本日はこちら「ラストキャンプファイア」のレビューです。
エンバー族と呼ばれるラブリーでカワヨなキャラを操作して、テクテクちょこちょこ森のなかを行ったり来たり。希望を失って石になってしまった他のエンバー族を、パズルを解いて助けてあげると、ステージの中央にあるキャンプファイアに続々と集まり、一定数を集めると次のステージへ、といったパズルアドベンチャー形式のゲームです。
滑り台を滑り降りて、泥の中に頭から突っ込むのがめっちゃかわいい(笑)
作品としてはショートアドベンチャーで、数時間あればコンプまで楽勝です。
本作を俯瞰して、「絵本のような」と形容できます。本作の主人公に特定の名前はついておらず、全編を通してナレーションが進行を務めます。まさに、絵本や童話を読んでいるようで、鳥の鳴き声や川のせせらぎといった雰囲気と相まって非常に素晴らしい世界観を提供してくれるのですが、裏を返せば、そのナレーションやエンバー族の大義などほとんど全てが抽象的で、捉えづらい物語でもありました。
なんだろねぇ……これは、たとえば移民とか約束の地を目指して放浪する民族たちの胸中をイメージすればいいのかなぁ。
眼鏡を外して、定まらない焦点の中で常にCの向きを探してるような状態なんですが、ラブリーなキャラクターや温もりのあるステージデザインなど雰囲気は素晴らしいので、そんなふわっとした状態が逆に居心地よくもありました。
道が閉ざされ、孤独と寒さと絶望に震えて石になってしまったエンバー族がたくさんいますが、主人公の行動によりそれは救済の物語となり、全然悲壮な感じはしませんね。パズルは数分で解けるくらいの簡単すぎず難しすぎず。解き応えはあります。
ストーリーの全容は把握できないまでも、エンディングではちゃんとほっこりできて、おいしいお菓子のようなゲームでした。
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