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2024年07月19日

「浅はかな恋を棄てた日」 

わかっていた
違和感を覆えた瞬間から
背けていた光景は
もうすぐやって来ること

騒ぐ心を抱えたまま
探りながら
無意味な逢瀬にボロボロになり
泣きながら岐路につく日々

そのときは来る
来なければいいのに
自ら引き寄せた
焦燥感にあけくれた後に

見なくてもいいものが
目の前に現れ
神か悪魔か天使がささやく

見なきゃだめ
見るためにある
見るしかない
すべて決める時

そう
目の前に不安の元である
見てはならないものがあり
決定づけるための文字が並ぶ

見なければよかったのか
いいえ
見ないでいても
また
泣きながら帰路につく日々の
繰り返し

私の存在はいつも無意味だった
大事にされることもなかった
大事にされるのは
私ではなかった
ずっと前からの胸騒ぎは
ほとんどその通り

まだ眠りの中の
今は見知らぬ人に
何を訴えようと怒ろうと
確かめることも必要なかった
すべてがばからしく
拘っても
流した涙の分だけみじめになるだけ

だから
私は立ち去った
大きな窓からは朝陽がまぶしく
きれいな空が心に残る
最後の朝にふさわしく
ドアの音が終止符になる


もう一度やさしい言葉が欲しかった
それでも縋って
続けていられるなら
もしやまた笑顔になれるかもと
思い違いが渦巻いた

神か悪魔か天使の声はささやく

元に戻ることなどできないのは
わかっているはす
同じには戻れない
相手ではなく
自分の心が戻れない

それならもう棄てていい

小さな
朧げな恋でした

浅はかな恋は棄ててやった

見知らぬ人は目が覚めて
消えてることにだけ
問いかけるようにベルを鳴らす

そんなことに呆れながら
これでよかった
偉かった

壊れたおもちゃをとっとと棄てて
決めることができて
偉かった

白黒がついたとき
心は軽くなった

気持ちがだんだん楽になる
心を苦しめるなら
元から断てば楽になる

見知らぬ人のことはどうでもいい
私は前に進むだけ

ありがとう
浅はかな恋




posted by 彩沙 at 21:20 | 小説

2024年03月10日

小説「自分の子供をいじめる奴は」

消えればいいとずっと怨む
そいつを消さないと気が済まない
自分の子供に嫌な思いをさせた奴を
片っ端から消してやりたい

この命を捧げれば
果たすことができるのなら
喜んで捧げる

消せなかった奴らは
タマシイになってから
呪い殺す

自分が
子供が
何歳だろうと
なんであろうと

私はそうしたいからそうしたい

神様が
復讐は神の仕事だからと
任せておけと言っていても

それはいつだよ
ぜんぜん そいつらが
「ざまあみろ」にならないじゃないか!

恨み
憎しみ
怒りは
収まらない

いつまで我慢させるんだよ
こうして
神さんが

犯罪者を創ってるんじゃないのかと
思いますよ

いじめてるわけではないと
そいつが実際そうだったとしても
それを確認することができなければ
そいつを消さないと気が済まない
ずっとずっと怒り憎しみ恨み
そんな自分がつらくてどうしようもなかった

そのことをふまえて
故意でなかったとしても

私自身の身勝手な思いだとしても

悪になってやる喜んで!





posted by 彩沙 at 00:14 | 小説

2023年09月30日

復縁よりもこれからを大事にしよう

遠くなる彼との復縁よりも
明日からの自分を大事に生きた方が
ずっと幸せ

だんだんと
彼の様子がおかしくなったことに
気が付いてきた
不安が募って明け方に
彼が他の女の子と仲良くしてる「夢」
まで見てしまい
不安だけに囚われて
そのエネルギーがどんどんどんどん
嫌なことを引き寄せてしまってた
なのに
まだ大丈夫
まだ会うことができる
なんか態度がおかしいけどまだ大丈夫
不安を抱きながら
彼と過ごし
合ってる時間がどんどん短くなるのに
まだ大丈夫
いつも連絡くれた時間に連絡ないけど
こっちから聞けばまだ会えたから
不安で泣きながら帰宅するばかりなのに

こっちからの連絡に返事がなくなり
電話もないしかけても出ないし
折り返しもないし
だけど
「今から会える?」といきなり
連絡あって1時間だけ会えるから
まだ大丈夫

そんな数か月を
毎日 占いやまじないや
復縁する方法を寝ないで探しながら
来ない連絡を待ち続ける

彼からの「今から会える?」なんて
連絡で飛んでいって1時間でさっさと
帰らされるとか
大事にされてないのに
なにを拘っているんでしょうか
そんな男 要らないじゃん

都合よく扱われてることよりも
まだ彼と会えることのほうが
重要だったんだよね
会えても会えなくても
彼と縁が切れないうちは
ずっと自分を傷つけて
泣いてばかりいたんだね

連絡がつかなくなっても
何か月も毎日連絡していたよね
毎日
ずっと泣きながら過ごしてしまったね

もっと早く気づけばよかったね
そんな男を追いかけるエネルギーを
自分のことを大事にすることに
使うほうがずっと楽になれるってことに

彼との復縁なんか
もしもできたって
また同じように傷つくだけなんだってことに
もっと早く気づけばよかったね

自分のことを大事にしない男に
いつまでも拘っていても
自分が哀しいだけだったね
そんな男は
必ず 自分も傷つくことになるから
痛い目にあうことになるから

とっとと
目の前から消えてやればよかったね

そういうくそな男なんか
同じようなくそにしか相手にされない
そんなくそ男に
あなたは 超 もったいないよ

私は あんたにはもったいなさすぎるのよ!

そう言ってやればよかったね

でもまぁ
いい学びになった
おかげで
潜在意識のことや
波動の学びができましたね

学べたことで
自分を楽しくすることもできるし
他人なんかに関わらなくても
十分すぎるくらい
すべて面白く
上手くいくようになりましたね

復縁よりも
これからの自分を 大事に生きましょう!

潜在意識で
復縁することも可能ではありますが
復縁する価値のある男かどうかは
見極めないとね!






posted by 彩沙 at 17:32 | 小説

2023年09月29日

肩書きだけで試合に勝てたら最高っすね

棒チームの
名前だけACは
似たもの同志のトップが
どこからか引っ張ってきた人材で
肩書きしか信用しないやつだ
そんなやつが
肩書きだけのHCを崇拝し
実績なしのHCと共に
肩書きだけの選手を集め
実績無視で采配をして
肩書きだけの選手を主力で使い
実績積んでる選手を使いこなす能力のない
肩書きだけのHCが
最強の極弱チームを率いている
主力にしていない実力がある選手が
試合を優勢に持って行っても
流れ無視の交代で
肩書きだけの選手を出し
そこからまた負け始めるが
実力ある選手を出すこともなく
肩書きだけの選手を使えば
勝てるんだと信じているようで
延々と肩書だけ選手を出して
グダグダになってきても
肩書きさえあれば試合は優勢に戻ると
信じているらしく
そのままだらだらとぼろ負けを繰り返す

肩書きだけで試合に勝てるなら
最高っすよね
肩書きだけで優秀なHCになれるなら
最高っすよね
実力なくても肩書きさえあれば
主力でどんどん情けない試合のヒーローになれる
そして
負ければ
選手の責任にされて
肩書きだけの選手は
負けから何も学ばなくても
肩書きあるからずっと主力で
注目されるって最高っすよね

うわっつらしか眺めない
無責任な一部のファンは
いつも主力でいるから目立っている
肩書だけ選手だけしか見ていない
ほんものなどどうでもよく
ただのミーハーなだけで
はやし立てるから
肩書きさえあれば
「すごい選手」って褒められて
最高っすよね

肩書きだけですごいHCって
崇拝されて
くそな試合だということも
わからないACとともに
上達しない肩書だけの選手を
情けない試合で恥さらしさせて

肩書きだけワールドって最高っすよね






posted by 彩沙 at 23:31 | 小説

2023年09月08日

妬み女のひどい話

私は ひどい女なんです
昔、お金に非常に困ったことがあり
そんな経験のない奴が
金持ちのひけらかしをすると
無性に腹が立ちます
別に
聞いてもいないのに
「オンラインカジノがあたりまくって」とか
「パチンコで毎回5万は勝って」
「パチンコに関しては神のご加護があるんです」
とか
言われて
なんやこいつ
だれもあんたの「金持ち自慢」なんか
聞いてもいないのに
うれしげに話してきやがって
ほんとむかついてしまいます
そして
その人の家庭の事情を相談されて
いつも励ましてきたのですが

毎度毎度
お金がたくさん入ってくるって話を
こっちが聞いてもいないのに
してくるので
いい加減いやになって
まともに聞く気がなくなりました
そして
とうとう
パチンコで毎回勝ってるから
家庭の大変な事情がまだまだ
改善されないんだろうよ

思ってしまうんです

うまくいってることを
聞いてもいないのに話されて
「それはよかったね」と
喜ぶ気持ちがかけらもないんです

自慢話なんか
聴きたくもないんです
話したくなる気持ちはわかりますが
頼んでもないのに
ひけらかされて
不快なんです

妬みが強くなるばかりで
どんどんひどくなるんです

後日
家庭の事情が良くならないという
相談をされた時には
「そりゃよかった」と心で思っていたんです
本当に「ざまあみろ」みたいな気持ちでした

その人とは友達というわけではありません
息子を介して知り合っただけであり
息子のことをひどく気に入ってて
ちょっと怖いくらいなんです

その人はモテ自慢もちょくちょくしてきます
それも別に
こっちが聞いたわけでもないのに
勝手に話をするんです
その自慢話の中に

「言いよってくるのはみんな息子さんと同じ年齢なんです」

うれしげに
声をかけてくるのは
息子と同じ年齢の男の子なんだと言うわけです

それって
息子のことも仲間に入れてるってことですか
息子のことを意識してると言うことですか
と思っちゃったのです

そんな自慢話に
「息子の年齢」を入れてくるというのが
どうも気味悪くなりました
息子のことを恋愛感情で意識してなければ
モテ自慢の話に
「息子の年齢」は出てこないと思われます

好きな人のことは
誰も聞いてないのに
その相手の話を始めたりするんです
ちょいちょい名前を出してしまうんですよ
誰もそのことを聞いたわけじゃないのに
自分から
話題にしちゃうんですよ

私のような
妬みが強くて
恨みがましくて
ひどい女に
言ってはだめです

私はほんとに
ひどい女なんですからね

直に会うことはないので
ラインの文字だけのことですが
挨拶なしのいきなりのネガティブ攻撃にも
もううんざりしてます

とにかく私は
ひどい妬み女なんです



posted by 彩沙 at 00:46 | 小説

2023年07月22日

中学2年で人を陥れる不憫な話

中学2年の時に
クラスメイト数人で
トランプゲームをしていて
なんだか
ハメられた記憶
その時
右手の指をけがしていた私は
少しの痛みを感じながらも
遊ぶことが楽しくて

純粋に
本当に純粋に
ゲームを楽しんでいたのに

順番にカードを回して
数字をそろえて上がりになるもので
面白いように
自分のところに
カードが集まってきた
不自然にスムーズに
数字がそろって上がりの合図を出そうとしたら

先に誰かが
待ってましたとばかり
上がりの札を奪った
そして
上がりの札を取られた私が
唖然としていると

ひとりの女子が
「カードそろったんでしょ?」と
得意げに言い放ったのだった

私は冗談が通じなかった
半笑いのその女史を見ながら
何も答えず
ショックで目の前がかすんでいた

最初から
示し合わせてカードを回し
私に勝たせないように先に札を奪う
そんなふうにされるとは微塵も思わない

単純に 楽しんでいただけなのに
そのゲームを始めたしょっぱなに
そんなふうに
私をハメて陥れて

そんなことして嬉しかったか?

普通に遊べばいいじゃんか
素直に楽しめばいいじゃんか

人の心を踏みにじるような
ゲームを楽しむのではなくて
人を陥れて
思い通りにすることにしか
楽しむことのできない中学生って

いったいどんな育ち方してきたんだい?

純粋な中学2年の私は
そのことがショックで
そこから数時間 そいつらと一緒にいたが
何ひとつ楽しくなかった

電話帳を開いて
いたずら電話しているやつら
近くのダイエーで万引きした文具を
得意げに見せびらかすやつら

愛のない毎日なんだろう

ごく普通の生徒たちだ
つっぱってるとかそんな外見でもなく
普通も普通
ださいくらい普通
その後も
外面だけはよく陰では
標的を見つけていじめていたらしい

純粋な心を
すでに持ち合わせることのない
気の毒な女子だった

その時以来
そいつらとはつるむことはなく
また別の女子たちと
話をするくらいだった

そのままつるんでいたら
いじめのターゲットにされたかもしれない

とっくに
ツケは廻っていることだろう

与えたものが受け取るものだ

人を陥れても
胸糞悪いだけなのに
そんなことしかできない不憫な女子だった









posted by 彩沙 at 00:25 | 小説

2023年04月10日

恋をした数年前に時間が止まってる女

数年前に仲良くしてくれたスポーツ選手のことを
忘れられない女
ことあるごとに名前を出し
ことあるごとにSNSに投稿し
聞かれもしないのにいきなりコメントで
名前を書き込むのだが
「だれ?それ」と周りは思っている
そこまで有名な選手でもなく
しかも数年も前のことであり
仲良くしてくれたとは言っても
相手にしてみれば
いつも応援しているからと
支援したり世話やいたりしていれば
何か言われても
抵抗できずに言うとおりにするしかない間柄

ただの主婦と
スポーツ選手
支援されている選手からすれば
「子供に教えてほしい、食事や宿泊代は出すから」
って言われれば
断り切れなかったんではないのか
引退して地元に戻る時には
1日ふたりで観光して過ごしたという話も
相手の気持ちはどんなもんなのか
プライベートでふたりで出かけておいて

「全然 恋愛感情はない」と言い張り
「目の前にいると緊張して話もできない」と言い
そしてことあるごとに
聞いてもいないのに
積極的に
「この人の話題にくいついて?」と言わんばかりに
SNSでコメントを残したり投稿したり
写真や名前をやたらと出しても
数年前の有名ではない選手

「だれ?」としか思えない

好きな相手のことは
なんでもかんでもその人のことに結び付けて
名前を出したがるもの
それががんがん出てるのに
「恋愛感情はない」と断固言い張っていた

引退の話も
「地元で実家に戻るなんて!」
「親のすねをかじることになるんだから」
「私がなんとかしてあげたかった」

と、その選手を知らない人たちに
延々と話していた

というか
その選手が引退して親のすねをかじろうと
人の子供のことなんだからほっとけば?
自分のふたりの子供のことを考えろよ」

聞かされた人は思っていたのだ

そう思っていた人は
その過去の幻のような恋バナに興味もなく
その主婦との付き合いもなくしていった

相手の選手の気持ちはいざ知らず
今でも
その主婦は
数年前の恋を胸に
過去に生き続けている

プラトニックだとしても
主婦は恋をしたいのかもしれない
そりゃ
日常ではないものは
新鮮で楽しいし
お金払ったら相手をしてくれる子は
かわいいと思うかもしれない

お金を使って関わっていると
使ったぶんだけ
自分のもののように錯覚して
こうしてるんだからこうしなさいよ

自覚なくても
思ってしまうのだ

お金でコントロールしてしまうのだ
立場上
相手がその主婦を邪険にできないから
よけいに勘違いしてしまう

お金を受け取っても
それを心から喜んでいるかどうかは
まったくわからない

援助するだけで
こうしろああしろと要求しなければいいが
「子供の練習をみてほしい」という
単なるお願いも
お金もらってるから
断れなかった かもしれない

お金を使ったぶんだけ
ずっと
あの日に留まったままなのだろう




posted by 彩沙 at 00:50 | 小説

2023年02月15日

小説「自覚なしマウント女シズエ」

「なんだよ、もう自慢いらねーよ」と
恵子はひとりつぶやく

自覚のないマウント取り女シズエからの
ラインが来るたび
いいかげんウンザリしていた

友達ではない
息子を介しての知り合いなだけだ

何年も前からの知り合いで
家が近い時は
たまに食事したりカラオケに行ったり
話もけっこうしていたが

恵子はずっと思っていた

「このひとは友達ではない」
なぜなら
息子を介しての間柄であり
シズエは恵子に対して
敬語だからだ

気を許していない
恵子が息子の親だから
友達とは思われていない

だから
よくシズエは
「最近、一番仲良しの友達がいるんですけど」
という
報告をしてくるのだ
じゃあ
恵子は「私はあんたのいったいなんなの?」と
思うようになり

自分に向けてのラインに
「一番の仲いい友達」との話は
要らないだろ と思っている

シズエの自慢はちょくちょく
恵子の機嫌を悪くする

一時期
恵子はあまり自由になるお金を持っていなくて
それを人に話すことはなかったが
シズエが
「最近、オンラインカジノで20万円儲けたんです」とか
「パチンコ好きの同僚につきあって行ったら10万になりました」とか
頼みもしないことを聞かされて
恵子は勝手にイラついたことがあった

こっちはあまり余裕ないっつーのにっ

と恵子は心でつぶやいていた

ある時は
恵子の昔の写真を見たいからメールで送ってくれと
言い
少ない写真を送ってみたら
なぜかシズエから
大きなソファに腰掛けるシズエ
広い部屋でくつろぐシズエ
ブランドのバッグを持って着飾ってるシズエ
の画像がおくられてきた
「アメリカに留学していたときなんです」と付け足し

はあ、そうなんだ(どうでもいいけど)
と恵子は返事をした

ある日のいきなりのシズエからのラインは
「私には来世がないので、今世限りで終わると思うと。。。」
というもの
「いきなりネガティブ情報 いらね〜〜〜〜」と
恵子はひとりつぶやいた

それにたいして 
恵子は「・・・」が大嫌いであり
楽しくしていたのをつぶされたようでいらついたので
しばらく返事をせずに1時間後に

「過去も未来も来世も、すべて今の連続だから、今を生きよう」
と返事した

恵子は思った
そういえば
いきなりマウントやネガティブをぶつけてきておいて
こっちの返事には無反応っていつもそうだったが
いったいなんやねん!

翌日になってシズエから
「このあいだ IQテストをやってみたら130ありました」
というお知らせ
恵子は
「今度はなんの話なの??」とつぶやき
それがどうしたんだよ 知らねーよ
なんの自慢かしらないけど興味なし

初めてそれを既読スルーにした

そしてまたシズエから
「一番の仲良しな友達の娘の彼氏が奈良のチームの選手なんです」
「お友達と試合を観に行けたら楽しい」
というラインが来て恵子は
その友達と試合を観に行けたら楽しいって話を
この私にして何の意味あんの
そんなもん勝手に行けよっ
一番の仲良しにだけ連絡しとけよっ

大人げない独り言を続けた
恵子は相当イライラしていた
なんだか自分はシズエのなんなんだろうと
バカにされてるような気にもなって
そういう報告はもういらんわっ
と既読スルーで削除した



恵子は最近
シズエからのマウントやネガティブ情報は
削除して視界に入れないことにしている

恵子はくたびれているらしい
心が荒んでいるのかもしれないと思った

シズエからだけでなく
ネガティブなものを避けることにしている
恵子は楽しく過ごしたいのだ

気分よくいたいのだ
「あ〜あ、楽しい人生だった」と言いたいのだ

シズエの大変な話を、まじめに聞けていた時の
恵子はもういないのだ
自慢話も大嫌いなのだ

こっちは何も聞いていないのに
勝手に
自慢されてもいっさい興味ないし
うらやましくもない

シズエは自覚はないんだと思う
いらない情報をいきなり押し付けてくるのも
次元が違っているのかと恵子は思うようにしている

「私はこんなに恵まれてるんです、すごいんです」と
自身で思いたいシズエ
そう思うことをしないと寂しすぎるシズエ
きっとそうなんだと
恵子は思った


そのネガティブとマウントには
もう付き合う気はない恵子だった

一番仲いいお友達がいるんだから
そっちでやっといてくれっ

と恵子はつぶやいた


おわり




posted by 彩沙 at 23:36 | 小説

2023年02月10日

小説「無関心に傷つく主婦優子」

配偶者の帰宅に合わせ
苦手な食事の支度をする優子
ろくなものを作れないが仕方ない
料理が嫌いだからだ
なぜ嫌いかと言うと
家事全般が嫌いなのだと思っている

「なんで毎日 人のことばかりやっての
私のことは 誰もやってくれないのに!」が
優子の口癖だ

今は息子も独立して
定年後の延長雇用で帰宅が早い夫と
いつもふたりで食事だ
その食事も
会話もなく
優子の観たいテレビ番組が
流れてるわけでもなく
食事のマナーがなってない相手を前にして
食欲なくすような思いで食べるだけ

苦手な食事を用意して
トレーに並べて
テーブルでスマホのゲームをしている
配偶者の元に運ぶとき

「あたしはお給仕さんかよっ」と
優子は小さくつぶやきながら
今まではテーブルのものをかたづけて
トレーを置いていたが
目の前に運ばれることが当然で
散らばったものが目の前にあろうと
知らん顔でゲームをしている様子が
腹立たしく
散らばる雑誌やら広告をそのままに
トレーを置いてやる

優子はやっと食べられると
自分のトレーを
自分で運ぶが

その時には配偶者はすでに
自分のものが運ばれると
とっとと食べ始めていて
優子が席に着くのを待つこともない

いらだちを覚えながら
黙々とたべるだけ
マナーのなっていないきたない音を
聞きながら
好きなテレビドラマも
変えられて
じっくりと美味しいと感じながら
食べていたい時間も台無しになる

優子はのんびり食事をしていた
すると
黙々とさっさと食べ終わった配偶者は
食卓に優子を残したまま
外に喫煙をしに出掛けてしまった

「私はまだ食べ終わってないのに」
と優子は
なぜか、悲しくなった

いつもそうだ
優子が食べるのも食べ終わるのも
待つこともなく
そこに優子がいても
どうでもいいかのように
会話もなくさっさと食べたら
席を立つ
もしくは
スマホのゲームをし始める

ひとり残されて食事をしている優子は
自分はいったい何なんだろと
いつもいつも悲しかった

悲しくなりながら食べ終われば
また洗い物で時間を費やす
その時にも
配偶者はとっとと寝る準備をして
後かたづけしている優子を置き去りに
自分の寝室に入って寝ながらゲームをしている

配偶者の寝室からリビングのテレビが
見えるのだが
カウンターキッチンで優子がテレビを
見ていることなどまるで無視して
自分の好きな番組に変え
エアコンも床暖房もリビングの
電灯まで消そうとするので

「あたしはまだかたづけが終わってないの!!!」と
優子はそのとき叫んだ

すると配偶者は
「今日は機嫌が悪いね」とぼそっと言う

優子は
いつも置き去りやら無視やら
お給仕扱いやら
いったいなんのために生きてるのかとまで
思うほど
自分の存在を蔑ろにされてる気になって
とても悲しいというのに

たまに意思表示したら
嫌味や的外れなのんきな答えしかない

優子は知っていた
配偶者は
広島の実家にいるときには
キッチンで自分の姉とは
食事時にはとても楽しそうに談笑している
いつもにこやかで
優子と食事するときには
ただ黙って食べるだけでさっさと
ひとを置き去りにする配偶者が
そこでは笑っているのだ

これまで法事やらで
広島の実家まで優子も一緒に行っていたが
数年前から
優子は
「二度とあの場所には行かない」と
決めたのだ

優子がいても
配偶者を含めて他のやつらは
優子の存在をスルーしているのだ
ただそこにいるだけ
配偶者が 特に
優子のことをいっさい気にかけずに
自分らの家族だけ盛り上がっているから
行くたびに優子は
「嫁だからと無理に合わせなくてもいいじゃんか」
嫁 だからそこにいるのが当然で
他に用はなんだから
そういう扱いをされるのが 嫁 なんだ

「ばかばかしい」と優子は
自分が嫌なものに合わせるという
一番の時間の無駄を省いたのであった

最後にあの場所に行ったのはいつだったか
数年前の法事だったか
嫁 だからただそこにいて
親の財産とかお金のことや
いろんなことは 嫁 の優子には
何も教えることもないし
優子のことなどいないかのように
配偶者たちはいろいろ話し合っていた
優子には何も知らせないから
なにがなんだかわからないし
はっきり言って 一緒にいるのは不快だった

あの時から
優子は
「べつに良い嫁なんかになることはない、くそくらえだ」
そう思い
二度とここには来ない!と決めたのだ

優子に対する配偶者の態度は
配偶者の親と同じなのである
あの親が
優子のことを会う前から
気に入らなくて
ずっと嫌な思いをさせられた
実家に行けば
優子だけを残して 配偶者たちを
隣の部屋に呼んでドアを閉め
なにか話をしていたりした

食事の時には
配偶者が下に落ちたゴミを
「優子さん ゴミ落ちた」と
拾わせた
配偶者の母親は
食事しながら
大きな口をあけてげっぷした

優子はこの時に
本当にびっくりしたのだった

自分が好きになった人の親だから
大丈夫に決まってる と
自分に言い聞かせて
初めて顔を合わせた夜に

能面のようにニコリともせず
質問攻めで
なんと答えても否定
唇をへの字にした能面の親

優子は若かったから
あれから頑張ってやってこれたと
自分を褒めた
思い出すたびに「偉かったよ私」と
言ってあげた

優子が思ったのは
やはり
よほどの心の変化などがない限りは
無意識に
親と同じことをしてしまうものなのだ
ということ

そして
無関心は 人を傷つける ということ

優子はずっと
傷ついているのだ
悲しいのだ
淋しいのだ

「私の人生はなんだったんだろう」
優子は
もうムキになって配偶者に意見する気もなく

「自分の人生を生きたい」と
本気で思いながら
今日も 食卓に取り残される


おわり








posted by 彩沙 at 01:34 | 小説

2023年02月06日

フィクション「テンプレートなコーチ」

「ゼロは1軍に所属いたからスタートだ」
男はつぶやいた
1軍に所属していたとはいっても
試合にほとんど出ることなく
昨年は通年で10分も満たなかった選手だが
男は
その実力よりも 肩書を優先していた

他の選手も
ルーキーや大学生という
そこまで実力も経験もない選手を
好んで使っている

これまでの経験や実績や現在の力は
まるで無視
1軍の肩書最優先
下手に力や経験がある選手の扱いは
男には できなかったのだ

そう 男はコーチとしての能力など
持ち合わせていないのだ
しかし
肩書だけは並んでいる男は
チームの またしても
肩書重視昭和の人間にたいそう好まれ
コーチとして崇拝するほどのほれ込みようで
能力は肩書があるから それでOKなわけである

試合内容はまるで関係なく
意味不明の交代を繰り返し
いい流れでも交代をして
肩書選手を投入して
どんどん点差が開き続けて連敗している
それを
1軍の試合を多く観ている観客は

「テンプレート采配」だと気が付いた

スタートは固定され
交代要員を
開始から5分経過後に次々と出し
肩書選手の交代選手は
ピリオド終了間際2分ほどで出し
次のピリオドが始まって2分したときに
肩書選手と交代する

そのときに
すごくいい流れであっても
負けていた点差を縮めていても
肩書選手のポジションの選手が
特典をガンガン決めていても

その時間になると
必ず
交代するのだ

男は
試合内容などどうでもよく

作り上げた時間配分の
テンプレート通りに
なんの迷いもなく後退をする

実力のある選手は極力出さず
肩書選手やルーキーが
まるで成長していなくても
せっかく
点差が縮まり 盛り上がったのに
交代した時から
また負け始めて点差が開き続けても
どれだけミスしても

長い時間を肩書選手たちに
割り振っているのだ

そして 
どれだけヨレヨレの負け試合になろうと
テンプレート通りに試合を進めていき
毎回 同じ負け試合を繰り返している

男はコーチ能力がないから
そのテンプレートと肩書だけを頼りに
采配するしか
ないのである

それが精いっぱいなのだ
他の選手を信用していないのではなく
選手の持つ力を
使うことが

できないのだ

しかし男は自覚していない
テンプレート通りにやれば
肩書選手を出せば
なんとかなるのだと信じている

実力のある
経験の長い選手の力こそ

どう扱っていいのかがわかっていない
それだけなのだ
だから
肩書と新人という
テンプレートに収めれば
その通りになるであろう選手だけを使うことになる

そして
連敗

しかし
それでも男がカットされないのは
肩書最重要視している
その会社のトップが
そのスポーツを理解しようとしていないし
利益最優先で運営しているからで
肩書だけはあるテンプレート男を
カットする理由もないのである

試合自体を楽しいとつぶやいたり
会場に来ているのは
一眼レフで若い選手を追いかけて
最前列を陣取っている迫力ある女子らしき
かたがただ

入場者数は毎回300人以下
子供のチアを呼んで親御さんらを含めて
やっとその人数だ

会場で販売しているものも
できるだけ出費せず
設置されている自販機は使用禁止で
500ミリのミスを250円で売っていたり

経営努力しているようだが

運営に「けちけち感」がにじみ出ているし
会場に入っても
印象は とても暗く
そのうえ
肩書テンプレート男のしんきくさい雰囲気が

頑張っている選手をいつも
負け試合には
「選手のせい」としてコメントしてしまうところ

何もかもが裏目になって
次のシーズンには存続できなくても
会社としては
立ち上げた人間からすれば

「まぁ おもうほど利益も出なかったから

や〜めた」

で、済むことなのだ

テンプレートのコーチも
毎月十分な給料をもらえて

「勝ったらわたしのおかげ、負けは選手がダメだった

だって、テンプレ通りに やったんだも〜ん」

とつぶやき
最下位だろうが
選手を蔑ろにしていようが
どうでもいいのである

せいいっぱいなのだからテンプレートが
すべて
肩書がすべて

テンプレートなコーチは その通りにやってれば
それだけで
ぼく なにもわるくないも〜ん


おわり
posted by 彩沙 at 00:11 | 小説
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