サマーヒル・スクールは、ロンドンから北東のサフォーク州のレイストンという町にあり、イプスウィッチという港町の近くだった。
この日の予定は、ハイストリート・ケンジントン〜リバプールストリート駅:地下鉄
リバプールストリート駅〜イプスウィッチを経由して、サクスマンダム駅:列車
そこからバスに乗ってレイストンへ・・・というものであった。
約束の時間は、10時半。そして、サクスマンダムから先は、バスの時刻も分からなければ、レイストンの駅から学校までの道も時間も分からない。
1日だけの訪問だから、絶対に遅刻できない。早めに行くに越したことはない。(しかも、早い時間だと切符も安かった。)
・・・というワケで、列車の駅であるリバプール・ストリート駅発6時に乗るつもりでいた。
そうすると、4時半には出発しないといけない。
・・・ということは、起床は4時・・・なんて迷惑な客なんだ!
しかし、仕方が無い・・・。アラームを一番小さい音にして、4時にセット・・・。
就寝・・・(。-ω-)zzz. . .
(。゚ω゚) ハッ!っと目が覚めて、外を見ると、何となく空が明るく見える・・・
時計を見ると・・・
なんと既に5時!
(? ゚д゚ ?)
ぎええ〜やってもた〜っっ!
この大事な日に限って・・・っっ!
超特急で、荷物をまとめてダッシュでフロントに行ったε≡≡ヘ( ´Д`)ノ
(この時の私の姿はかなり滑稽だったことと思う。何しろ髪も解いてなかった)
チェックアウトして、荷物を預けて・・・朝食分のお弁当を受け取り
(こんな時でも食べ物のことは忘れない)・・・
地下鉄の駅に猛ダッシュ!!
走りながら、なんでこんなに遠いんだ〜っ・・・と、さすがに途中からは、力つきて歩いて行った。
地下鉄に着いて乗ろうとすると、オイスターカード(デポジット制の割引カード;初乗り4ポンドが1・5ポンドになる)の残高が足りない!
初の「チャージ」とやらに挑戦・・・これがなかなかよく分からず、またしても時間をくう。
何とか10ポンド入金することができて一件落着。
急いで入り口に向かった。その時点で既に5時40分。
座っている女性の係員さんに「リバプール・ストリートへは?!(@@;)」と、聞くと・・・
すごい勢いだったらしく、たじたじとしながら右方向を指差してくれた。
転がりそうになりながら降りると、まさしく目の前でドアが閉まった・・・(TT)
次の列車は、約10分後。
これはもう無理か・・・と思った途端、向かいのホームに列車が入ってきた。
これだとどうかな?
ちょうどそこにいた人に聞くと、「行ける」ということなので、乗ってみることにした。
しかし、3駅ほど行くと止まって、どうやら「乗り換え」の指示がでているが、ぼーっとしていた私はよく聞き取れなかった(゜゜)
それで、そこにいた他の乗客に聞くと、ちょうど向かいのホームに止まっている列車に乗ればいいと言われた。
それで、乗り換えると・・・
なんと、今来た方向に戻っている!(TT)
もう絶望的だ〜・・・(´°????????ω°????????`)
がっくりきて、一つ行った駅で降りた・・・
これはもう腹をくくるしかない・・・と、やっと冷静になってきた(´・ω・`)
そしてよくよく地下鉄の路線図を見ると・・・
出発駅のハイストリート・ケンジントンと目的のリバプール・ストリートは、ちょうど大阪の環状線や東京の山手線のように、輪になっている地下鉄の中で向き合う位置の関係にあった。
つまりは右に行っても、左に行っても、辿り着くことはできる。
ただ、微妙に近いのは北に向かって走る方だった。
・・・ということは、アドバイスしてくれた人達は、みんな間違ってはいないわけだ。
どっちに行っても着くことは着くのだから・・・。
しかし、列車によっては途中から違う方向にそれるものがあり、それさえ気をつければ、だいたいどの列車に乗っても大丈夫のようだった。
気を取り直して、確実につける列車を選んで乗ると、だいたい30分くらいだったろうか?目的の駅に到着した。
時間は6時半・・・。当たり前だが、予約した6時の列車はもうすでに出ていた。
よっぽど訪問日を変えてもらおうか?ということも考えたが、もともと早目に予約したのだから、まだあきらめるのは早い。
次の列車が何時かを聞いてみた。
すると、8時16分!あと2時間近くもある。しかし、サクスマンダムには9時40分頃に着くという。
運良くバスがあれば、なんとか10時半に間に合うかもしれない。
よし!大丈夫!(?•??•?)??
安心したら、お腹がすいてきた。ユースで用意してくれた、お弁当を食べることに・・・。
中身は、クロワッサン2つにジャム・バター、リンゴ、チーズ、オレンジジュース・・・といったもの。
ここのクロワッサンは本当に美味しくて、大好きだったので、とっても嬉しかった?(?ε? )?
ひと息ついて、ネットで購入した切符を入手すべく機械にチャレンジしたが、さっぱり分からない(・・;)
システムとしては、予約した番号を指定した駅の指定された機械に入力すれば、切符が出てくるというもの。
(お金はすでにクレジットで払っている)
これは、ちょっと私には高度すぎたかも・・・というワケで、仕方なく窓口に行って聞いてみた。
すると、何だかよく分からないが「何か」が必要だと、さかんに言っている。
何だろう?(?_?)
私がまったく理解しないもんで、係員の声が次第にボリュームアップしてくる。
(しかもだんだん額に怒りマークが現れてきた)
どうやら、顧客管理ナンバーみたいなものが必要だったらしく、確かに予約した時に送られてきたメールには、それらしきものが書いてあったように思う。
しかし、私は予約ナンバーだけで何とかなると思っていたので、そのナンバーは控えてなかった。
仕方が無いので、提示できるありとあらゆる情報を紙に書いて提示した。
名前、往復の列車の時間とルート。
係員は、「まったくもう・・・(-_-;)」
という表情をしながらも、カチャカチャと機械を操作して、何とか私の情報を見つけ出して、切符を渡してくれた。
よかった〜!\(^o^)/
心から「本当にありがとう!」と言うと、何だか照れ笑いのような表情で「いいんだよ」と言ってくれた。
それにしても・・・時間と値段はネットで調べておいて、切符は窓口で買うのが一番ベストなやり方だとしみじみ思った。(今回は駅が遠かったから仕方が無かったが)
ちなみに今の私なら、 ヨーロッパ鉄道旅行
のページ(日本語)から路線検索しますけどね^^
8時16分。
2・3両くらいの小さな列車に乗り、ようやくロンドンを出発することができた。
さすがに、早朝ランニングした私は、一気に気が緩んで、1時間くらいはぐっすり眠っていた(-_-)zzz
そして、何やら後ろで争う声がして目が覚めた。
どうやら、切符を買わずに乗ったお客と車掌さんが、言い争っているようで、結局そのお客は罰金25ポンド支払わされていた。
車掌さんが去った後・・・しばらくその客はブツブツと毒づいていた。
次は私の番だった。実は私は、行きの切符は6時の切符のままだったから、少しドキドキしたが・・・(催促されたらその時はその時、、、とのんびりかまえていた)
ラッキーなことに何も言われなかった!
(多少心は痛むが・・・まあ、間違いなくその区間の料金は払っているわけだし・・・よしとしよう)
車窓は、のどかなカントリーサイド・・・
しかし、残念ながら天気はそれほどよくはなかった。雨が降らないだけまだいいかという感じ。
そして、いよいよ列車はサクスマンダムに到着した。
小さな駅で、インフォメーションもなく、周りにも情報板らしきものも何もない・・・
「どうすればいいんだ〜(;^ω^)」
と、ウロウロしていると、駅に沿った道の向こう側に立っているイギリス青年が
「どうしたの?」と、聞いてくれた。
「レイストンに行くバスを探してるんだけど・・・」と言うと、
「ああ、それならここで待っていたら、もうすぐ来るよ」と教えてくれた。
感じのいい人で、何だか荷物に見覚えがあった。
「もしかして、さっきの列車で、私のななめ前に座ってた人?」
「Yes」
私がいつも持ち歩いている登山用の赤いザックとよく似ている荷物だったから、
「登山をする人かな?」と思って印象に残っていたのだった。
そう聞くと、「今回は登山ではなかったけど、旅には便利だから」と軽く笑った。
ところで、私は、10時半にサマーヒルに着けるかどうかが、かなり心配だったので、45分を過ぎてバスが来ないので不安になって聞いてみた。
すると彼は「大丈夫!」と言うので、安心してゆっくり待つことにした。
「サマーヒルに行くつもりなんだけど・・・知ってる?」
「ああ、普通の学校とは違うおもしろいタイプの学校だよね」
彼は、レイストンのもう一つ向こうの町に住んでいて、奥さんは公立の小学校の先生をしているという。
「とっても大変な仕事だけど、彼女は楽しんでるよ。」とのこと。何だか嬉しかった^_^
そして、55分、待ちわびたバスが来た!
彼は、切符を買う時もアドバイスしてくれ、乗ってる間、今か今かと落ち着かない私に
「降りる所に着いたら教えてあげるから」と言ってくれた。
バスは、のどかな田舎道を右に左に走っていく・・・。
もうすぐだ・・・。もうすぐ・・・。
10時20分。
「このバス停で降りて、右に行くと町の図書館があるから、そこで聞くときっと教えてくれる。」と言って、
「よい旅を」と手を振ってくれた。
私は「ありがとう!」と手を振って急いで、図書館に向かった。
小さなかわいい図書館で、受付の人も親切に丁寧に教えてくれた。
「情報化社会」と言われる今の時代でも、旅をして、知らない土地、しかも田舎に行けば行くほど、情報は「人」からしか得られない。
しみじみと、困っている時の、その土地の人の親切というのは、本当に心に染みた。
そして、そこから歩いて、約5・6分。右に森を見ながら歩いて行くと・・・あった!
うっかり通り過ぎそうになったけれど、垣根っぽい塀の下の方に「SUMMERHILL」の文字・・・
ずっとずっと、来てみたかった、あのサマーヒルについに、辿り着いたのである。
時間は、10時半ジャスト・・・!
よかった〜!(≧▽≦)
さあ、どんな子ども達に会えるかな?ワクワクしながら、まずは事務室に向かった。
*当時1ポンド=約250円
(つづく)
実際の旅に役立つ情報編へは、こちら
ヨーロッパの自由学校訪問記 〜情報編〜
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