格付理由としてR&Iは、「不振事業の赤字縮小により、車載機器や住宅設備など、注力してきた企業向けの事業に支えられ、全体として一定の利益・キャッシュフローを継続して確保できるようになってきた」と評価。
「収益力・キャッシュフロー創出力には、なお改善の余地があるが、収益基盤が安定してきたことで、財務基盤の修復が続くと予想される。このため発行体格付をAに上げた」としている。
また、「2000年代終盤以降、全体の収益の足を大きく引っ張ってきたのは、テレビやディスプレーパネル、半導体などの不振」と指摘しながら、「テレビの損益が改善している」とし、「これら不振事業の損失額は、固定費削減などの構造改革の効果により、大きく圧縮していける」との判断を示した。
R&Iによると、パナソニックは、「この先、米Tesla Motorsと連携して大規模な車載用電池工場の建設に踏み切る予定」。「企業買収などの戦略投資が出てくる可能性もあり、投資額が増えていくことも予想される」(R&I)。
格付の方向性は安定的。「さらなる信用力の向上には、車載・産業用製品や住宅設備など企業向けビジネスを一段と拡充していくとともに、消費者向けビジネスの中では白物家電の収益性を高めていくことで、全体の収益基盤を強化し、収益力・キャッシュフロー創出力を引き上げていくことが欠かせない」(R&I)としている。
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