一つは運動器自体の疾患、これは加齢に伴う骨や関節などの疾患であり、具体的には骨粗鬆に伴う円背「円背(腰が曲がり、背中が丸くなってしまう疾患)」、変形性関節症、関節リウマチなどがあげられます。
中でもよく見受けられるのが変形性関節症です。これは、関節が変形することによっておこる疾患で、症状としては関節に痛みや腫れが起こり、そのまま放置していると、関節の動きが悪くなることもあります。
変形性関節症になりやすいのはひざと股関節です。 始めのうちは動き始めなどの限られたときに関節に痛みを感じるだけなので、受診せずにほっておく方も多いようですが、その間にも、変形してしまった関節が、元に戻りません。早めに病院、診療所へ受診し、適切な治療を始めることとても大切です。
「ロコモ」のもう一つの要因が、加齢による運動器の機能低下です。これには、筋力や持久力、バランス能力の低下や反応時間の延長が該当します。子知多は、普通に生活していても、自然に起こるものと言えます。
運動器の機能低下が引き起こすものとして、最も気を付けたいのが転倒です。
「ちょっとした段差につまづいて、すってんころり。抱えていた荷物をばらまいてしまい、真wサリの人に笑われる、、、」 若いころにはほほえましい光景で済んでいたかもしれないことが、年齢を重ねると深刻な問題になります。 なぜなら、歳をとると骨がもろくなっていることもあり、転倒が骨折につながる可能性が高くなるからです。特に高齢者が転倒することで起こりやすいのが、大腿骨(太ももの中軸となっつている骨)の付け根に近い部分の骨折です。この部分の骨折花織が悪い傾向にあり、車椅子での生活をよぎなくされるなど、その後の生活に大きな影響を及ぼします。 「転倒→骨折→入院→寝たきり」という筋書きはなんとしても避けたいものですが、わが国では、このケースが年間10万件以上も発生しているのが現状です。
それだけではありません。転倒は骨折よりも重篤な問題を引き起こす可能性があります。
厚生労働省の「不慮の事故死亡統計(2008年)」を見てみると、1年間に不慮の事故で亡くなった方はおよそ4万人。もっとも多いのは窒息の9419人、次いで交通事故の7499人、そして転倒、転落は7170人で3番目の多い原因になっています。
高齢社会を迎え、転倒が引き起こす問題の重さが増すばかり。その対策のため、海外でも1990年ごろから様々な研究が行われています。その一つが2001年にアメリカ老年学会が行った転倒の危険因子の調査。その調査によると、転倒を引き起こす可能性が高い危険因子の第一位は筋力低下で、筋力が低下すると転倒する確率が4,4倍になるとされています。
転倒を予防するためにはどうすればいいかがわかります。 筋力低下が一番の要因であるならば、できるだけ筋力を低下させなければよいのです。そのためにはトレーニングなどで筋肉を鍛えるのが最も効果的なのです。「ロコモの要因」の一つめの運動器自体の疾患があるのに対して、二つ目の「加齢による運動器の機能低下」は万人の訪れるのが特徴。「自分は転ばないから大丈夫」とは決して言えないのです。
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