465.A Hat in Time

465 SS.png



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「ハット イン タイム」のレビューです。

 ……これもプレイグテイルと同じく随分昔から草葉の陰で見守ってたタイトルなんですけどね……鬱陶しいので今後は言わないよう努力します(笑)

 さて本作は言ってしまえばかの有名なタイトル、マリオ64やバンジョーとカズーイの大冒険をオマージュした3Dアクションアドベンチャーです。
 プレイフィールは64のマリオに非常によく似ていて、HUB(お城)からそれぞれの大きなエリアへ(絵に飛び込む)、そこからタイムピース(スター)を手に入れるため様々なお題をこなす、といった感じです。

 だいたい、インディースタジオが探索ゲーを作りたいってなった時、大抵出てくるものってメトロイドヴァニアなんですよね。それはそれで面白いし好きなので否定はしませんが、ちゃんと立体を動かせる技術力のあるチームってことで、ガン見してたのがきっかけかしら。意外と少ないのよ、バンカズやマリオみたいな3Dベースの探索アクションって。

 この探索がやっぱり楽しいですよねぇ。あたりをぐるぐる見回してコレクティブルを探したり、動く足場を飛び移ってゴールを目指したり、ボス戦などの戦闘ももちろんありますが、パレードを主催したり、殺鳥事件を解決したり、見つからないようスニークミッションに勤しんだり、意外とというかかなりバラエティ豊かなミッション内容になっていて飽きさせませんでした。

 それに出てくるキャラクターもユニークでHat Kidも可愛いし、この手のゲームが好きなら一目見て気に入ること間違いなしです。

 難易度はかなり抑えめで、後ろから急かされる場面もほとんどありません(なくはない)。のんびり観光気分で各地を堪能できるでしょう。

 ただ、個人的に気になったのは、「時間」の概念に対する扱いでしょうか。
 タイトルにもある通り、Timeが重要なファクターであることは間違いないのですが、各地に散らばったタイムピースを集めたからそのエリアの歴史が変わったとか、Hat Kidが操縦する船はタイムピースを燃料にしているが特に航行以外に機能はなさそうだったり、ゲームとしてもタイムアタック推しってわけでもないし、彼女が扱う特殊能力が時間に関するユニークなもの……でもないし、あくまでお話の中での設定で収まってしまっています。
 察するに、プロジェクト発足から発売まで、紆余曲折の中で形骸化していってしまったのかなってね。
 ……昔、ヒゲの赤ずきんちゃん、なんでヒゲが生えてるのか、それがわかるエピソードがあったようななかったような……気のせいだったかなぁ。結局、彼女になんでヒゲが生えてるのかわからないんですよね(笑)
 ごくごく自然に登場するので普通に受け入れちゃってますけど。

 とまぁ、本編だけなら、このような感じで「あぁー楽しかった」でめでたしめでたしです(ラスボス戦の演出はちょっと違うよなぁとは思いますけど。あんまりです)。

 実は本作には2つのDLCがあります。
 どちらも、一つずつ追加のステージを楽しめます。非常に出来が良く、本編と同じ雰囲気で大いに楽しむことが出来るのですが……。
 その時は覚悟してくださいね(^ω^)
 今までとは打って変わって難易度が跳ね上がります。

 厳密にいうと、実績コンプリートを目指し、DLC1「Seal the Deal」内の「デスウィッシュ」というコンテンツに挑戦しようとした時、地獄を見ることになります。
 あれは……。

 あれは……、人間のやることじゃねぇ……。
 ってのは言い過ぎかな。
 ただクリアするだけでもかなり難しい調整に、更にお題が積まれてるんですけどね。本編で遊んだ64マリオステージに、かつて辛酸を舐めさせられたクラッシュ・バンディクーみたいな要素が加わり、嫌らしいデザインに改変されたような。

 ただ、抜け道はあります。設定のアシスト機能をオンにするか、デスウィッシュステージ内で3回以上失敗すると選べるようになる「平和と安寧」モードをオンにすることで格段に難易度を下げられるんですよね。体力が時間回復したり、制限時間が4、5倍延びたりといった感じです。
 ちなみにこの時のHat Kidのジト目ダンスがめちゃくちゃウザ可愛い。

 ただし、難易度を下げられるといっても、油断は禁物。もとのステージにはほとんど変更が無いので、純粋にアクションの腕が求められたり、体力自動回復が追い付かないほどの弾幕を張ってくる、今までのボスが超強化されたステージとかもあるのでかなりきつかったです。
 TAによるとガチで挑んだ場合は全ステージクリアに1か月かかるとか。
 私は1か月かけてもクリアできる気がしません(汗)

 あと一つ注意。
 実績のうち、全ての〇〇をどうこうするって実績。たとえば全てのタイムピースを集める、とか。これは、現在入手できる全て、って意味です。
 なので、DLCを導入すると母数が増えてしまうので、気にする人は注意です。

 あ、もう一つあった。
 本作の、たぶんDLCに属する実績だと思うんですが、Co-opでタイムピースを三つ集めろってのがあるんですね。
 このタイムピースは、既に取ったものや、同じステージの繰り返しではなく、初めてそのピースを獲得した時にカウントされます。
 つまり新しいデータを作りましょうってこと。
 それから、このオフラインCo-opの動作ですが、非常に不安定です。
 最初の一回は何の問題もなく遊べるのですが、一つ目のタイムピースを獲得し、二つ目のステージを選んだ時、必ずステージの正常なロードがなされず進行不能になってしまいました。
 たとえばマフィアタウンですと、エリアのロードがすっ飛ばされて、何もない海だけの世界にドボンと落とされる、といった感じです。

 対策としては、目的のステージが始まってから2Pを召喚する。ピースを獲得し、HUBに戻ってきたらゲームを終了する。以下繰り返しです。
 ゲームの終了はタイトル画面ではなく、アプリケーションの終了です。
 単発でもちゃんと内部でカウントされているので、実績自体は簡単に取得できると思います。
(たぶん、ピースを取る瞬間に2Pがいればいいんじゃないかと思います。オフラインCo-op状態だとカメラの挙動がかなり目と頭に優しくないので、可能なら必要な時だけ呼び出すといいかも)

 もともと英語版ってことは覚悟して購入したんですけど、いざプレイしてみたらちゃんと日本語ローカライズされていてすごくびっくりしました。

 そだそだ、本作には個人的に一つ不満があるのですが、それは集め物の管理がわかりにくいことです。
 本作の大目標はタイムピースを集めることで、どこでどのくらい集めたかを知るにはHUB船の中のモニターだったりステージ選択画面でわかるのですが、新しい帽子をアンロックするための糸玉や、新しいファッションアイテムを購入するためのコインはメニューを開いた自分のカバンの中だったりと、集めるべきものを一括して見られるユーザーインターフェースに統一されていないのがもどかしかったです。
 特に、タイムピースに関しては厳重に管理されていますが、糸玉やコインは、そのステージ内にいくつあるのかわからず、集め物探索ゲーとしては若干もやもやした感じが残ります。さらにもやもやを加速させるのが、その糸玉やコインはステージ中に「取ってください」と言わんばかりの存在感を醸し出しているくせに、実は集めきれる総数に対して必要数に余裕があり、だいぶ余るんですよね。だからこそゲーム内で強く集めろと誘導してこないのだと思いますが、うーんどうせだったらきっちり集めきりたかったです。


↓こちらはDLC1「Seal the Deal」のメインミッションの一つ。右下のオットセイ船長がブチ切れる前に一定以上の雑用をこなせれば実績解除。船のレイアウトを頭に叩き込み、一度に複数の雑用をこなせることに気付くまで地獄のようなミッションでした。めちゃくちゃ難しかったです。



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2021年09月04日

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