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2014年10月13日

<日露対話>再開へ2段構え 大統領訪日目指す



 ASEMでの非公式会談は短時間にとどまる可能性が高いが、今年2月のソチ冬季五輪に合わせた首脳会談以来、6回目の会談となる。首相は11月10、11両日の北京APECでの再会談を確認したい考えだ。

 首相が2段構えの会談で目指すのは、ウクライナ情勢の悪化に伴い中断した日露間の交流再開だ。首相は北方領土問題の進展や台頭する中国に対抗するため、対露関係を重視してきた。しかし、ウクライナ情勢を巡ってロシアと主要7カ国(G7)の対立が深まる中、4月の岸田文雄外相の訪露は延期され、8月末の日露外務次官級協議もロシア側が取りやめを通告した。今秋に予定されたプーチン氏の訪日も、延期が確実な情勢となっている。

 こうしたなか、首相は9月10日に、訪露した森喜朗元首相を通じてプーチン氏に親書を渡し、自ら状況打開に動いた。プーチン氏の誕生日の今月7日には、趣味の釣り具を贈呈。ASEM、APECと2回の会談を続けることで対話を着実に前に進め、プーチン氏の訪日実現に向けた条件整備を進めたい考えだ。外務省幹部は「2段構えの会談を次につなげることが大事だ」と強調する。

 ただ、9月のウクライナ政府と親ロシア派武装勢力の停戦合意は守られる様子が見られず、米欧とロシアの対立は深まる様相だ。首相は2回の会談でウクライナ情勢の平和的解決をロシア側に要求する方針。「対話による解決」の重要性を示し、G7側の理解も引き出す戦略だ。それでも日露接近に米欧が厳しい視線を向ける可能性があり、難しいかじ取りを迫られそうだ。
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