陽が落ちれば、写真が撮れなくなるので、急にやることがなくなる。
旅先にいるのになんともゼイタクな話かもしれないが、
ショッピングに熱を上げない身としては、闇の訪れは退屈の合図。
明日は午前の便で帰国、残すところは数時間だ。
カウントダウンのこの時間は貴重な時間だが、アッサリと手持ち無沙汰。
日没時間に宿に帰るのも冴えないが、かといって行くあてもなく。
駅ビル前のベンチで思案していると、思わぬ考えが頭をよぎった。
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そうだ、カジノへ行こう!
とJRの広告コピーのようなことを思い立ち、改札を抜けた。
カジノならカメラも土産もクロークで預かってくれるので、身軽に動ける。
ギャンブルせずに軽くブラついて、なにかでノドを潤し、宿に帰ってもいい。
部屋で読書に耽るのもアリだったが、ソウルらしい夜の過ごし方を思いついた気がした。
幸い、ICカードにはチャージした小銭が残っている。
竜山(ヨンサン)から宿に戻るのは数駅だったが、反対方向へ。
明洞の東側から西まで、地下鉄に乗ってガタゴト移動。
モノズキなのは、地下鉄料金が安すぎるからかな。
ホームの売店に並ぶ新聞。
アレだけ紙面を賑わしていたWBCの記事がパッタリとなくなった。
最大のライバル日本に優勝をさらわれたのがショックだったのだろう。
決勝前日までは韓国チームはモチロン、日本チームも紙面を彩っていた。
それが日本チームはモチロン、韓国チームすら新聞からは消えてしまった。
まるでWBC自体がなかったかのように。
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江辺(カンビョン)駅からシャトルバスに乗り、ウォーカーヒルへ。
クロークで荷物を預け、身軽になって、フロアへ向かう。
場内のピンっと張り詰めた空気がいい。
ラスベガス、モンテカルロ、ブダペスト、シドニー、ペルー、マカオ・・・。
世界各地でカジノに足を踏み入れた。
賭け事が好きなのではなく、この張り詰めた空気が好きなのだ。
言い換えればただの「博打場」なのだが、
そこは清潔で、安全で、整然としていて、
ヘタなダウンタウンを歩くより、よっぽどリラックスして過ごすことができる。
「カジノ」というと日本人はやくざ映画の「鉄火場」を想像するようで、
それとこれとでは、かなりの開きがあることをお忘れなく。
コーヒーを飲み、フロアを歩く。
他人の賭けっぷりを見ているだけでも楽しい。
リアルに現金勝負なので、その表情は生々しいのだ。
それでも見ているとやりたくなるのが心情か。
実は前日の勝ち分があるので、ちょっと強気でやってきた、というのもあるのだが。
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昨日と同じくルーレットへ。
テニスラケット1本分の勝ちを掴んだので、即、退散。
入ってから1時間も経たずにカジノを後にした。
すっかり暗くなった漢江を横目に、地下鉄に潜り込んだ。
写真1;地下鉄2号線。左の駅表示横の3桁の数字が路線と駅を表す。
写真2;最新鋭車両の車内は日本と同じレベル。古い車両も活躍中。
写真3;昼間の車内。ラッシュ時は日本と同じぐらい混む。
写真4;街角の屋台。手前からオデン、フランク、アメリカンドッグなど軽食が並ぶ。
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