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2017年06月23日

ビルとの忘れられない約束 〜サマーヒル訪問前夜〜 イギリス、ロンドンにて



何しろ、明日はあこがれのサマーヒル・スクールを訪問する日だった?•?ω•???

 そして、朝6時に出発する駅は、リバプール・ストリート駅という、おそらくこのユースから徒歩と地下鉄で45分くらいはかかりそうなところだった。

切符のこともあるし、4時半にはここを出なければ・・・と、逆算しながら歩いていると、庭のテラス席のテーブルに、キッチンで出会ったビルが座っていた。

DSCN4016.JPG

 あらためてもらったパンのお礼を言うとビルは、よかったらまた少し話をしようと言うので、じゃあ少しだけ・・・と、同じ席に座った。

 「なぜ、旅をしているのか?」ということを、ビルはストレートに尋ねてきた。

それで、ヨーロッパの興味がある学校を訪問していると説明した。

すると、「君は教師なのか?」と聞かれたので「Yes」と答えた。

 「ぼくは若い頃、農業に興味があった。だから、世界中の農場を訪ねて歩いたことがある。君は、それとまったく同じことをやっている。」

と、あたたかいまなざしで私を見た。

そして、次の一言に、私は自分の耳を疑った。

 「もしも、君が日本で学校を作るのならば、僕は英語の教師として、日本に行くだろう。」

 ・・・ええ?!・・・・( ゚д゚)

私は、びっくりして、唖然としてしまった。

この人は、一体何者だろう? 私は、まだ一言も「学校を作りたい」とは、言ってなかった。

しかし、実際、心ではその夢を追い、そのために今回のこの旅をしているわけなのだが・・・

 なぜそのことが分かったのか、そして、会って間もない間柄なのに、なぜ、そんなことが言えるのか私も、思うことをストレートに聞いてみた。

 すると、まず一言「インスピレーションだよ。」と言う。

「はいい??(´・ω・`)」

半信半疑で聞いていたが、
彼はとっても真剣で、真面目そのものだった。

 そもそも彼はメキシコで英語教師をしていた。

本当は、メキシコにとどまりたかったけれど、政治的事情から、そうはいかなかった。

今は、骨董屋をしているが、本当はもう一度、世界のどこかで英語教師をしたいのだということ。

そして、骨董屋をしている関係で、元々日本に興味があること。

 「ぼくがイギリスを離れてまでして、行く条件は4つある。」

一つ一つのキーワードに補足説明をしてくれた内容は以下の通り・・・

多少、意訳っぽい面もあるかと思うけれど・・・

 at home  アット・ホームで居心地がいいこと

  peaple   親切な人々がいること

 culture   興味のある文化が享受できること

 custom   よい風習が浸透していること


 そして、「お金よりも、生きがいが大事だ」

というような意味のことも言っていた。


私は私で、自分の理想とする学校がどんな学校か・・・

今、どんな学校に興味があるのかということなどを語り、例によって、ビルは時々私の英語にチェックを入れてくれた。

(明日、朝早いんだけどなあ・・・)と、心で苦笑しながら、どれくらい語っていただろう。

 正直、彼の気持ちは素直に嬉しかった。

しかし、あくまで今はまだ「夢」であって、現実味はまったくない。

実現できる保証もない。

でも、その時点でフレネ学校と、サンド・スクールを訪問して、実際の「手作りの」学校を見ていた私は、

「不可能なことではない」という「志」だけは強く持っていた。

 それで、ビルには「実現できる保証もないし、できるとしても数年後になるだろう」と言うと、

「分かってる」と・・・「その夢のおかげで、はりあいができる」と、彼は言った。

 そして、「数年後に、きっと・・・」と約束をして、彼とは別れた。

 明日の朝の準備だけして、ベッドの中に入ったが、何だか少し興奮状態だった。

まだ半信半疑ではあったけれど、思いがけない展開に、夢が夢でなく現実になるのでは・・・というか、現実にしたい・・・という強い気持ちになっていた。

 そして、いよいよ明日は、この旅のメイン校である「サマーヒル」訪問!

どうしたって気持ちは高揚してしまって、なかなか寝付けなかった(@_@)

 でも、「1日だけ」の訪問なのだから、あまり何から何まで見ようと思わないで、サマーヒルの生活環境をこの目で見て

「子ども達の素顔」に触れられればそれで、満足かもしれない・・・と気負いはなくなり、いつの間にか、眠りに落ちていた(-_-)zzz

(つづく)

?•?ω•??? 旅の豆知識 ?•?ω•???

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実際の旅に役立つ情報編へは、こちら
ヨーロッパの自由学校訪問記 〜情報編〜

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