25分間の演説のキーワードは3つ、人民、強国建設、そして世代交代だった。
0字の演説で「人民」という言葉を97回も述べた。
金正恩は「人民より貴重な存在はなく、人民の利益より神聖なものはない」とし「深く頭を下げて(人民に)感謝の言葉を述べる」と述べた。高麗大の南成旭(ナム・ソンウク)教授(北朝鮮学)は「自分の存在感を知らせ、金日成(キム・イルソン)主席、金正日総書記に比べて脆弱な統治基盤を考慮したものだ」とし「自分と党を中心に団結しろというメッセージ」と述べた。
国政の目標としては「強国建設」を強調した。
金正恩は演説中、金正日時代の標語「強盛大国」を話した後、「強国建設」と訂正したりもした。
強国建設の方法論はなかった。演説では「青年」も強調された。
自分を中心にした新しい世代の新しい時代が開かれたという意味だった。
統一研究院のパク・ヒョンジュン研究委員は「『先軍』と言って軍を前に出した父とは違い、『党』を中心に経済を復興させるというのが今回の演説のメッセージ」と述べた。
対外政策に関して目につくのは「核」に一度も言及しなかったという点だ。
核と経済の並進路線を強調してきた金正恩はこの日、核に触れなかった。
その代わり「経済・国防並進」とのみ述べた。2つの解釈が可能だ。
対話の扉を開いたという肯定論だ。チョ・ソンリョル北朝鮮研究学会長は「2013年に中国の李源潮副主席が北を訪問し、国際社会を刺激する『核』という言葉を使用するべきでないと話したことがある」とし「対外関係の改善を念頭に置けている可能性もある」と述べた。
米国に対し「米帝が望むいかなる形態の戦争にも相手になる」という部分も、先制挑発はしないというメッセージという解釈が出てきた。
対内外放送メッセージが異なる点も、北朝鮮が対外関係改善を念頭に置いているという分析を後押しした。
対外用の朝鮮中央テレビとは違い北朝鮮住民を相手にした朝鮮中央放送では閲兵式(軍事パレード)に関し、「延坪島(ヨンピョンド)挑発者には無慈悲な火の雨」という好戦的な表現を使った。
しかし慎重論も少なくない。核には言及しなかったが、「核背嚢」を抱えた部隊の閲兵式があった。
米国は公式論評を保留した。金正恩としてはあえて核に言及し、米国など国際社会の批判を自ら招く必要はないと判断した可能性がある。注目すべき点は朝中関係だ。金正恩は9日午後に平壌(ピョンヤン)に到着した劉雲山中国共産党政治局常務委員との会談で朝中血盟を強調した。
10日の閲兵式行事で北朝鮮は約2万人の軍兵力を動員した。1万2000人だった先月の中国の閲兵式より規模が大きい過去最大だ。しかし装備は30種・290基ほどで、新型は少なかった。
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