社外へのキーマンや社内のステークホルダーに対しては強い関係を構築するように努めていました。「オセロの角を押さえるようにキーパーソンと関係を構築して、形勢を有利にしていきたい」「ビジネスで大きなインパクトを生み出すために、要点を押さえたい」と発言していました。ご機嫌取りといったレベルの話ではなく、ビジネスのツボを押さえる効率志向からくる言動でした 。
5%リーダーは自分一人では達成できない大きな目標を達成するために、今までやっていた自分の能力や経験を手放しているのです。この上司の「手放す」という行為が実はチームの結束力を生み、それがチーム個々人の自主性を育みます 。
5%リーダーのうち 59%の人が、明らかに平均よりもゆっくりと移動していたのです。
感情共有とは、相手の感情に寄り添うことです。 メンバーが不合理な不平不満を言うこともあるでしょう。自分ではコントロールできないことに対して愚痴を言い続けるメンバーもいるでしょう。愚痴の大半は解決しようのないことです。 しかし、 その感情が生み出されたメカニズムを理解しようとすることは大切です 。
複雑な課題を解決し、成果を出し続ける大きな目標に向かってトップ5%リーダーが行うのは、「 異質同士の組み合わせ 」です。 まずメンバーの特性をしっかりと把握し、強み、弱みを掛け合わせて、より短い時間でより大きな成果を出し続けます。 トップ5%以外の管理職はタスクマネジメントにおいて、最も重視する点は何かという問いに対して、 71%は「個々人の能力(ケイパビリティ)を重視する」と答えました。 つまり、メンバーの強みにフォーカスしてしまう傾向が高く、強みに合わせて仕事を分け与えたり、タスクを割り振っていたりすることがわかりました。
一方5%リーダーは、 メンバーの「できる・できない」を総合的に理解する能力が高く、先程の質問に対して、「メンバーの苦手なポイントをフォーカスする」と答えた方がなんと77%にも及んだのです 。 メンバーの強みを重視する一般的な管理職、一方、メンバーの弱みにフォーカスするトップ5%リーダー。 こういった違いが調査で判明したのです。
その彼らの発言を録音録画し、AIで文字起こしをした上で、テキストマイニングのデータ分析をしました。 すると彼らの発言、特に名詞で多かったのが、 「組み合わせ」「再配置」「入れ替え」「組み換え」「埋め合わせ」 というワードです。
彼らは業務処理能力が低い社員を優秀な社員で埋めようとしているのではなく、優秀な社員の弱みを理解して、そこを他のメンバーで補完しようとしていたのです。成果を出すメンバーは放っておいても成長するので、彼らの能力を2倍、3倍にすることで組織全体の能力を高めようとしていたわけです。 つまり、 成果を出すメンバーの弱みを理解して、そこを他のメンバーで補完し、成果を出すメンバーの成果を2倍、3倍にしようと考えているのです 。
チーム内で優秀なメンバーの苦手なことを代わりにやってあげれば承認欲求も刺激され、自分の能力に気がついて発揮しようという気持ちが高まります。
一方、5%社員と5%リーダーは「伝わる」コミュニケーションを目ざします。 自分の思いが相手に伝わるようにコミュニケーションをとり、相手と共鳴して自分の思い通りに行動してもらうことが成功。 話を聞いてくれたかどうかではなく、中身を理解して行動してくれたかどうかが成功指標となっているのです。 「伝わる」コミュニケーションは、聞き手である相手が主役です。 相手がコーヒーが飲みたければコーヒーを出すし、水が飲みたければ水を出します。
意思決定ツールである「ペイオフマトリクス」でもタスク整理ができます。 ペイオフマトリクスとは、「効果」と「実現可能性(実行コスト)」の2つの軸で構成されるマトリクスを用いて、アイディアの選択を効率的に行うためのフレームワークです。
5%リーダーは、自分の考えに固執することなく、多様な意見を取り入れて自分を進化させています。 つまり、限られた経験や知識にこだわりすぎると、行動を止めてしまう恐れがあることを5%リーダーは心得ているのです。 5%リーダーがスキルアップや情報収集で常にアップデートを目ざすのは、常に新たな情報に触れ、多様な意見を取り入れようとするポリシーを持っているからです 。
メンバーから気軽に話しかけられることや、ちょっとした休憩をとることを望む5%リーダーは、バッファータイム(=空白時間)をあらかじめ確保していました。
バンドワゴン効果 ・・・バンドワゴンという言葉は「行列の一番先頭で楽器を鳴らす車」という意味で、勝ち馬にのるとか、大衆の判断に身をゆだねるとか、時流にのるといった意味で用いられます。大勢の人が選んでいるものに安心感を得て、自分も選びやすくなるという心理効果です。 「弊社の商品は9割の通信会社で採用されています」 「顧客満足度ナンバー1」 というようなアピールで、安心感・安定感をもたせて購買を促すものです。 「売上ナンバー1」や「○○賞受賞!」という宣伝も、バンドワゴン効果のひとつの方法です。
【感想】
AI分析でわかった トップ5%社員の習慣 の続編?にあたる本書。ビジネスで結果を出しているリーダー達の言動をAIで分析し、色々なことが判明。移動するスピードが遅いとか、意識的にバッファータイムを設けてメンバーとのコミュニケーションの時間にあてている、など5%リーダーには意外な特徴があるらしい。過去の経験や成功を手放し、常に新しい情報を集めアップデートしていくのも5%リーダーの特徴。これって頭では理解していてもなかなか実践できるものではないから融通性が高いんだなと感じた。
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