう。
未代 「(悲痛に)いやーっ!」
○別の白い空間
前のシーンの最後の、未代の叫んだ顔写真が宙の一角に浮いている。
同じように、さまざまな人たちの絶望した顔写真が、
あちこちに沢山浮かんでいて、その中央に、かむろがすまして立っている。
かむろ 「(冷ややかに)人間って、なぜ、何も学ばないのかしら。
何百年たっても、何千年たっても同じよ。いつだって、まず自分の事しか考えていない。
もし、自分の利害と他人の幸せが衝突するような事があれば、
自分の主張の方は絶対引っ込めようとはせず、
何だかんだと自己正当の理屈をこねて、相手の要望を押しのけようとする。
誰もがそんな態度ばかりを取り続けているから、いつだってケンカやもめ事が絶えず、
あげくは国同士や民族同士の戦争までもが起きてしまうのよ。しかし・・」
ここで、かむろは、静かに未代の顔写真を手に取る。
かむろ 「(未代の写真を見ながら)こんな人たちでも、
もし一からやり直せれる機会があるのならば、もしかすると、
自分たちが本来歩まなければいけない生き方にも気付いてくれるかもしれないわ。
ねえ、そうじゃないかしら」
かむろは、カメラ目線で、視聴者の方へ微笑みかける。 (FO)
○川沿いの一本道 (朝・登校時)
冒頭のシーンと同じ場所。
なぎさが一人で立ち、静かに皆が来るのを待っている。
そこへ、未代、ミチル、さちえ、麻衣子たちがやって来る。
未代はおとなしくしているが、他の子たちはペチャクチャ喋っている。
ミチル 「(はしゃいで)なぎさー、おはよー!」
なぎさ 「(小さく微笑み)お早う」
ミチルは、いきなり、なぎさへと自分のカバンを投げ渡す。
ミチル 「(明るく)じゃあ、なぎさ、今日も頼んだね!」
さちえ 「(慌てて)あー、あたしのもォ!」
その時、未代が突然さちえを押さえ、
なぎさから奪ったミチルのカバンをミチルの方へと突き出す。
未代 「(きつく)あんたたち、たまには自分のカバンぐらい自分で持ちなさいよ」
未代の態度に、ミチルたちはもちろん、なぎさも呆気に取られている。
未代 「それからさ、あたし、なぎさと二人っきりで話をしたいから、
あんたたち、悪いけど、先に学校に行っててくれない」
未代の強きの命令に、戸惑いながらも、
ミチルたちは、すごすごと先に歩き去ってしまう。
あとには、未代となぎさだけが残される。
なぎさは、未代の前で、ひどくオロオロしている。
未代は、自分のカバンの中からソッと学校の文集を取り出すと、
なぎさの方を見て、優しく微笑む。
未代 「(明るく)なぎさって、小説を書いていたのね。
読ませてもらったけど、とっても面白かったわ」
未代の言葉を聞き、なぎさの表情がパッと明るくなる。
今まで見せた事のないような、嬉しそうな笑顔である。
未代 「(無邪気っぽく)他にも、まだ沢山書いているんでしょう。
あたし、もっと色々読んでみたいんだけどな」
未代となぎさは、楽しげに、並んで歩き出す。
その去ってゆく後ろ姿は、まさに、仲の良い親友たちのそれのようである。
二人は、どんどん、画面の奥へと去ってゆく。
テロップ 「この世には、存在しない時間帯と言うものがある。
例えば、もし第二次大戦でナチスが勝っていたら?
などと言うifの世界などがそうである。
また、予定していながらも、
結局、実行には至らなかった未来スケジュールなども、これに当たる。
オカルティストの中には、このような時間帯の事を総称して、
<かむろの時間> と呼ぶ人たちもいる。
あるいは、少女・未代は、
そんな不可思議な負の時間帯の中にと迷い込んでいたのかもしれない」
END
2020年01月21日
「如月未代の奇妙な体験」(4)
○川沿いの一本道
いつもの場所。
ミチル、さちえ、麻衣子の三人が寄り添って、立っているところへ、
未代が速足で近づいてゆく。(他に人の姿は無い)
未代 「(三人へ)もう、どうしたって言うのよ!」
ミチル 「(パッと)未代、待ってたわ」
ミチルたち三人は、ひどくオロオロしている。
未代 「(強気に)びくびくしないで、もっとしっかりしなさいよ!
あたし達、やましい事は何も無いんだからさ」
ミチル 「(あたりをキョロキョロ見回してから)でもさ、やっぱり心配でさ、なぎさの事。
これから、本当にどうしたらいいの?」
未代 「(強く)あたし達には関係ないわ。なぎさは、自分で勝手に死んだのよ。
あたし達が悪いんじゃないわ。気にするんじゃない」
ミチル 「(オロオロと)でも・・もしさ」
未代 「(乾いた調子で)いい?なぎさの遺書は無かったのよ。
学校だって、自殺の原因がいじめだとは認めてないわ。
だったら、あたし達には、全然責任は無いじゃない」
麻衣子 「(口を挟む)だけど、マスコミが・・」
未代 「だから、学校はいじめは無かったと言う事にしたがってるのよ。
それなら、あたし達も協力しなくちゃ。ねっ、そうでしょう。
もし、クラスメイトの誰かがいじめの事をマスコミに話したにしても、
あたし達の名前が実名で出る事は絶対ないわ。
と言う事は、あたし達が責められる事もない。心配は無いのよ。
卒業だって、きちんと出来るから、安心して」
三人の友人は、なおも不安げな様子。
未代 「(悪魔的な表情になる)もう、皆、怖がりなんだから!
それなら、いい事をおしえてあげるわ。
なぎさの遺書は見つからなかったかもしれないけど、
あの子の作文とかにあたし達の名前が出ていた可能性もあるの。
そこで、あたし、昔の文集とか調べてみたんだけどさ、
怪しい事は何一つ書かれていなかったわ。
あなた達も、うちに帰って、ちょっと調べてごらんなさい。
もし不審な事が何も書かれていなければ、あたし達は安全だって事なんだから」
さちえ 「(少しホッとして)そう言えば・・。なるほど」
ミチル 「うん、帰って、すぐ調べてみるわ。さすが、未代!頭、いい!」
未代 「(笑みを浮かべ)もし、気になる事が書かれているようなら、また集まりましょう。
気をもむのは、それからでも十分だわ」
ミチル 「(笑顔で)うん、そうする。未代、ありがとう」
未代の視線が、ふと河原の方へ向く。
そこには、時間が止まったかのように、かむろの姿がある。
未代は、ギョッとして、顔をしかめる。
未代の方を見つめるかむろが、優しく微笑んでいる。
未代とかむろは、しばらく相手を直視し続ける。
ついに未代が耐えられなくなり、厳しく叫びだす。
未代 「(かむろの方へ)ちょっと、あなた!一体、何なのよ!
なぜ、そんなに、あたしの事を見つめるの!あたしがどうしたと言うのよ!」
いきなり怒鳴りだした未代の態度に、ミチルたちはすっかりうろたえる。
未代がどやしつけている方向へ、ミチルが目をやる。
しかし、そこには誰も居ない。ただの河原である。
ミチル 「(戸惑いながら)未代、誰もいないよ。何を怒ってるの?」
未代 「(興奮して)ミチル、目が悪いんじゃないの?あそこにいるじゃない。
変な女が!見えないの?」
未代の視線で見ると、相変わらず、河原でかむろが笑っている。
未代の異常に、三人の友人は弱り果てる。
未代 「(かむろへ)こっちに来なさいよ!来ないなら、こっちから行くわ!
どうせ、今のあたし達の話だって、こっそり立ち聞きしてたんでしょう!
あたし達に何か言いたいんだったら、堂々と言ったらどうなのよ!」
未代が、河原の方へと向かいだす。
ミチル 「(慌てて)み、未代!待ってったら!」
ミチルに構わず、河原へと降りた未代が、一直線にかむろの方へと向かってゆく。
未代が迫ってきた時、
かむろも微笑みながら、クルリと未代に背を向け、軽やかに駆け出す。
未代がその後を追う!追っ掛けっことなる。
二人の背景が消え、真っ白になってゆく。
○白い空間
駈けていたかむろが立ち止まり、未代の方に振り向く。
未代もまた走るのを止め、かむろの事をきつく睨みつける。
かむろは、相変わらず、微笑み続けている。
かむろ 「(声高らかに)最後の願いとは、それは・・
いえ、それを書くのは止めておく事にしましょう。
しかし、あなたも、その願いの正体を、やがて、必ず目にする事が出来るはずでしょう」
未代 「(少し動揺し)なぜ、なぎさの小説の最後のくだりを、あなたが知ってるの?
あなたが、その最後の願いの正体だったの?」
かむろ 「(明るく)あら、おかしい。それは、小説の中の話じゃない。
・・でも、そうかもしれないわね。私も虚空の存在かもしれない。
あなたも、誰かに作り出された幻想なのかもしれない」
未代 「(ムキになり)あたしはあたしよ!ここにきちんと生きているわ」
かむろ 「(優しく)そうかしら。
小説家は、自分は実在しているんだと信じきっている人物を、
作品の中に登場させる事だって出来るわよ」
未代はためらい、黙り込む。
かむろ 「(明るく)私はあなたに聞きたかったの。
あなたは、なぎささんの事をさんざんこき使ったり、意地悪したりしていたわよね。
やはり、それは、いじめる事が楽しかったからなの?
自分が楽しむ為には、何をしてもいい、と言う風に考えていたの?」
未代 「(口ごもり)それは・・」
○校舎の裏 (回想)
未代が、複数の年配の女生徒たちの輪の中で、いたぶられている。
未代一人では勝ち目がなく、いいように叩かれている。
女生徒の一人 「(笑って)この野郎!生意気に口紅なんか付けやがってェ!
ヤキだ、ヤキだ!」
未代は、歯を食いしばり、暴力に必死に堪えている。
○再び、白い空間
未代と対峙するかむろが、突然、大笑いする。
かむろ 「(可笑しげに)まあ、そう!
自分もいじめられたから、自分だっていじめたっていいじゃないかと言うのね。
なるほど。もっともらしい理屈ね」
未代 「(慌てて)あ、あたし、そんな事は言ってないわ」
かむろが、笑顔のまま、キッと未代を睨みつける。
かむろ 「(冷ややかに)面白い話をおしえてあげましょう。
あなたも、風紀の清水先生の事は御存知でしょう。
あの先生はね、実は、シナリオを書いて、
テレビのいろんなコンテストに送ってみるのが、唯一の趣味なの。
でもね、可哀相に、なかなか入選した事がないのよ。
そして、落選通知が届くたびに不機嫌になって、
そんな時は、やたらと生徒たちに当たり散らしたりするの」
未代 「(ムッとして)何よ、それ!ただの八つ当たりじゃない。
そんな事で叱られるんじゃ、あたし達がいい迷惑だわ」
かむろ 「(すまして)あら。それなら、いじめられたから、自分もいじめていい、
と考えるのは、八つ当たりにならないと言うの?」
未代は、再び返す言葉をなくしてしまう。
未代の心の声 「まるで、心の中を読まれているみたい。
死んだら、えんま大王の前ではウソがばれてしまうと言うけれど、
それは、こんな感じなのかしら」
未代 「(うろたえつつ)で、でも、なぎさは・・なぎさは何をしたって逆らわなかったわ。
もし意地悪されるのが嫌だと言うのなら、はっきりとそう言ってくれれば良かったのよ。
そしたら、あたしだって・・何もしなかったわ」
かむろ 「(ニコリと笑い)おや、本当かしら。でも、そう言うのならば、それでもいいわ。
抵抗しなかったなぎささんにも、いじめられる原因があると言いたいのね。
そう考えたいのならば、それでもいいわ。
では、私は、あなたに未来を見せてあげましょう。
さあ、いらっしゃい。これが、あなたの歩むこれからの未来よ!」
かむろがバッと指さした方向が、まばやく光り出し、
そこに以下の映像が次々に映し出されてゆく事になる。
(つづく)
いつもの場所。
ミチル、さちえ、麻衣子の三人が寄り添って、立っているところへ、
未代が速足で近づいてゆく。(他に人の姿は無い)
未代 「(三人へ)もう、どうしたって言うのよ!」
ミチル 「(パッと)未代、待ってたわ」
ミチルたち三人は、ひどくオロオロしている。
未代 「(強気に)びくびくしないで、もっとしっかりしなさいよ!
あたし達、やましい事は何も無いんだからさ」
ミチル 「(あたりをキョロキョロ見回してから)でもさ、やっぱり心配でさ、なぎさの事。
これから、本当にどうしたらいいの?」
未代 「(強く)あたし達には関係ないわ。なぎさは、自分で勝手に死んだのよ。
あたし達が悪いんじゃないわ。気にするんじゃない」
ミチル 「(オロオロと)でも・・もしさ」
未代 「(乾いた調子で)いい?なぎさの遺書は無かったのよ。
学校だって、自殺の原因がいじめだとは認めてないわ。
だったら、あたし達には、全然責任は無いじゃない」
麻衣子 「(口を挟む)だけど、マスコミが・・」
未代 「だから、学校はいじめは無かったと言う事にしたがってるのよ。
それなら、あたし達も協力しなくちゃ。ねっ、そうでしょう。
もし、クラスメイトの誰かがいじめの事をマスコミに話したにしても、
あたし達の名前が実名で出る事は絶対ないわ。
と言う事は、あたし達が責められる事もない。心配は無いのよ。
卒業だって、きちんと出来るから、安心して」
三人の友人は、なおも不安げな様子。
未代 「(悪魔的な表情になる)もう、皆、怖がりなんだから!
それなら、いい事をおしえてあげるわ。
なぎさの遺書は見つからなかったかもしれないけど、
あの子の作文とかにあたし達の名前が出ていた可能性もあるの。
そこで、あたし、昔の文集とか調べてみたんだけどさ、
怪しい事は何一つ書かれていなかったわ。
あなた達も、うちに帰って、ちょっと調べてごらんなさい。
もし不審な事が何も書かれていなければ、あたし達は安全だって事なんだから」
さちえ 「(少しホッとして)そう言えば・・。なるほど」
ミチル 「うん、帰って、すぐ調べてみるわ。さすが、未代!頭、いい!」
未代 「(笑みを浮かべ)もし、気になる事が書かれているようなら、また集まりましょう。
気をもむのは、それからでも十分だわ」
ミチル 「(笑顔で)うん、そうする。未代、ありがとう」
未代の視線が、ふと河原の方へ向く。
そこには、時間が止まったかのように、かむろの姿がある。
未代は、ギョッとして、顔をしかめる。
未代の方を見つめるかむろが、優しく微笑んでいる。
未代とかむろは、しばらく相手を直視し続ける。
ついに未代が耐えられなくなり、厳しく叫びだす。
未代 「(かむろの方へ)ちょっと、あなた!一体、何なのよ!
なぜ、そんなに、あたしの事を見つめるの!あたしがどうしたと言うのよ!」
いきなり怒鳴りだした未代の態度に、ミチルたちはすっかりうろたえる。
未代がどやしつけている方向へ、ミチルが目をやる。
しかし、そこには誰も居ない。ただの河原である。
ミチル 「(戸惑いながら)未代、誰もいないよ。何を怒ってるの?」
未代 「(興奮して)ミチル、目が悪いんじゃないの?あそこにいるじゃない。
変な女が!見えないの?」
未代の視線で見ると、相変わらず、河原でかむろが笑っている。
未代の異常に、三人の友人は弱り果てる。
未代 「(かむろへ)こっちに来なさいよ!来ないなら、こっちから行くわ!
どうせ、今のあたし達の話だって、こっそり立ち聞きしてたんでしょう!
あたし達に何か言いたいんだったら、堂々と言ったらどうなのよ!」
未代が、河原の方へと向かいだす。
ミチル 「(慌てて)み、未代!待ってったら!」
ミチルに構わず、河原へと降りた未代が、一直線にかむろの方へと向かってゆく。
未代が迫ってきた時、
かむろも微笑みながら、クルリと未代に背を向け、軽やかに駆け出す。
未代がその後を追う!追っ掛けっことなる。
二人の背景が消え、真っ白になってゆく。
○白い空間
駈けていたかむろが立ち止まり、未代の方に振り向く。
未代もまた走るのを止め、かむろの事をきつく睨みつける。
かむろは、相変わらず、微笑み続けている。
かむろ 「(声高らかに)最後の願いとは、それは・・
いえ、それを書くのは止めておく事にしましょう。
しかし、あなたも、その願いの正体を、やがて、必ず目にする事が出来るはずでしょう」
未代 「(少し動揺し)なぜ、なぎさの小説の最後のくだりを、あなたが知ってるの?
あなたが、その最後の願いの正体だったの?」
かむろ 「(明るく)あら、おかしい。それは、小説の中の話じゃない。
・・でも、そうかもしれないわね。私も虚空の存在かもしれない。
あなたも、誰かに作り出された幻想なのかもしれない」
未代 「(ムキになり)あたしはあたしよ!ここにきちんと生きているわ」
かむろ 「(優しく)そうかしら。
小説家は、自分は実在しているんだと信じきっている人物を、
作品の中に登場させる事だって出来るわよ」
未代はためらい、黙り込む。
かむろ 「(明るく)私はあなたに聞きたかったの。
あなたは、なぎささんの事をさんざんこき使ったり、意地悪したりしていたわよね。
やはり、それは、いじめる事が楽しかったからなの?
自分が楽しむ為には、何をしてもいい、と言う風に考えていたの?」
未代 「(口ごもり)それは・・」
○校舎の裏 (回想)
未代が、複数の年配の女生徒たちの輪の中で、いたぶられている。
未代一人では勝ち目がなく、いいように叩かれている。
女生徒の一人 「(笑って)この野郎!生意気に口紅なんか付けやがってェ!
ヤキだ、ヤキだ!」
未代は、歯を食いしばり、暴力に必死に堪えている。
○再び、白い空間
未代と対峙するかむろが、突然、大笑いする。
かむろ 「(可笑しげに)まあ、そう!
自分もいじめられたから、自分だっていじめたっていいじゃないかと言うのね。
なるほど。もっともらしい理屈ね」
未代 「(慌てて)あ、あたし、そんな事は言ってないわ」
かむろが、笑顔のまま、キッと未代を睨みつける。
かむろ 「(冷ややかに)面白い話をおしえてあげましょう。
あなたも、風紀の清水先生の事は御存知でしょう。
あの先生はね、実は、シナリオを書いて、
テレビのいろんなコンテストに送ってみるのが、唯一の趣味なの。
でもね、可哀相に、なかなか入選した事がないのよ。
そして、落選通知が届くたびに不機嫌になって、
そんな時は、やたらと生徒たちに当たり散らしたりするの」
未代 「(ムッとして)何よ、それ!ただの八つ当たりじゃない。
そんな事で叱られるんじゃ、あたし達がいい迷惑だわ」
かむろ 「(すまして)あら。それなら、いじめられたから、自分もいじめていい、
と考えるのは、八つ当たりにならないと言うの?」
未代は、再び返す言葉をなくしてしまう。
未代の心の声 「まるで、心の中を読まれているみたい。
死んだら、えんま大王の前ではウソがばれてしまうと言うけれど、
それは、こんな感じなのかしら」
未代 「(うろたえつつ)で、でも、なぎさは・・なぎさは何をしたって逆らわなかったわ。
もし意地悪されるのが嫌だと言うのなら、はっきりとそう言ってくれれば良かったのよ。
そしたら、あたしだって・・何もしなかったわ」
かむろ 「(ニコリと笑い)おや、本当かしら。でも、そう言うのならば、それでもいいわ。
抵抗しなかったなぎささんにも、いじめられる原因があると言いたいのね。
そう考えたいのならば、それでもいいわ。
では、私は、あなたに未来を見せてあげましょう。
さあ、いらっしゃい。これが、あなたの歩むこれからの未来よ!」
かむろがバッと指さした方向が、まばやく光り出し、
そこに以下の映像が次々に映し出されてゆく事になる。
(つづく)
2020年01月20日
「如月未代の奇妙な体験」(3)
○何部もの新聞の文面
その中より、関連の記事の見出しを拾ってゆくと−−
「ラッシュアワーの惨事!列車脱線転覆」
「列車の転覆原因は少女の飛び込み自殺」
「自殺の動機はイジメか?」
そして、文面の隅にある自殺した少女の写真をアップにする。
明らかに、なぎさである。
○なぎさ宅・玄関前
入り口の手前で泣き崩れているなぎさの母親のまわりに、
記者たちが沢山群がっている。
その輪の中で、なぎさの母は、泣きながら、訴えている。
なぎさの母 「(泣き声で)うちの子が自殺したのは、いじめが原因だからに決まってます!
うちでは本当にいい子だったんです。それしか、考えられません。
あの子の遺書は見つかってませんが、それしか、ありえないじゃないですか!」
○記者会見会場
手前の長いテーブルには、なぎさたちの中学校の校長、教頭ら、
そして、吉川が着席している。
それを会場一杯に記者たちが取り囲んでいる。
校長 「(感情を殺し)うちの学校で本当にいじめがあったかどうかは、
まだ確認はできてはおりません」
この校長の一言で、記者たちがいっせいにどよめく。
記者A 「(校長へ)待って下さい!
生徒が自殺に走ってしまうほど、ひどいいじめを受けていたのかもしれないんですよ。
それほどのいじめの実態が、なぜ、まだ確認できてないと言うんですか!」
記者B 「(続けて)知ってても隠しているだけなんじゃありませんか!」
記者C 「その生徒の飛び込み自殺が列車の転覆を引き起こしてしまったんですよ。
もし、その生徒の自殺の動機がいじめなら、
この列車事故を招いた本当の犯人はあなた方だと言う事になるんじゃないんですか!」
記者たちに責め立てられて、
校長らはすっかりうろたえて、返答がしどろもどろになる。
すぐに、記者たちの矛先は、
テーブルの隅の方でおとなしくうつむいていた吉川の方へと向けられ出す。
記者D 「自殺した生徒の担任教師は、一体、何をしてたんですか!
いじめの事実を知らなかったんですか!」
記者E 「知ってても、やり過ごしてたんじゃないんですか!」
記者F 「(陰口っぽく)だから、女の先生はダメなんだよ」
顔を真っ赤にしていた吉川が、突如、顔をテーブルに伏せ、激しく泣き出す。
吉川 「(泣き叫ぶ)私だって、できる限りの事はやったんです。
一体、これ以上、どうすれば良かったと言うんですか!」
吉川のヒステリックな反応に、記者たちもうろたえ、どよめく。
困惑する教頭が、泣き崩れる吉川を会場の外へと連れてゆく。
校長 「(うろたえつつ、記者たちへ)今回の非常時の為、彼女は少し動揺しています。
質問は勘弁していただけないでしょうか」
記者たちは、相変わらず、騒ぎ立て続けている。
○中学校・未代のクラスの教室 (放課後)
すでに清掃時間も終り、残っている生徒はまばら。
隅の方にあるなぎさの席には、花瓶に入れた花が飾られている。
○同・校門 (放課後)
他の生徒たちに混ざって、
むっつりした表情の未代、ミチル、さちえ、麻衣子たちも出てくる。
校門の周辺で生徒たちを待ち伏せしていた若い記者が走り寄り、
何気なく、未代の方へマイクを向ける。
若い記者 「(うっとおしく)あのう、この学校の生徒ですね!
今回の女生徒の自殺事件について取材をしているのですが。
やはり、いじめが原因だったと思いますか。
あなたは、いじめの現場を見た事がありますか。
亡くなられた後藤さんとは面識はありませんでしたか」
未代たちは、うるさそうに顔をしかめ、
記者の事を相手にしないで、さっさと歩き去ってゆく。
○未代の家・居間
テレビのスクリーンをアップ。
消えていたのがパチリとつくと、ちょうど教育評論家(御台門)が話をしている。
教育評論家(スクリーン内) 「(はきはきと)現在の学校のシステムは、
子供たちにとっては非常にストレスが溜まりやすいように出来ています。
その抑圧された気持ちのはけ口として、いじめや非行などに走ると言うのは、
それら子供たちにとっては、自身をダメにしない為の自己防衛的な行為なのであり、
仕方がないものなのです。
我々は、まず子供たちのいじめや不良行為などの事をどうのこうのと言う前に、
その事について、もう一度、よく見つめ直すべきなのではないのでしょうか」
そのテレビ放送を、ソファに座って、見ている未代が頷いている。
未代 「(つぶやく)そうよ。そうなのよ」
未代は、リモコンでテレビをパチンと消す。
○同・未代の部屋
未代が、本棚をガサゴソと漁っている。
未代が手を滑らすと、いっぺんに何冊もの本が床の上にと落ちてしまう。
その中に、教科書類に混ざって、手作りの学校の文集がある。
未代は、その文集を手に取ると、ペラペラとめくりだす。
時々、めくるのを止め、文面を読んでいる。
未代 「(つぶやき)あら」
未代が目にしているページには、
「不思議なボールペン 作・後藤なぎさ」と言うタイトルが冒頭に出ている。
未代 「(つぶやき)なぎさの書いた小説が載っているわ。
そう言えば、あの子、文芸部に入っていたわね。
(読み出す)・・不思議なボールペン。私は、一本のボールペンを持っています。・・」
○白い空間 (空想)
白いバックに、なぎさが一人で立っている。
なぎさは、片手で一本のボールペンを掲げ、ツンとすましている。
なぎさ 「(生き生きと)私は、一本のボールペンを持っています。
いつ、どこで、これを手に入れたのかは覚えてはいません。
しかし、これには不思議な力が備わっているのです。
このボールペンで書いた話は、全て、現実のものとなってしまうのです。
昨年、中近東の方で起こった戦争も・・」
ここで、バックは戦場のドキュメンタリー映像。
なぎさ 「・・ついこの間、九州を襲った大地震も・・」
ここで、バックは地震の映像。
なぎさ 「・・全て、私がこのボールペンの秘密の力を知らずに、
うっかり小説のつもりで書いた文章が現実のものとなってしまったものなのです。
他にも、私が、何気なく書いてしまった為に、
現実の世界で引き起こしてしまった災厄や事件の数々は限りがありません」
なぎさの顔を、どんどんアップにしてゆく。
なぎさ 「しかし、このボールペンの中身も、あと僅かとなりました。
このボールペンの力を知った今、
私は最後のお願いをこのボールペンで文章にしようと考えています」
○再び・未代の部屋
未代が座り込み、熱心に文章を読んでいる。
未代 「(読みつぶやく)・・最後の願いとは、それは・・」
そんな時、居間の方から電話の呼び鈴が聞こえてくる。
もう少し、文章を目で読み続けた未代は、
やがて、不満げな表情で文集を閉じ、下において、立ち上がると、
スタスタと部屋から出てゆく。
○同・居間
やって来た未代が、すぐ電話を手に取る。
未代 「(電話へ)はい、如月です。・・なに、ミチルなの?どうしたのよォ、一体。
今すぐ、皆で集まるってェ?いいけど・・。なに、オドオドしてるのよ。
いつもの場所ね。分かったわ!」
未代が電話を切る。
(つづく)
その中より、関連の記事の見出しを拾ってゆくと−−
「ラッシュアワーの惨事!列車脱線転覆」
「列車の転覆原因は少女の飛び込み自殺」
「自殺の動機はイジメか?」
そして、文面の隅にある自殺した少女の写真をアップにする。
明らかに、なぎさである。
○なぎさ宅・玄関前
入り口の手前で泣き崩れているなぎさの母親のまわりに、
記者たちが沢山群がっている。
その輪の中で、なぎさの母は、泣きながら、訴えている。
なぎさの母 「(泣き声で)うちの子が自殺したのは、いじめが原因だからに決まってます!
うちでは本当にいい子だったんです。それしか、考えられません。
あの子の遺書は見つかってませんが、それしか、ありえないじゃないですか!」
○記者会見会場
手前の長いテーブルには、なぎさたちの中学校の校長、教頭ら、
そして、吉川が着席している。
それを会場一杯に記者たちが取り囲んでいる。
校長 「(感情を殺し)うちの学校で本当にいじめがあったかどうかは、
まだ確認はできてはおりません」
この校長の一言で、記者たちがいっせいにどよめく。
記者A 「(校長へ)待って下さい!
生徒が自殺に走ってしまうほど、ひどいいじめを受けていたのかもしれないんですよ。
それほどのいじめの実態が、なぜ、まだ確認できてないと言うんですか!」
記者B 「(続けて)知ってても隠しているだけなんじゃありませんか!」
記者C 「その生徒の飛び込み自殺が列車の転覆を引き起こしてしまったんですよ。
もし、その生徒の自殺の動機がいじめなら、
この列車事故を招いた本当の犯人はあなた方だと言う事になるんじゃないんですか!」
記者たちに責め立てられて、
校長らはすっかりうろたえて、返答がしどろもどろになる。
すぐに、記者たちの矛先は、
テーブルの隅の方でおとなしくうつむいていた吉川の方へと向けられ出す。
記者D 「自殺した生徒の担任教師は、一体、何をしてたんですか!
いじめの事実を知らなかったんですか!」
記者E 「知ってても、やり過ごしてたんじゃないんですか!」
記者F 「(陰口っぽく)だから、女の先生はダメなんだよ」
顔を真っ赤にしていた吉川が、突如、顔をテーブルに伏せ、激しく泣き出す。
吉川 「(泣き叫ぶ)私だって、できる限りの事はやったんです。
一体、これ以上、どうすれば良かったと言うんですか!」
吉川のヒステリックな反応に、記者たちもうろたえ、どよめく。
困惑する教頭が、泣き崩れる吉川を会場の外へと連れてゆく。
校長 「(うろたえつつ、記者たちへ)今回の非常時の為、彼女は少し動揺しています。
質問は勘弁していただけないでしょうか」
記者たちは、相変わらず、騒ぎ立て続けている。
○中学校・未代のクラスの教室 (放課後)
すでに清掃時間も終り、残っている生徒はまばら。
隅の方にあるなぎさの席には、花瓶に入れた花が飾られている。
○同・校門 (放課後)
他の生徒たちに混ざって、
むっつりした表情の未代、ミチル、さちえ、麻衣子たちも出てくる。
校門の周辺で生徒たちを待ち伏せしていた若い記者が走り寄り、
何気なく、未代の方へマイクを向ける。
若い記者 「(うっとおしく)あのう、この学校の生徒ですね!
今回の女生徒の自殺事件について取材をしているのですが。
やはり、いじめが原因だったと思いますか。
あなたは、いじめの現場を見た事がありますか。
亡くなられた後藤さんとは面識はありませんでしたか」
未代たちは、うるさそうに顔をしかめ、
記者の事を相手にしないで、さっさと歩き去ってゆく。
○未代の家・居間
テレビのスクリーンをアップ。
消えていたのがパチリとつくと、ちょうど教育評論家(御台門)が話をしている。
教育評論家(スクリーン内) 「(はきはきと)現在の学校のシステムは、
子供たちにとっては非常にストレスが溜まりやすいように出来ています。
その抑圧された気持ちのはけ口として、いじめや非行などに走ると言うのは、
それら子供たちにとっては、自身をダメにしない為の自己防衛的な行為なのであり、
仕方がないものなのです。
我々は、まず子供たちのいじめや不良行為などの事をどうのこうのと言う前に、
その事について、もう一度、よく見つめ直すべきなのではないのでしょうか」
そのテレビ放送を、ソファに座って、見ている未代が頷いている。
未代 「(つぶやく)そうよ。そうなのよ」
未代は、リモコンでテレビをパチンと消す。
○同・未代の部屋
未代が、本棚をガサゴソと漁っている。
未代が手を滑らすと、いっぺんに何冊もの本が床の上にと落ちてしまう。
その中に、教科書類に混ざって、手作りの学校の文集がある。
未代は、その文集を手に取ると、ペラペラとめくりだす。
時々、めくるのを止め、文面を読んでいる。
未代 「(つぶやき)あら」
未代が目にしているページには、
「不思議なボールペン 作・後藤なぎさ」と言うタイトルが冒頭に出ている。
未代 「(つぶやき)なぎさの書いた小説が載っているわ。
そう言えば、あの子、文芸部に入っていたわね。
(読み出す)・・不思議なボールペン。私は、一本のボールペンを持っています。・・」
○白い空間 (空想)
白いバックに、なぎさが一人で立っている。
なぎさは、片手で一本のボールペンを掲げ、ツンとすましている。
なぎさ 「(生き生きと)私は、一本のボールペンを持っています。
いつ、どこで、これを手に入れたのかは覚えてはいません。
しかし、これには不思議な力が備わっているのです。
このボールペンで書いた話は、全て、現実のものとなってしまうのです。
昨年、中近東の方で起こった戦争も・・」
ここで、バックは戦場のドキュメンタリー映像。
なぎさ 「・・ついこの間、九州を襲った大地震も・・」
ここで、バックは地震の映像。
なぎさ 「・・全て、私がこのボールペンの秘密の力を知らずに、
うっかり小説のつもりで書いた文章が現実のものとなってしまったものなのです。
他にも、私が、何気なく書いてしまった為に、
現実の世界で引き起こしてしまった災厄や事件の数々は限りがありません」
なぎさの顔を、どんどんアップにしてゆく。
なぎさ 「しかし、このボールペンの中身も、あと僅かとなりました。
このボールペンの力を知った今、
私は最後のお願いをこのボールペンで文章にしようと考えています」
○再び・未代の部屋
未代が座り込み、熱心に文章を読んでいる。
未代 「(読みつぶやく)・・最後の願いとは、それは・・」
そんな時、居間の方から電話の呼び鈴が聞こえてくる。
もう少し、文章を目で読み続けた未代は、
やがて、不満げな表情で文集を閉じ、下において、立ち上がると、
スタスタと部屋から出てゆく。
○同・居間
やって来た未代が、すぐ電話を手に取る。
未代 「(電話へ)はい、如月です。・・なに、ミチルなの?どうしたのよォ、一体。
今すぐ、皆で集まるってェ?いいけど・・。なに、オドオドしてるのよ。
いつもの場所ね。分かったわ!」
未代が電話を切る。
(つづく)