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2014年10月02日

<「ふなっしー」の謎>なぜ今、テレビでは「ふなっしー」が乱用されるのか?



筆者は「ふなっしー」に個人的な恨みを持つ者ではないが、現代のテレビマンはなぜかくも「ふなっしー」に淫してしまうのか? 中には番組内容にあまり合致しないのに無理やり出演させているというケースもある。「ふなっしーが数字を持っている。」という思い込み、というか情報が何故、多くのテレビマンの間に伝播したのだろうか?

流行ものに弱いのは最近のテレビ屋の常だ。

男女芸人・アイドルの一芸・一発芸を各局すべて朝から晩まで使い尽くす。結果、当然のように短い寿命を使い果たす。プロデューサーやディレクターが引出し上手であれば別の魅力が出すこともできる。また本当に実力のあるタレントはそこから別の芸や本領を見せて何十年と多角的活躍をする。これは芸能界の常だ。

比較すると、こんなに多用されている割には「ふなっしー」の寿命は比較的長いし、今もブッキングするテレビマンは絶えない。不思議だ。昔のテレビ番組がすべて面白かったというつもり毛頭はないが、かつては各局の矜持・意地・こだわり・色があった。また何か、人気者をブッキングするときにも、何か意味を考え、演出も考えた。

人気ものだけで面白いものが作れるというのであれば簡単で、「ふなっしー」と「ラーメンロケ」と「人気アイドル」を並べてイケメンお笑い司会者と人気美人女子アナを並べてランキング番組でもやればよいのだ。

でも視聴者はそんな制作者のそんな安易な意図をあざ笑うかのように全く反応しないこともある。こんなとき、我々をあんなに苦しめていた視聴率が神の鉄槌(てっつい)を下すこともある。また最近の各局のテレビ番組は相互に似てきているという現象が起きている。

原因は色々あるが、テレビがある種の成熟産業になってしまったからだろうか。誰がどう考えてもコミック産業の方が玉石混合だが多様性がある様に思える。どうにかしなきゃ。

ちょっと考えるに、我々は「ちょっと一見わかりにくいが何故か、死ぬほど面白い。興味深い」ものを生み出してゆくべきなのではないか? 予測不可能で曰く言い難いが物凄く心に触れ、面白いものが世の中を制覇してゆくような気がする。

何もない無限の荒野に城を建てるように、世界中で面白いものを捜し回り、歩き疲れたのちに見つけた驚くべきものを披露するように、真っ白な人間に色々な訓練を施して未知の持ち味を引出し恐るべきスターに育てるように。

そうなのだ。

テレビ屋も「ふなっしー」を使って帰りに居酒屋で飲んでるようじゃ、危ないんじゃないか。演出家が演出放棄したら終わりだよ。筆者は「ふなっしー」が決して嫌いなわけじゃないんだけれど。
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