もうこれは観なくてはならぬと思い、
花粉症をおしてマスク装着、IHADA噴射の完全防備で
街に出て観てまいりました。
岡崎京子の「リバーズ・エッジ」といったらもう、ド世代でして
ほとんどCUTiE連載時のリアルタイムで読んでた気がします。
単行本も持っていて何度となく読んでいました。
もう90年代の「あの」空気感=リバーズ・エッジ
というぐらい、
息苦しいほどに90年代の空気を映し出した作品だったように思います。
私の日常はもっともっと呑気だったので
作品の内容をリアルに感じた、というよりは本当に「空気感」でした。
なので、最初映画で「リバーズ・エッジ」をやるって聞いた時は
「え。なんで?今頃?」って思いました。
ハルナが二階堂ふみかぁー、へーーー。
ぐらいで、あまり観る気もなかったのですが。
それが変わったのが小沢健二のシングル
「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」を聴いてからです。
(このくだりはまた長くなるので、そのうちまた書けたら書きます)
この曲があの物語でどう流れるのか観てみたいと思いました。
そして、観た感想を以下、書きます。
(ややネタバレかもです)
まず、私がどれぐらいに漫画「リバーズ・エッジ」を読み込んでいたかを
思い知らされて、びっくりする。
単行本は実家においてあるので、数年読んでない。
というか、最後にいつ読んだかも覚えてないのに、
「あ、このセリフの次はあのセリフがくるな」
「ここはちょっと言い回しが違うんだ」
「あれ、ここはあのレコードじゃないんだ」
とか、
ぶわーーっと漫画が蘇ってくるのです。
また、脚本がものすごく漫画に忠実なので
ほぼほぼセリフもそのまんま。
何だか、不思議な感じでした。
映画を観ながら漫画も読み直しているような?
うまく言えないのですが。
そうなってくると、まざまざと感じてしまうのが
岡崎京子の原作の凄さ、でした。
あのラフな線で表現されていた世界観が
ほとんどそのまま映画、というぐらいに完成度が高かったんだなぁって。
そして、もう一つ驚いたのが、
漫画の登場人物のトレースぶり(っていうのかな)。
特に、主演のふたり!
二階堂ふみの立ち姿が、
フッと漫画のあるカットのハルナの線を思い起こさせることが何度もあって。
ハルナが二階堂ふみ???って思ってたんだけれど
顔もなんか、岡崎京子の漫画の世界のひとに段々見えてきちゃった。
山田くんも、あまりに漫画から抜け出たみたいで驚いた。
ふたりとも目線の動かし方とか、体の線がある瞬間、
漫画の一コマをそのまんま移したみたいに見えて
「どうやったらそんなことできるんだろ??」って思いました。
あと岡崎京子の描く顔って二重の幅がすごく太い時があって
こんな日本人おらんだろ、って思うんだけど
映画の中のハルナや山田くんや吉川さんは
表情でそういう顔になってた!
役者さんって本当にすごい。
この映画の企画がそもそも二階堂ふみさんの発案だったらしいのだけれど
若い彼女がなんでこの作品にそんなに思い入れがあったのか
聞いてみたいな。
物語じたいは、もう原作そのまんまだったので
ちょっとそのまんますぎて拍子抜けでした。
ある画面だけ、原作にないものだったのですが、
うーーーーん、どうかなぁ。
あれは私はちょっとよく分からなかったな。
DVDの特典映像みたいで・・・。
90年代のファッションとかは懐かし過ぎて胸打たれました。
ハルナの友達の女の子がやってた重ね着の感じなんて
「ぎゃーーー!やってたやってた・・・」
と思ったし。
携帯なんて普通になかったし、みんなよくタバコ吸ってたねぇ。
はぁ・・・私は90年代の空気感って大好きだけど大嫌い!
懐かしい青年期を過ごした大切な時代だけれど
今は今で良かった、
なんて改めて思いました。
・・・というのは面白かったし、観てよかったけれど
今回は岡崎京子の漫画の凄さを再確認したことと
小沢健二の「アルペジオ」が作られたことが
最高のことでした。
ラストシーンに「アルペジオ」のイントロ
(それこそ)アルペジオが流れるところ、
よかったなぁ。
リバーズ・エッジ
アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)
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