過去情報を下表に整理しておきました。
本議事録の元となる前回理事会では「市場予想通りに現状維持」が結論です。直後1分足・直後11分足ともに陰線での反応となっていました。
下表からは、たまに大きく反応することもあるように読み取れますが、これは市場予想ないしは発表結果が金利改定だった事例も含むためです。よって、今回のように理事会結論が「市場予想通りに現状維持」だった場合の議事録公表時は、下表平均値よりも更に小さな反応となります。
本公表時の取引を考えている人のために、過去傾向と分析結論を纏めておきます。正直、調査・分析結果からは、今回の取引はお勧めできません。
- RBA金融政策理事会への最大関心事は、金利改定も含めた金融政策変更へのヒントの有無です。前回議事録では、RBAが「前四半期GDPを一時的悪化と見なしている」ことが確認できました。これは、更なる利下げが考えられない現状で、利上げ検討の前提となる「成長がまだデータで確認できていない」ということでもあります。
公表議事録による反応は平均より小さくなりそうです。 - ちなみに、本議事録公表と同時に、四半期住宅価格指数が発表されます。こちらの過去平均反応もRBA金融政策決定理事会議事録とほぼ同程度です。ちょうど先週、NABが住宅ローン金利の利上げを発表していました。細かなデータを見るよりも、こうした金融機関の動きは市場実態を示唆している、と捉えられます。
よって、こちらの指標での反応は、陽線となる公算が高い、と考えています。 - 定型分析の結果からは、反応方向の偏りを見いだせていません。また、直後1分足と直後11分足の方向一致率は52%しかありません。この数字では、反応方向を見てから追いかけてポジションを取れません。
よって、今回は取引を行いません。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「?T.調査」「?U.分析」を事前投稿し、「?V.結果」「?W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「?V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
?T.調査
【1. 指標概要】
RBA議事録の要点は「政策金利決定理由(方針)」「インフレ動向」「経済見通し」です。
がしかし、最も関心が高い政策金利決定方針については、しばしば市場予想を裏切ってサプライズを起こしています。つまり、結果から言えば(サプライズが生じる以上)最も関心がある「政策金利」が読み取れていない、ということになります。
それにも関わらず、公表された議事録から次回の理事会決定を予測せざるを得ないため、内容によってはAUDが大きく反応します。疑心暗鬼もあって、どの文言によって議事録公表時の反応方向が決まるのかはわからない、というのが本音です。
むしろ個人的には、すぐに役立つ情報だと言えないものの、公的機関によるインフレ動向や経済見通しを直近の経済指標の解釈を見直すことに使う方が役立つ、と考えています。そもそも豪州経済に関して入手できる情報は、米欧中に比べて少ないのですから。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの24回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
省略します。
(2-2. 過去反応)
最も素直な反応が現れやすい始値基準直後1分足のみ下図に示しておきます。直前10-1分足・直前1分足・直後11分足の前々回までの23回分の始値基準ローソク足は、 こちら をご参照願います。
?U. 分析
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
なお、RBA政策金利発表時(金融政策理事会当日)と同議事録公表時の始値基準ローソク足の一致率は、下表のようになります。ちなみに、前回3月7日の「市場予想通り現状維持」発表時の直後1分足は陰線でした。
市場予想が発表結果と異なる場合と金利改定の場合が調査期間中に少ないので、本分析は割愛しました。
【6. シナリオ作成】
今回は、取引を行いません。
2017年3月21日09:30発表
以下は2017年3月21日13:00頃に追記しています。
?V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本公表による反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
今回はポジションを取っていません。
【8. 調査分析検証】
まず、発表内容に関して、です。
事前分析は下記の通りです。
- RBA金融政策理事会への最大関心事は、金利改定も含めた金融政策変更へのヒントの有無です。前回議事録では、RBAが「前四半期GDPを一時的悪化と見なしている」ことが確認できました。これは、更なる利下げが考えられない現状で、利上げ検討の前提となる「成長がまだデータで確認できていない」ということでもあります。
公表議事録による反応は平均より小さくなりそうです。 - ちなみに、本議事録公表と同時に、四半期住宅価格指数が発表されます。こちらの過去平均反応もRBA金融政策決定理事会議事録とほぼ同程度です。ちょうど先週、NABが住宅ローン金利の利上げを発表していました。細かなデータを見るよりも、こうした金融機関の動きは市場実態を示唆している、と捉えられます。
よって、こちらの指標での反応は、陽線となる公算が高い、と考えています。
議事録の内容は、NABが先週住宅ローンを利上げしたことを裏付けるように、RBAは「住宅市場加熱への懸念」を示しています。そして「一段の利下げが理屈に合わない」旨の内容となっています。それも含めた議事要旨は、次の通りです。なお、この要点要約は当会に依るものであり、明日以降の大手報道機関等の解説記事をご参照ください。
ともあれ、今回の議事録要点要約です。
- RBAは3月理事会で政策金利を1.5%に据え置いています。この金利水準は8ヶ月連続で過去最低です。
その理由として、政策金利の据え置きが成長およびインフレ目標と合致するとの見解を示しました。 - 債務が家計所得を上回るペースで増加しており高水準な点を踏まえると、所得の伸びが低迷し消費が抑制される可能性について言及されています。
そして、豪ドル上昇は、鉱業主導の成長からの移行を難しくすると、また指摘しています。
弱い賃金指標やパート労働者への偏りが見られる中で、労働市場の勢いを評価するのは依然困難という見解も示しています。
特に、住宅投資用の借り入れが増え、都市部の住宅が急騰したことから、住宅市場の「リスクの高まり」が見られたと指摘しています。過熱する国内住宅市場でリスクが高まることを指摘し、金融政策を一段と緩和する可能性が低いことを強調しています。 - こうした指摘をしつつも、全般結論としては豪州経済をほぼ楽観しています。理事会メンバーは、経済成長は緩やかに加速し、今後2年で潜在成長率を上回ると予想しています。
何なんだ、これは。
これほど支離滅裂な内容のまま議事録を公表することは、他の中銀でまず滅多に見られません。これ以上は利下げしたくないのなら、そう書けばいいし様子見が必要、と記録すれば良かったのです。
なお、当会解釈が間違っている可能性もあるので、くれぐれも正確には大手機関による解説記事を参照願います。当会もそれを待っています。
次にシナリオについてです。
事前分析は下記結論としていました。
- 定型分析の結果からは、反応方向の偏りを見いだせていません。また、直後1分足と直後11分足の方向一致率は52%しかありません。この数字では、反応方向を見てから追いかけてポジションを取れません。
よって、今回は取引を行いません。
今回の結果が直後1分足と直後11分足が方向不一致となったことは偶然です。ともあれ、方向一致率が高くないのに(現在は70%程度を目安にしています)、追いかけでポジションを取るべきではありません。
【9. シナリオ検証】
ポジションを持たない予定だったので、シナリオは用意していませんでした。
以上
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ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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