田中投手は7月に右ひじのじん帯の部分断裂で戦列を離れてリハビリに取り組み、21日に本拠地ヤンキースタジアムのブルージェイズ戦でおよそ2か月半ぶりに先発しました。
「シーズン中に戻れた喜びはある」という田中投手でしたが、1回、最初の2人にともにアウトコースの速球をライト前に運ばれてノーアウト一塁三塁とされ、続くバッターの内野ゴロの間に1点を先制されました。味方が同点とした直後の2回にもブルージェイズの川崎宗則選手にツーベースヒットを打たれ、1アウト二塁とされましたが、その後は最速149キロのストレートと厳しいコースに落ちる決め球のスプリットなどで5回までブルージェイズの強力打線をノーヒットに抑えました。
試合はヤンキースが5対2で勝ち、田中投手は7月3日以来となる今シーズン13勝目を挙げました。
「まずはほっとしている」
復帰戦を勝利で飾った田中投手は、「まずはほっとしている部分がある。2か月以上投げていなかったなかでも制球がまとまっていたし、全体的になかなかよかったと思う。特にカーブがすごくよかったので、投球に占める割合が増えた」と振り返りました。そして、痛めていた右ひじについては、「状態を確認しながら投げていたが、けがをした7月の登板のときよりきょうのほうが全然よかったし、痛みもなかったので、イニングを重ねるごとに心配はなくなっていった。きょうはひじの状態を確認しながらも、チームの勝利を引き寄せるピッチングをしたいと思っていたが、そこはほとんどクリアできた。勝利に貢献できたのはすごくうれしい」と充実感を漂わせていました。そのうえで今後については、「あした、ひじの状態に何も問題がなければあと1試合登板すると思うが、きょう投げられたことで心配はだいぶ減るし、シーズンオフのトレーニングも問題なく、やりたいことができると思う」と話しました。
イチローは2安打、川崎は1安打
この試合、ヤンキースのイチロー選手は8番ライトで先発し、2回の第1打席はライト線へのツーベースヒット、4回の第2打席はレフト前へのヒットを打ち、2試合連続の複数安打をマークしました。イチロー選手はこのあと盗塁も決め、4打数2安打、盗塁1つ、三振1つで打率を2割8分5厘に上げました。
また、ブルージェイズの川崎宗則選手は6番サードで先発し、2回の第1打席で田中投手のインコースの速球を振り抜いてライト線へのツーベースヒットを打ち、4打数1安打、三振1つでした。打率は2割6分5厘となりました。
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