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2023年11月29日

3人逮捕では廃部当然、会社でもおなじようなもの




日本大学は、アメリカンフットボール部の薬物事件でこれまでに部員3人が逮捕されたことなどを受けて部を廃部にする方針を固めました。

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目次
日大アメフト部とは

日大アメフト部のこれまでの対応

日本大学アメリカンフットボール部をめぐっては、3年生の男子部員が学生寮で大麻などを隠し持っていたとして8月に逮捕され、その後、麻薬取締法違反の罪で起訴されました。

また、4年生の男子部員が都内で密売人から大麻とみられる違法薬物を購入したとして略式起訴されたほか、27日、3年生の男子部員が密売人から大麻とみられる違法薬物を購入したなどとして麻薬特例法違反の疑いで逮捕され、これまでに部員3人が逮捕されています。

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事件を受けて大学は8月末に学生寮を閉鎖し、部を無期限の活動停止処分にしていました。

日本大学によりますと、28日開いた大学の競技スポーツ運営委員会でアメリカンフットボール部を廃部する方針が示されたということです。今後、学内の手続きを経て正式に廃部が決まる見通しです。

関東学生アメリカンフットボール連盟によりますと、日本大学アメリカンフットボール部は7月末までの時点で選手とスタッフあわせて122人が所属していて、廃部が決まれば連盟から退会することになるということです。

日大アメフト部とは
日本大学アメリカンフットボール部は、戦前の1940年に創部されました。

チームカラーの赤と「フェニックス」の名称で知られ、1959年から2003年まで40年以上監督を務めた篠竹幹夫氏の指導のもと、「ショットガン」と呼ばれるパスを多用する攻撃のフォーメーションで日本のアメリカンフットボール界を席巻しました。

そして、1978年からは学生日本一を決める「甲子園ボウル」を5連覇し、歴代優勝回数は関西学院大に次ぐ21回、日本一を決める「ライスボウル」でも優勝4回と、輝かしい実績を誇っています。


2017年 甲子園ボウル 21度目の優勝
多くの卒業生が社会人リーグのトップチームで活躍し、長く日本のアメリカンフットボール界をけん引する存在でした。

しかし、2018年、関西学院大との定期戦で起きた重大な反則行為、いわゆる「悪質タックル」をめぐる問題で指導法やチームの管理体制について大きな批判をあびて当時の監督などが辞任しました。

その後、新たな監督を公募するなどして立て直しを進め、2020年には3年ぶりとなる「甲子園ボウル」出場を果たし、今シーズンは関東学生リーグ1部の「TOP8」でリーグ戦の開幕を迎える予定でした。

日大アメフト部のこれまでの対応
日本大学アメリカンフットボール部ではことし8月5日、部員1人が学生寮で大麻や覚醒剤を隠し持っていたとして逮捕され、これを受けて大学は部を無期限の活動停止処分にしました。

8月3日 学生寮の捜索
しかし、5日後の8月10日、「個人の問題を部全体に連帯責任として負わせることは、最善の措置ではない」などとして大学が処分を解除し、練習を再開させました。

ところが、警視庁はほかの部員も大麻などを所持していた疑いがあるとして、8月22日に学生寮を再び捜索し、別の部員4人から任意で事情を聞きました。

日本大学は「もはや個人の犯罪にとどまるところではなく、大学としての管理監督責任がより厳しく問われている」などとして、8月31日付けで学生寮を閉鎖し、9月1日から再び部を無期限の活動停止にしました。

そして、10月16日には4年生の部員1人が密売人から大麻とみられる違法薬物を購入したとして逮捕されました。

その後、8月の学内の会議で逮捕された2人を含む学生11人が大麻を使用していた疑いがあると報告されていたことが議事録でわかりました。

さらに、11月になって3年生の部員1人が新たに逮捕され、日本大学のアメフト部員の逮捕者はこれまで3人に上っていました。

日大アメフト部は、関東学生リーグ1部の「TOP8」に所属していましたが、関東学生アメリカンフットボール連盟がリーグ戦への出場資格を停止することを決めたため、今シーズンのリーグ戦7試合はすべて中止されました。

日大の学生「しっかり反省 今後犯罪起きないように」
廃部される方針となったことについて危機管理学部3年の男子学生は、「今までいろいろ問題があったので、今後のことも踏まえて廃部にしたほうがリスク管理という意味で悪くないと思う。アメリカンフットボール部以外でも大学生は身近に薬物に手を出しやすい環境にある人もいると思うので、気をつけたい」と話していました。

男子学生によりますと、きのう大学側から一連の問題を受けての謝罪の手紙が届いたということで「大学もしっかり反省しているのかなと思った。今後また犯罪が起きないように期待したい」と話していました。

関東学連の対応
部員の薬物事件を受けて関東学生アメリカンフットボール連盟は、8月10日日本大学に対し当面、リーグ戦の出場資格を停止することを決め、日本大学が関係する試合が組まれた1か月前を期限としてその都度、出場の可否を判断してきました。

そして、10月27日には逮捕された部員以外の潔白が保証できないなどとして、最後の1試合となっていた慶応大学との試合も中止が決まり、日本大学が関係するリーグ戦7試合はすべて中止となりました。

日本大学のリーグ戦がすべて実施されないのは、いわゆる「悪質タックル」をめぐる問題で公式試合の出場停止処分を受けた2018年のシーズン以来です。

また、連盟は11月8日、臨時の理事会で日本大学の今シーズンの出場資格の停止と、来シーズン、関東学生リーグ1部の上位チームで戦う「TOP8」から、下位チームで戦う「BIG8」に降格させることを決めています。

大学スポーツ 過去の廃部
学生スポーツをめぐっては、これまでも部員が起こした事件をきっかけに大学の名門チームが廃部となったケースがあります。

【1999年 国士舘大学剣道部】
1999年、強豪として知られた国士舘大学の剣道部が男子寮として使っているアパートで当時、4年生の部員が1年生の部員を殴ったり蹴ったりして死亡させる事件が起き、部が解散を申し出て廃部となりました。

2年後、事件についての裁判が終わったことや死亡した部員の遺族から活動再開の要望を受けたことなどから学内サークルとして活動が再開され、その後、部として活動を再開しました。

【2009年 近畿大学ボクシング部】
2009年世界チャンピオンなどを輩出した近畿大学ボクシング部の部員2人が同じ大学の学生に殴ったり蹴ったりする暴行を加え現金を奪ったとして逮捕されました。

これを受けて、大学は部を無期限の活動停止としていましたが、事件の重大性を考慮して廃部としました。

その後、部員だった学生たちが地元の清掃活動などボランティア活動に取り組んできたことや、部の活動再開を願う署名が4万人以上、寄せられたことなどから、2012年に活動再開が発表されました。


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