ピョートル氏は、ソ連支配下のポーランドの村出身。
独、蘭、米の暮らしを経て、2000年に来日。モルガン・スタンレーやグーグルを経て、現在は人材育成や組織開発、リーダーシップなどの分野で活躍されている。
既存の働き方から抜けられない人に寄り添いつつも、「少し冷たい」新しい風をそっと吹き込んでくれる。
そんな印象を受けた本でした。
紹介については、前回長々と熱を入れすぎてやってしまったんで、もっと簡略に済ませたいと思います!
まーた性懲りも無くたくさん付箋貼っちゃった笑
気になるところ、読み返したいところがあるとこうして付箋します。そこにメモすることもしばしば。
この中でもずぶりと心に刺さったところを5点だけピックアップしてご紹介^ ^
★生まれたばかりの子に「いい大学に、いい企業に」と願うのは無意味(第1章、p30-31より)
アメリカ・デューク大学(当時)の、キャシー・デビッドソン教授が「2011年度に小学校に入った子供の65%は、大学卒業後に今は存在しない職業に就くだろう」と言っていることが取り上げられている。
また、イギリス・オックスフォード大学でAIの研究をしている、マイケル・A・オズボーン教授は「今後10〜20年後に、米国総雇用者の47%の仕事が自動化される」と見通しを発表したと言う。
これに対してピョートル氏は「今エリートコースに乗っているか否かで将来を語るのは無意味、その現実を認識すべき」という主旨の記述をしている。
本当にそう思う。
しかし同時に、どうしても認められない人もいるんじゃなかろうか?
術者としては、こういう人はギャンブルに近い感覚を持っているという考えに至った。
パチンコはまさにそんな感じで、一度出がいいタイミングがあると、もっと良くなる、もっと良くなる……と、結果損をしているのに気付かずのめり込むことがほとんど。今の知識を持たない親世代は、まさにこれと同じ「一度上手くいった方法なら、この子もそのレールに乗せるだけでOKなはず……!」と考えて新たな世界の認識をすっ飛ばして、「いい大学に、いい企業に」と考えてしまいそう。そんな風に思ってしまう。
★人から学ぶ時のマナー(第2章、p87より)
ここで紹介されているのは、常に学んで自分をアップデートする、そう言う新時代のエリートになるための土台作りの一つの注意点。
?@ 自分と会うことが相手の学びになるよう努力する
?A 学んだ情報を一人で抱えずにシェアする
?B 自分からも人を紹介する
なるほど、学びっぱなしにならないように、アップデート出来るための留意点といったところ。
その中でも特に、術者は?@が気になった。
セミナー参加を良くしていて、?Aはまさにこうしてブログなんかで綴っているわけだし、?Bについても紹介したい人は何人かいて声掛け予定だったりする。
しかし、?@の点はほとんど意識したことがない。
いつも暗黙に「学ぶ側と学ばせる側」に分かれるような感覚でいた。それではダメなのだろう。
同章のp94-95では、「サイクル」「トレンド」「パターン」を学び、プロの人たちのハイレベルな面白い会話に入れてもらうことを勧めている。
「自分は何も知らないから教えてくれ」というより「自分としてはここまでは分かった。さらに分かるにはどうすればいいか?」と最低限は言えるように、いわば「予習」が必須、ということと考えた。
★直感で判断(第3章、p122-123より)
直感で判断して、素早く行動に移すこと。
それにより、得られる成果が大きくなること、さらに言えばキャリアの洗濯で時間のロスが致命的であることについて言及されている。
面白かったのは、p124-125にある、孫正義氏の直感的判断について。
彼はCMを作る際、コンセプトなんかよりも出来上がった15秒のCMを観て、直感的に是非を判断するのだとか。
ピョートル氏もこれを受け「確かに視聴者はCMを直感的に判断するし、正当な評価の仕方だろう」という旨を述べている。
術者はしばしば直感が働くシーンが、実は日頃からあったりする。「今のうちにシャワー浴びようかな?」と考えてさっと済ませて出た5分後、想定外の荷物配達が来たり。仕事でも「この案件先に済ませよう」とピンと思い立ってやった時に限り、急な顧客対応が後で入ってきて、バッティングと残業を回避できたり。
自分ではもはや日常の一コマだったが、経営者と同じ目線に立っているのでは??と思うと、なんか感慨深いものがある……!
★コミュニケーション能力の評価基準は「相手が行動してくれたか」のみ(第4章、p176-177より)
これについては、スッと胸の奥に飛んでくる一筋の矢のようだった。
コミュニケーション能力。みんな言うけど、その実自分も含め、いったい何なのか分かってない人は多いような気がする。
ちゃんと言語化すると、これ以上にいい言い回しはないかも。さすがピョートルさん。
どんな会話も、空気を読むのも、会議での意見出しも、仕事のアウトプットも……全ては行動とその結果につながっている。
確かによくテレビのバラエティ番組なんかで言ってる、コミュ力不足とか関係がうまくいかない的な悩みって、「悩んでいる人が言葉を投げても、相手が想定している行動をとって結果を出してくれない」ことに起因しているよね。
コミュ力の正体は「言葉を受けた人が行動してくれるか」。スッキリしました。
★マラソンではなくスプリントの発想で生きる(第5章、p227-228より)
後半では、自己実現についての話題が述べられていたが、この章は達成のための一つの考え方を示している。スプリント、と言う言葉、恥ずかしながら術者は知らず、本書を読んで初めて調べるに至った。短距離走という意味らしい。
この、短距離走的な考えを持って「結果を出す→休む」の感覚を繰り返すことを意識する。それがピョートル氏の意見だ。激しく共感。
確かに、自分の会社もそうだが、日本の会社はなんとなく、時間制限の下で仕事をしている意識が低い気がする。
術者個人の意見としては、サービス大国だからかな?というのが思うところ。「お客様は神様」的な風潮が至る所にあって、今でもそれは化石みたいに社会に、とくに長寿の企業に蔓延っている。
過剰なサービスは従業員の疲弊を生む。現に自分の上司は朝から夕方まで電話対応ばかりに追われる。やっとご自身の仕事ができるのが定時前後、そして変えるのは夜10時とか……
よく彼はこう言っている「昔はお客さんに気に入られないと社会人としてクズのように見られた。だから頑張ってサービスしたけど、長くその関係が続くと向こうはこっちの仕事の都合やプライベートさえ無視してくる」。
同時に呪文のように常々言う。「仕事が面倒だ、早く帰りたい……でも仕事がなくなったら困る。そうだよねぇ?」ついでになんか同情を求める目を向けてくる。
彼がいい人なのは事実。一生懸命なのも事実。
しかしそれも「長く」は続かないことが表れてる。そんな風にしばしば、術者は感じている。
ちなみに、たまーに弊社ではミーティングでお勧め本が紹介される機会があるのだが、彼の言葉は決まってこう。
「読みません。そんな暇があったら一件でも多く仕事を捌きたい」
こうはなりたくない。と、思わずにはいられない。
と、同時に、自分は果たしてスプリントできているか?マラソンになってしまってはいないだろうか?そんな問いかけも常々してみたりする。
以上が、俺的ベストポイントでした。
結構少なめにしちゃったし、他にも見るべき点はたくさんあると思うので、気になる人はぜひ読んでみてください!!
それから最後に、あとがきの問い(p293-294)。本当に大事だと感じた。
皆さんもぜひ、問いに答えて自分なりの夢を導き出すことをお勧めします。
これへの答えが俺の未来だ。
〈GIVEについて〉
1、あなたのパッションは?何に夢中?
自分だけの「物語」を創り上げる
2、あなたのビジョンは?どんな世界が見たい?
水のように流れ、沢山の人と交流、リアルな体験も通じて人々が世界を広げられる世の中
3、あなたのミッションは?何がしたい?
自分の創作によって、人の心を潤す
4、あなたの野望は?どんなふうに、いつまでにやりたい?
30歳までに、自由な創作ができる環境をスタートさせる
5、あなたのサポーター、応援・支援してくれる人は?
読書会の方々。そして、他にも今から創る!
〈TAKEについて〉
1、仕事を通じて何を得たい?
・アイデア力
・人と繋がる力
2、なぜそれを得たい?3回までなぜを繰り返して。
・想像力を広げたいから→広い世界の知見を得たいから→死ぬまでにこの素晴らしい世界より多く知りたい
・可能性を広げられるから→他の人と接して新しい見方を手に入れられるから→死ぬまでにこの素晴らしい世界より多く知りたい
3、何をもって、いい仕事をしたと言える?
たしかに「誰かに価値をもたらした」と実感出来ること
4、どうして今の仕事を選んだor選んでいる?
社会が怖くて安定を選んだ→重税や社会不安に負けた→自分の中にある「価値」を信用できなかった
5、去年の仕事は今年の仕事にどう繋がってる?
ミルクレープのような薄く重なるような成長。やったことある仕事を、上司のアドバイス受けずにできたこと。
6、あなたの一番の強みは何だ?
考えを深め活発に脳を使うこと
7、周りの人はあなたをどう支援できる?
自分の知らない知識を持ってきて高めてくれる、ロケットのブースター的な役割
※書籍の紹介については、あくまでも術者の主観です
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