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2019年01月13日
諸星大二郎の新刊
ネットで色々探していたら、いきなり、 今月末に、諸星大二郎氏の新刊コミックが発売される事が判明しました。
「諸星大二郎劇場」 の第二弾 「オリオンラジオの夜」 (小学館)。
前作 「雨の日はお化けがいるから」 のシリーズですが、そもそも、 「諸星大二郎劇場」と言うコミックが続くとは思ってもいませんでしたし、 このコミック・シリーズは、すぐには電子書籍化されないので、 きちんと紙の本で購入しなくちゃいけません。
「雨の日はお化けがいるから」は、 わざわざ、近場の本屋まで買いに行きました が、今度は amazonに予約注文です。自宅の本箱のスペースを色々と調整して、 今から、この本を置く場所をセッティング です。
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2018年12月13日
「タローカード入門」
こないだ、その存在を知って入手したばかりの私家版 「タローカード入門」 (虹星人叢書)。
そもそも、 「悪魔考」が目当てで取り寄せた本だったのですが、表題作の 「タローカード入門」 も、けっこう面白かったです。この「タローカード入門」が、 「タローカード入門」と言うタイトルなのに、タローカードそのものの解説はほとんど行なっていません。 Tarot は タロット と呼ぶのか タロー と呼ぶのかと言う、入り口の話で止まってしまい、そのまま終了しているのであります。なるほど、商業用の単行本の中には収録できなかったはずだ。
で、著者( ウラヌス星風氏 )の分かりやすい解説によると、 タローが正解 で、 タロットは誤った表記 だとの事。それで思い出したのが、 ノストラダムスの「諸世紀」 です。 この著名な予言書のタイトルは全くの誤訳 だそうで、 どこの分野の日本語訳でも、こう言うトラブルは発生するものなんだ と、あらためて考えさせられてしまいました。
ちなみに、私自身は、これまで、 タロットが正式表記 で、 タロカードはカッコつけた言い方なのかな 、程度の認識でおりました。よく考えたら、私の小説のキャラでも、 タロ占いが十八番だと言うキャラ(山精)がいて、 卒中タロカードをひけらかしている んですよね。このタロ論争を読んで、私も、慌てて自分の過去作を調べてしまいました。そしたら、 タロ使いの山精自体はきちんとタロカードと呼んでましたが、 地の文(つまり、作者の私)が平気でタロットと言う言葉を使っていたのでした。ははは。
で、本来の目的の 「悪魔考」 ですが、悪魔そのものの解説より、 悪魔の性器 とか 魔女の軟膏 の話など、少しマニアックな話題の方が楽しめました。同じ著者が、 「妖怪学入門」 と言うエッセーも執筆していたそうなので、いずれ入手したいと思います。
2018年12月08日
「妖怪大全科」
秋田書店の大全科シリーズで、このたび買い漁った、ラストの一冊です。
実は、私は、同じ作者(佐藤有文氏)のジャガーバックス 「日本妖怪図鑑」「世界妖怪図鑑」 を子供の頃から持ってましたので、それらと比べて明らかにパワーダウンしているであろう、この 「妖怪大全科」 は、今まで、無理に買う気にはなりませんでした。でも、この本の事はたまにネットでも話題になりますし、 ちょうどヤフオクで100円ほどで売りに出されていましたので、この機に、思い切って落札しておく事にしました。
で、中身を読んだ感想ですが、 日本の妖怪編、外国の妖怪編 以外に、 悪魔と魔女編 と言う項目も存在しており、その内容が、ほぼ(私も、こないだ手に入れたばかりの) 「悪魔全書」 です。目を見張ったのは、「悪魔全書」内の魔女ヌードが、この「妖怪大全科」にも、 かなり流用されており、しかも、「悪魔全書」では二色刷りで見づらかったイラストの数々が、わざわざ、 単色ページ用に描き直されています。つまり、絵のリアルさは落ちたものの、 裸の状態(おっぱいの形とか)がより分かりやすくなってるんですね。これはこれで、子供向け本らしからぬ 過剰エロ なのであります。「悪魔全書」には無かった、 追加ヌード画まで有ります。この点だけでも、まあ、入手しておいて良かったかな、と言う気持ちになれました。
ああ、いかん。またエロ話に走ってしまった。(苦笑
「怪獣映画大全科」
秋田書店の「ホラー大全科」を購入したところ、たまたま見つけた同シリーズの一冊です。
このテの本は、内容の優劣が激しいので、購入にはかなり慎重になったのですが、 海外の怪獣映画がメインらしいので、思い切って、取り寄せてみました。
で、実際に読んでみたところ、本編部分は他書と似たようなものでしたが、1コーナーである 「怪獣映画の秘密50」 がまあまあ楽しめて、巻末には 「SF怪獣映画リスト」 も付いてましたので、とりあえず持ってても良かろう、という事にいたしました。
特に、 「豪勇ペルシウス大反撃」のメデューサ が掲載されていたのは、思わぬ収穫でした。他にも、 一匹だけ全くピンとこない怪獣の写真が掲載されており、何ものかと思って、一生懸命調べてしまったのですが、どうやら 自主制作映画の怪獣だったみたいです。当時は有名なアマチュア映画だったようですが、私は全然知らんかった。
この「怪獣映画大全科」と同傾向の本で、他に気になっているものとしては、あと 「びっくりどっきり怪獣大図鑑」 (ビッグジャガーズ)があるのですが、こちらは、まだまだ購入検討中です。ネットに出回っている同書の古本は、どれも、 やたらと高価 なので、内容がよく分からない段階では、なかなか入手の決心がつかないのです。
「ホラー大全科」
ネットで色々調べていたところ、秋田書店から出ていた 大全科シリーズ で気になるものを何冊か見つけたので、この度、まとめて購入してしまいました。
この 「ホラー大全科」 も、その一冊です。大全科シリーズの怪奇映画シリーズは 「怪奇大全科」「ショック残酷大全科」「悪魔・オカルト大全科」の三部作 で全てかと思っていたのですが、さらに、その後、この「ホラー大全科」も出ていたとは、今の今まで気が付きませんでした。
思えば、この「ホラー大全科」が発行された頃(1986年)は、私ももう大学生だったし、 空前のスプラッターブームだったので、スクリーン臨時増刊 「THE HORROR MOVIES」 や雑誌 「VZONE」 などの大人向けのホラー映画書籍も豊富に出回っており、ホラー映画に関しては、児童本を漁る必要が無くなっていました。それで、この「ホラー大全科」は完全にノーマークだったようです。
今回、せっかくなんで、シリーズを揃えるべく、取り寄せたのですが、内容は「怪奇大全科」とも重複しすぎておらず、ほんとに、 三部作以降の新作ホラー映画の情報を補完したような内容で、まあまあ楽しめました。ただ、「怪奇大全科」で大量に紹介されていた日本未公開作はバッサリとカットされており、資料価値としては、 やはり「怪奇大全科」の方が上です。
巻末で、 レーザーディスクやVHD、海賊ビデオなどの説明 をしているあたりが、当時の空気を思い出させてくれて、ちょっと懐かしい気分にさせてくれました。
2018年11月29日
欲しい古本は、こう探せ
ウラヌス星風・著「タローカード入門」という本があるのですが、これは、ちょっと普通の本ではありません。私家版、いわゆる自費出版本なのであります。よって、amazonでは取り扱っておりません。国立国会図書館にも登録されておりません。
私が、なぜ、このような本を急に見つけたかと言いますと、先ほど「悪魔全書」を買った後、関連事項をネットで調べていたら、ネットサーフィンしていくうちに、この本に突き当たってしまったのであります。と言いますのは、佐藤有文氏は「世界妖怪図鑑」や「悪魔全書」などを執筆するにあたって、「悪魔考」と言う雑誌掲載された読み物も参考にしていたらしいのですが、その「悪魔考」が、この「タローカード入門」の中に丸々収録されていたのです。「悪魔考」の閲覧は、雑誌なので、ずっと諦めていたのですが、単行本になってたのなら、もう入手するっきゃない訳であります。
しかし、上述しましたように、「タローカード入門」は、正規な本じゃないので、購入は一筋縄にはいきません。発行されたのが2015年なので、発売元に問い合わせても売り切れているかもしれません。
そこで、次に探してみるのが、各種古本を取り扱っているネットサイトです。
お手軽なところで、まず、ヤフオクを覗いてみましたが、現在は売りに出されていませんでした。気長に待てば、いつかは売りに出されるかもしれませんが、そこまで待つのは最終手段です。
続いて、最近、会員登録したばかりのまんだらけ通販を当たってみました。まんだらけはマニア傾向のものを主体に置いてますので、あるかどうか微妙だったのですが、バッチリ取り扱っておりました。ただし、現在品切れ中でした。
最後に覗いてみたのが、古本屋の連合ネット販売所である「日本の古本屋」です。ここで、今度こそ、出品中の「タローカード入門」を発見いたしました。価格も原価の半額と、お手頃です。「日本の古本屋」には、一つ欠点があって、たまに、リストにある本が在庫切れで無かったりもするのですが、今回は、そのような悲劇にも見舞われませんでした。
こうして、私は、私家本であろうと、欲しかった本を、問題なく手に入れた次第であります。ネット社会というのは、ほんと素晴らしいです。
私が、なぜ、このような本を急に見つけたかと言いますと、先ほど「悪魔全書」を買った後、関連事項をネットで調べていたら、ネットサーフィンしていくうちに、この本に突き当たってしまったのであります。と言いますのは、佐藤有文氏は「世界妖怪図鑑」や「悪魔全書」などを執筆するにあたって、「悪魔考」と言う雑誌掲載された読み物も参考にしていたらしいのですが、その「悪魔考」が、この「タローカード入門」の中に丸々収録されていたのです。「悪魔考」の閲覧は、雑誌なので、ずっと諦めていたのですが、単行本になってたのなら、もう入手するっきゃない訳であります。
しかし、上述しましたように、「タローカード入門」は、正規な本じゃないので、購入は一筋縄にはいきません。発行されたのが2015年なので、発売元に問い合わせても売り切れているかもしれません。
そこで、次に探してみるのが、各種古本を取り扱っているネットサイトです。
お手軽なところで、まず、ヤフオクを覗いてみましたが、現在は売りに出されていませんでした。気長に待てば、いつかは売りに出されるかもしれませんが、そこまで待つのは最終手段です。
続いて、最近、会員登録したばかりのまんだらけ通販を当たってみました。まんだらけはマニア傾向のものを主体に置いてますので、あるかどうか微妙だったのですが、バッチリ取り扱っておりました。ただし、現在品切れ中でした。
最後に覗いてみたのが、古本屋の連合ネット販売所である「日本の古本屋」です。ここで、今度こそ、出品中の「タローカード入門」を発見いたしました。価格も原価の半額と、お手頃です。「日本の古本屋」には、一つ欠点があって、たまに、リストにある本が在庫切れで無かったりもするのですが、今回は、そのような悲劇にも見舞われませんでした。
こうして、私は、私家本であろうと、欲しかった本を、問題なく手に入れた次第であります。ネット社会というのは、ほんと素晴らしいです。
2018年11月26日
「悪魔全書」の真面目な話(その4)
「悪魔全書」の巻末に、参考文献として名前を挙げられている書籍の内訳は以下のとおり。 (誤表記は修正してあります)
「魔法」 平凡社 (1961年。世界教養全集20)
「悪魔考」 薔薇十字社 (1972年)
「魔女狩り」 岩波書店 (1970年。岩波新書)
「魔女」 現代思潮社 (1967年。上下巻)
「澁澤龍彦集成」 桃源社 (1970年。全7巻)
「呪術」 講談社 (1970年。講談社現代新書)
「世界妖怪図鑑」 立風書房 (1973年。佐藤有文氏自身の本)
「世界のミステリー」 大陸書房 (1972年。佐藤有文氏自身の本)
「悪魔学大全」 桃源社 (1971年)
「暗黒の祭祀」 新人物往来社 (1969年。怪奇幻想の文学2)
「少年マガジン」 講談社 (1959年〜)
「魔女と魔女裁判」 法政大学出版局 (1970年。りぶらりあ選書)
あとのタイトルは洋書
「悪魔崇拝論」「悪魔学辞典」「悪魔学」「悪魔の歴史」「怪奇大辞典」「超自然現象学」「悪魔の文学」「悪魔と魔女学」「悪魔大画集」 ほか
著書の内容の間違いを批判されがちな佐藤有文氏 ですが、実際には、 大変な勉強家だった事が分かります。特に、 洋書の図版を大量に日本でも紹介した功績 は あらためて高評価すべきだと思われます。
「魔法」 平凡社 (1961年。世界教養全集20)
「悪魔考」 薔薇十字社 (1972年)
「魔女狩り」 岩波書店 (1970年。岩波新書)
「魔女」 現代思潮社 (1967年。上下巻)
「澁澤龍彦集成」 桃源社 (1970年。全7巻)
「呪術」 講談社 (1970年。講談社現代新書)
「世界妖怪図鑑」 立風書房 (1973年。佐藤有文氏自身の本)
「世界のミステリー」 大陸書房 (1972年。佐藤有文氏自身の本)
「悪魔学大全」 桃源社 (1971年)
「暗黒の祭祀」 新人物往来社 (1969年。怪奇幻想の文学2)
「少年マガジン」 講談社 (1959年〜)
「魔女と魔女裁判」 法政大学出版局 (1970年。りぶらりあ選書)
あとのタイトルは洋書
「悪魔崇拝論」「悪魔学辞典」「悪魔学」「悪魔の歴史」「怪奇大辞典」「超自然現象学」「悪魔の文学」「悪魔と魔女学」「悪魔大画集」 ほか
著書の内容の間違いを批判されがちな佐藤有文氏 ですが、実際には、 大変な勉強家だった事が分かります。特に、 洋書の図版を大量に日本でも紹介した功績 は あらためて高評価すべきだと思われます。
2018年11月25日
「悪魔全書」の真面目な話(その3)
20年ほど前は、私もパソコン通信に参加しておりまして、 魔術に詳しいパソ通参加者の方と 「エコエコアザラク」の話
などを交わさせていただきました。その時、 「エコエコアザラク」に出てくる呪文などについて、その魔術の博識者の方に訊ねてみたりもしたのですが、 「エコエコアザラク」の原作マンガに出てくる呪文につきましては、そのような専門の方でも、 よく分からない
との回答なのでした。
それが、この度、「悪魔全書」を読ませていただきますと、 とうとう、「エコエコアザラク」のマンガの中で使われていた呪文を発見いたしました。それも、ほぼ一字一句ぴったりと一致しています。 「悪魔全書」内に掲載されている呪文(の日本語表記)が、 どれも他書からの流用だったのかどうかまでは不明 ですが、恐らく、 古賀新一氏が「悪魔全書」を参考にして「エコエコアザラク」を書いていたのは、ほぼ間違いないはずでしょう。
と言いますのも、呪文以外にも、 「悪魔全書」が元ネタだと思われる黒魔術関係の解説が、 「エコエコアザラク」の中には豊富に書き込まれている のです。 悪魔ブラックエンゼル なんて、佐藤有文氏のオリジナル悪魔じゃないかと推測されるのですが、 「エコエコアザラク」(「魔法の水着」の回) では、「悪魔全書」に掲載されていたブラックエンゼルのイラストが、 そのまんま転用 されています。また、「エコエコアザラク」の 「初白星を黒魔術で!?」 に出てきた悪魔などは、「悪魔全書」内に描かれている 悪魔ネビロス閣下にそっくり なのでした。
しかし、古賀新一氏の参考資料は 「悪魔全書」一冊だったと言う訳でもなさそうで、肝心の 「エコエコアザラク」と言う呪文 は、「悪魔全書」では 「エコエコマザラク エコエコザラメク」 と記されていますし、あるいは、「エコエコアザラク」の 「安楽死」 に出てきた アフリカの骨くだき術は 「世界の魔術・妖術」(秋田書店)からの引用 なのでした。
「エコエコアザラク」の元ネタ研究につきましては、もっと資料が揃いましたら、そのうち、あらためて発表させていただくかもしれません。
それが、この度、「悪魔全書」を読ませていただきますと、 とうとう、「エコエコアザラク」のマンガの中で使われていた呪文を発見いたしました。それも、ほぼ一字一句ぴったりと一致しています。 「悪魔全書」内に掲載されている呪文(の日本語表記)が、 どれも他書からの流用だったのかどうかまでは不明 ですが、恐らく、 古賀新一氏が「悪魔全書」を参考にして「エコエコアザラク」を書いていたのは、ほぼ間違いないはずでしょう。
と言いますのも、呪文以外にも、 「悪魔全書」が元ネタだと思われる黒魔術関係の解説が、 「エコエコアザラク」の中には豊富に書き込まれている のです。 悪魔ブラックエンゼル なんて、佐藤有文氏のオリジナル悪魔じゃないかと推測されるのですが、 「エコエコアザラク」(「魔法の水着」の回) では、「悪魔全書」に掲載されていたブラックエンゼルのイラストが、 そのまんま転用 されています。また、「エコエコアザラク」の 「初白星を黒魔術で!?」 に出てきた悪魔などは、「悪魔全書」内に描かれている 悪魔ネビロス閣下にそっくり なのでした。
しかし、古賀新一氏の参考資料は 「悪魔全書」一冊だったと言う訳でもなさそうで、肝心の 「エコエコアザラク」と言う呪文 は、「悪魔全書」では 「エコエコマザラク エコエコザラメク」 と記されていますし、あるいは、「エコエコアザラク」の 「安楽死」 に出てきた アフリカの骨くだき術は 「世界の魔術・妖術」(秋田書店)からの引用 なのでした。
「エコエコアザラク」の元ネタ研究につきましては、もっと資料が揃いましたら、そのうち、あらためて発表させていただくかもしれません。
2018年11月23日
「悪魔全書」の真面目な話(その2)
水木しげる氏の 「世界の妖怪100話」
(小学館)の巻末を見ると、参考資料として、 「悪魔全書」の書名が挙げられておりますが、どこで使われていたのかと言いますと、実は同書内のコラムの一つ 「世界の悪魔たち」のベース
になっていたのでした。
この 「世界の悪魔たち」で紹介されている悪魔たち は、一見すると、 佐藤有文氏の前著「世界妖怪図鑑」(立風書房)にも出ていた奴らばかりなのですが、よく比較してみると、 各悪魔のデザインが「世界妖怪図鑑」ではなく「悪魔全書」に載っていたものが使用されている のであります。
ベールゼブブなんて、有名なブルトンの絵を使わず、 わざわざ「悪魔全書」内の独自のイラストを模写して、用いています。
ただし、水木氏は、 漫画「死神大戦記」に出てくる悪魔軍団は「世界妖怪図鑑」の方を参考にして描いていたようなので、 氏は「世界妖怪図鑑」も「悪魔全書」も両方揃えていて、使い分けていたらしい と考えられます。
さらに、「世界の妖怪100話」のコラムには 「世界の吸血妖怪たち」 と言うのもあって、こちらで紹介されている吸血妖怪たちは、どうやら 佐藤有文氏の書いた別のドラゴンブックス「吸血鬼百科」を参考にしていたようなのですが、今見ると、 復刊ドットコムの次の復刻ラインナップとして、この書籍のタイトルが挙がっておりました。 ようし、 この本も絶対に購入するぞ!
この 「世界の悪魔たち」で紹介されている悪魔たち は、一見すると、 佐藤有文氏の前著「世界妖怪図鑑」(立風書房)にも出ていた奴らばかりなのですが、よく比較してみると、 各悪魔のデザインが「世界妖怪図鑑」ではなく「悪魔全書」に載っていたものが使用されている のであります。
ベールゼブブなんて、有名なブルトンの絵を使わず、 わざわざ「悪魔全書」内の独自のイラストを模写して、用いています。
ただし、水木氏は、 漫画「死神大戦記」に出てくる悪魔軍団は「世界妖怪図鑑」の方を参考にして描いていたようなので、 氏は「世界妖怪図鑑」も「悪魔全書」も両方揃えていて、使い分けていたらしい と考えられます。
さらに、「世界の妖怪100話」のコラムには 「世界の吸血妖怪たち」 と言うのもあって、こちらで紹介されている吸血妖怪たちは、どうやら 佐藤有文氏の書いた別のドラゴンブックス「吸血鬼百科」を参考にしていたようなのですが、今見ると、 復刊ドットコムの次の復刻ラインナップとして、この書籍のタイトルが挙がっておりました。 ようし、 この本も絶対に購入するぞ!
2018年11月22日
「悪魔全書」の真面目な話(その1)
「悪魔全書」 (復刊ドットコム)の amazonへのレビュー は、 すっかり、エロ話に終始してしまいましたので、こちらのブログで、「悪魔全書」に関する、 ちょっとマトモな話でも書きたいと思います。
「悪魔全書」 には、 サタン登場以前の悪魔 として、 バビロニアの三悪魔(上図)を載っけてますが、これを見て、浅い妖怪ファンですと 「佐藤有文の奴、またテキトーな事を書き並べやがって!」 と思ったかもしれませんが、実は、必ずしも、そうではなかったりします。
と言いますのも、 古代ユダヤ社会では女怪リリスが信じられていましたが、このリリスが、 時代や地域差で幾つもの別名を持っていた からです。それが、 リル だったり、 リリトゥ だったり、 アルダト・リリー だったりする訳であります。(原書房 「世界の妖精・妖怪事典」 等を参考のこと)
各妖怪の紹介文の正確さはさておき、 ここまで妖怪名が一致しているところを見ますと、佐藤有文氏は、明らかに、リルやリリトゥの存在を、1970年代に、 すでに知っていたらしい と思われるんですね。
同氏の別の著書 「日本妖怪図鑑」 に掲載されている 百鬼夜行の100大妖怪のリストが、意外にも、 鳥山石燕の「画図百鬼夜行」を忠実になぞったものだった事は、以前にも指摘しましたが、こんな感じで、 佐藤有文氏の妖怪知識は、のちの妖怪研究家たちが考えていたほどデタラメでもなかった のであります。