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2014年09月17日
どうしてクルーズが生まれてきたのか?
19 世紀半ばから、世界中で大陸間の長距離移動を担ってきたのは、外洋客船(オーシャンライナー)でした。
日本人の方には「タイタニック」がデビューした時代と言った方がわかりやすいかと思います。
アメリカやイギリスなどの欧米主要国は国威をかけて巨大・豪華な客船建造に覇を競い、ビジネスとしても、まれにみる成功をおさめたのです。
1 世紀続いたこの栄華も20 世紀半ばには航空機の登場によってその覇権をおびやかされることになったのは予想も着かなかったと思われます。
世界で最も華やかな航路とされたアメリカ大陸とヨーロッパを結ぶ北大西洋横断航路も変貌を迫られていました。
1958 年、最初の商業ジェット機が大西洋を横断しました。
この年は、北大西洋を渡った船客数が、航空旅客より多い最後の年になったのです。
1960 年代初め、約100 の船会社がありましたが、1960 年 代半ばまでは船の運賃が航空機より安かったのです。
しかしジェット機の出現、とくに 1970 年代初めのボー イング 747 機の登場で大きな節目を迎えたのです。
1962 年に 100 万人が船で大西洋を越えたが、1970 年には 25 万人に増大。
毎週定期的に大西洋横断をした「クイーンメリー(81,237 トン)」は 1967 年に引退しました。
1996 年までに建造された世界最大客船であった「クイーンエリザベス(83,673 トン)」は 1968 年に最後の航海をあとに引退。
多くの船会社は廃業し、船は解体されたのです。
生き残りを模索した船会社は、 南の太陽を求めるレジャー客を対象とした船旅に活路を見出そうとしたのです。
バハマを含むカリブ海が魅力的に見えたのですね。
これまでより小型の、カリブ海の島々の小さな港に入ることができる船が現れた。まったく新しいビジネスだった。
はじめは、ニューヨークなどの北の港から長い距離を南の海まで船客を 運んでいた船会社は、こぞって本社をフロリダに構えるようになりました。
寒い気候、荒れた海の航海を避け、燃費の節約をするため船客をクルーズ船の出る港まで航空機で運ぶことが次の段階だった。
フロリダがカリブ 海クルーズの、カリフォルニアはメキシコクルーズの、バンクーバーはアラスカクルーズの基地となったのです。
航空会社と船会社の新しい関係が構築された。
エア&シー 型、(フライアンドクルーズ )と呼ばれる航空機とクルーズを組み合わせたパッケージ商品が誕生し、これが その後のクルーズの主流となった。
1970 年代を通じて、クルーズ産業は急速に拡大しました。
クルーズは 二地点間の移動を行う海運業(Shipping Business)ではなく、純粋にレジャー・観光を目的とした 船客を対象としたホスピタリティ産業(Hospitality Industry)となったのです。
写真は180年の伝統を誇るオーシャンライナー(ロンドン〜ニューヨーク)のクイーン・メリー2です。
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