サイクロプスと言うのは、私のエロ小説オムニバス 「ハイスクール全裸」
の方で、何度も登場させてきたキャラクターです。基本設定は 「人喰い種族」
なのですが、具体的なディテールには一貫性がなく、登場するたびに、そのキャラクターは変わっていました。繰り返し使っているうちに、作者の私自身が愛着を持ち始め、もっと掘り下げたくなりましたので、 普通の小説であるトライアングル・シリーズの方にも出演させる事にしました。こうして、執筆したのが 「サイクロプス大作戦」
です。
もっとも、 かなりの難産でした。トライアングル・シリーズでは、すでに 「人喰い料理大作戦」
という話も書いていましたので、食人ネタとして、色々と差異をつける必要もありました。オチや全体の構造は、早い段階でまとまっていたのですが、うまい構成ができなくて、かなり長い期間、構想のままで眠らせておりました。何とか書き上げた完成品では、当初、書き込もうとしていた 「人喰い生物ネタのフィクションについての考察」
や 「トライアングル版サイクロクプスの詳しい設定」
などを、結局、ほとんど、はしょっています。
なお、序盤で、 トライアングルの面々が、サイクロプスの都市伝説を披露しあう場面がありますが、これらの内容が、 「ハイスクール全裸」に出てきたサイクロプス
となります。
「最後のお化け坂」
は、ついでに書かせていただいた <お化け坂>シリーズの最終回
です。タイトルは「最後」なのに、実は、 全ての始まりの物語である点がミソです。この題名は、 「お化け坂を訪ねて」
を書いた際も、候補にしていたタイトルの一つでした。今回の作品も、 総集編の形式をとっています。
なお、作中で 予知能力者・御船が最初に視る原爆被害の光景
は、「坂道の多い場所」と言う事で、広島ではなく、 長崎の方なのでありました。
(注・この二作品は、 「ルシーの明日とその他の物語(改装版)」
の方に、書き下ろし新作として掲載させていただきました。)
2023年04月18日
ダーク破壊部隊は13体
「人造人間キカイダー」
に出てきた悪の組織ダークに所属する怪人・ ダークロボット
(ダーク破壊部隊)は、当初、 光明寺博士が作った13体のみ
でした。
これは、 テレビ特撮版(1972年)の第1話でも、 全メンバーがシルエットでお披露目 されます。
ところが、実際に、テレビ放送が進みますと、 最初の13話だけでは、このシルエットの全13体は登場しませんでした。 何体かの未登場のロボットを残して、 第14話からは、ダーク新破壊部隊へと移行する のです。
では、このへん、石森章太郎先生が描いた 原作マンガ(1972年)では、どうなっていたのでしょうか。
実は、原作マンガでも、光明寺博士の作った 自然警備隊員ロボット (ダーク破壊部隊の前身)は 13体 という事になっていました。
マンガ版での、 その顔ぶれと人数を確認してみましょう。
カメ型ロボット (ジローが最初に対峙した敵。テレビ版の ギンガメ の原型?)
グレイサイボーグ (テレビ版の グレイサイキング と同じ)
グリーンマンティス (テレビ版にも登場)
オレンジアント (テレビ版にも登場)
ゴールデンバット (テレビ版シルエットでも登場。テレビ版では キンイロコウモリ も登場)
サンダードグ (ギル教授のボディガード犬。テレビ版シルエットの スカーレットドック に相当?)
ア・イ・ヌ (双子の少年と子熊の三人組。合体して、 クマ型ロボット に変身する)
カニ型ロボット (大型で、非人間スタイル。同じタイプが3体いる)
昆虫型ロボット (モチーフは不明。光明寺邸を見張っていた)
円盤ロボット (テレビ版の クロガラス と同一か?)
ヒトデロイド (テレビ版の ヒトデムラサキ とは、同じヒトデ型だが、まるで別物)
ア・イ・ヌを、それぞれ1体ずつで計算すると、確かに、13体となります。しかし、ア・イ・ヌは合体ロボットなので、 合体後のクマ型ロボットの方が1体に相当する 、という見方もできるでしょう。
でも、その場合であっても、大丈夫。 カニ型ロボットは3体いるのでした。こちらを3体で計算すれば、ア・イ・ヌが1体だったとしても、 やはり、13体になる のであります。
偶然そうなったのか、描きながら数を調整していたのかは分かりませんが、とにかく、石ノ森先生の巧みな演出には、あらためて感心させられるのです。
これは、 テレビ特撮版(1972年)の第1話でも、 全メンバーがシルエットでお披露目 されます。
ところが、実際に、テレビ放送が進みますと、 最初の13話だけでは、このシルエットの全13体は登場しませんでした。 何体かの未登場のロボットを残して、 第14話からは、ダーク新破壊部隊へと移行する のです。
では、このへん、石森章太郎先生が描いた 原作マンガ(1972年)では、どうなっていたのでしょうか。
実は、原作マンガでも、光明寺博士の作った 自然警備隊員ロボット (ダーク破壊部隊の前身)は 13体 という事になっていました。
マンガ版での、 その顔ぶれと人数を確認してみましょう。
カメ型ロボット (ジローが最初に対峙した敵。テレビ版の ギンガメ の原型?)
グレイサイボーグ (テレビ版の グレイサイキング と同じ)
グリーンマンティス (テレビ版にも登場)
オレンジアント (テレビ版にも登場)
ゴールデンバット (テレビ版シルエットでも登場。テレビ版では キンイロコウモリ も登場)
サンダードグ (ギル教授のボディガード犬。テレビ版シルエットの スカーレットドック に相当?)
ア・イ・ヌ (双子の少年と子熊の三人組。合体して、 クマ型ロボット に変身する)
カニ型ロボット (大型で、非人間スタイル。同じタイプが3体いる)
昆虫型ロボット (モチーフは不明。光明寺邸を見張っていた)
円盤ロボット (テレビ版の クロガラス と同一か?)
ヒトデロイド (テレビ版の ヒトデムラサキ とは、同じヒトデ型だが、まるで別物)
ア・イ・ヌを、それぞれ1体ずつで計算すると、確かに、13体となります。しかし、ア・イ・ヌは合体ロボットなので、 合体後のクマ型ロボットの方が1体に相当する 、という見方もできるでしょう。
でも、その場合であっても、大丈夫。 カニ型ロボットは3体いるのでした。こちらを3体で計算すれば、ア・イ・ヌが1体だったとしても、 やはり、13体になる のであります。
偶然そうなったのか、描きながら数を調整していたのかは分かりませんが、とにかく、石ノ森先生の巧みな演出には、あらためて感心させられるのです。
2023年04月15日
「ウルトラマン」をよく知らない人にとっては
私が、 オシャレやブランド品の話
をされても、 有名ブランドの名前ぐらいしかピンとこないのと同じで、
「ウルトラマン」 ギャル とか 勉強一筋のガリ勉、アスリート などにとっては、
「ウルトラマン」には、毎週、一貫した敵キャラとして、 バルタン星人 が登場していて、
レッドキング とか ジャミラ とかも、 バルタン星人が操る子分怪獣の一匹、
と言う風に思われているのかもしれない。
「ウルトラマン」 ギャル とか 勉強一筋のガリ勉、アスリート などにとっては、
「ウルトラマン」には、毎週、一貫した敵キャラとして、 バルタン星人 が登場していて、
レッドキング とか ジャミラ とかも、 バルタン星人が操る子分怪獣の一匹、
と言う風に思われているのかもしれない。
タグ: ウルトラマン
2023年04月05日
「蝶の揺らぐ未来」解説
この作品は、 読者巻き込み型のオチ
を書きたくて、とーとつに閃きました。で、 どうせ読者を巻き込むなら、コンテスト参加作にした方が、巻き込まれる読者も増えて、執筆意図にも沿うだろうと判断して、そのような発表の仕方に変更した訳です。
もともとは、 「ハイスクール全裸」 の一編にするつもりで、ネタを練っていました。 「語り手の主人公が、モテる為の呪文を読者にも教えてあげる」 みたいな筋書きでした。それが紆余曲折して、今の形にまとまったのです。だから、タイトルの方も 「愛の呪文」「ルシーの贈りもの」「蝶と揺らぐ少女」「未来に揺らぐ蝶」 など、色々と候補が上がっては消えていきました。
なんだかんだで、結局、ルシーものの新作にしたのは、 過去確率 のことを、あらためて説明したかったからでもあります。前に過去確率を紹介した短編の 「過去確率」 は、奥に引っ込めちゃったので。(ちなみに、「過去確率」も読者巻き込み型の小説でした)
当初、ヒロインを 蛙里いずみにしようかとも思ったのですが、これも採用はしませんでした。また、重要キャラのお婆さんは、作者としては、 「おばあちゃん」 に出てきた キボ をイメージしておりました。
完成品はざっと短くまとめてしまいましたが、 「ツキをあやつる少女」 の章に書き並べたエピソードの数々を、最初期の構想では、丁寧に各所に盛り込むつもりでもいました。主人公の女生徒が、わざわざ、遠い塾に通っていたのも、実は、 その帰り道で、帰宅途中のアリタ先輩と遠目に出会えた、と言う設定だったからなのであります。
なぜ、あえて、各エピソードを詳しく書き込まなかったのかと言いますと、自分で執筆しておいて何ですが、 内容やアイディアに、そこまで斬新さが感じられなかった からです。それじゃ、正攻法の書き方をしても、普通の作品にしかなりませんので、そこで、 わざとメインエピソードの部分を「ツキをあやつる少女」の中だけに凝縮してしまうと言う荒技を使って、代わりに、もともと、一番書きたかった 冒頭の呪文 の印象が強まるような構成にした次第です。
この冒頭の呪文は、すぐ気付いた方も多かったでしょうが、 バタフライエフェクト(効果) を、逆さに読んだだけのものです。もっと難しいアナグラムにしても良かったのですが、そこまで凝る必要もないかと考えて、逆に思いっきり分かりやすくしてしまいました。 バタフライ効果という理論を知っている人でしたら、これだけで、本編のテーマの方もおよそ見当がついてしまったのではないのでしょうか。
「蝶の揺らぐ未来」
もともとは、 「ハイスクール全裸」 の一編にするつもりで、ネタを練っていました。 「語り手の主人公が、モテる為の呪文を読者にも教えてあげる」 みたいな筋書きでした。それが紆余曲折して、今の形にまとまったのです。だから、タイトルの方も 「愛の呪文」「ルシーの贈りもの」「蝶と揺らぐ少女」「未来に揺らぐ蝶」 など、色々と候補が上がっては消えていきました。
なんだかんだで、結局、ルシーものの新作にしたのは、 過去確率 のことを、あらためて説明したかったからでもあります。前に過去確率を紹介した短編の 「過去確率」 は、奥に引っ込めちゃったので。(ちなみに、「過去確率」も読者巻き込み型の小説でした)
当初、ヒロインを 蛙里いずみにしようかとも思ったのですが、これも採用はしませんでした。また、重要キャラのお婆さんは、作者としては、 「おばあちゃん」 に出てきた キボ をイメージしておりました。
完成品はざっと短くまとめてしまいましたが、 「ツキをあやつる少女」 の章に書き並べたエピソードの数々を、最初期の構想では、丁寧に各所に盛り込むつもりでもいました。主人公の女生徒が、わざわざ、遠い塾に通っていたのも、実は、 その帰り道で、帰宅途中のアリタ先輩と遠目に出会えた、と言う設定だったからなのであります。
なぜ、あえて、各エピソードを詳しく書き込まなかったのかと言いますと、自分で執筆しておいて何ですが、 内容やアイディアに、そこまで斬新さが感じられなかった からです。それじゃ、正攻法の書き方をしても、普通の作品にしかなりませんので、そこで、 わざとメインエピソードの部分を「ツキをあやつる少女」の中だけに凝縮してしまうと言う荒技を使って、代わりに、もともと、一番書きたかった 冒頭の呪文 の印象が強まるような構成にした次第です。
この冒頭の呪文は、すぐ気付いた方も多かったでしょうが、 バタフライエフェクト(効果) を、逆さに読んだだけのものです。もっと難しいアナグラムにしても良かったのですが、そこまで凝る必要もないかと考えて、逆に思いっきり分かりやすくしてしまいました。 バタフライ効果という理論を知っている人でしたら、これだけで、本編のテーマの方もおよそ見当がついてしまったのではないのでしょうか。
「蝶の揺らぐ未来」