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posted by fanblog
2018年07月26日
【紹介】ぼくと未来屋の夏
とおの です。
今回紹介するのは、はやみねかおる夏休み3部作の1つ…… ではありませんが!
海岸沿いの小さな町を舞台にした、夏休みの冒険ミステリ。
「ぼくと未来屋の夏」 です!
まずタイトルから、心をぐわしと、つかまれますね。
未来屋 ですって。 夏 ですって。
作品リストでこのタイトルを見て、青い鳥文庫版が出るまで、どんな内容なのか、気になっていました。
しかもイラストは、「恐竜がくれた夏休み」でもタッグを組んでいる、 武本糸会さん !
(武本さんの画風、自分の目指すところに近くて、好きなんです……)
新しい表紙も、かわいらしくて爽やかな雰囲気で、素敵です。
では、行きましょう!
基本情報
タイトル:ぼくと未来屋の夏
作:はやみねかおる
絵:武本糸会
発行日:2013年6月15日
出版社:講談社
あらすじ
夏休み前日、「未来を知りたくないかい?」と未来を売る「未来屋」の猫柳(ねこやなぎ)と出会った風太。この出会いから奇妙な夏休みがはじまった。風太の住む髪櫛町(かみくしちょう)には、こどもが消えるという「神隠しの森」、「人喰い小学校」や「人魚の宝物」など、不気味な伝説がたくさんあって!? 「神隠しの森」を自由研究のテーマにした風太に謎が立ちはだかる!? ドキドキの夏休み冒険ストーリー!
(裏表紙あらすじより引用)
コメント
わたしは、アクセシビリティの点から(=オムニバス本が図書館にあったから&青い鳥文庫GOGO!で先に出たから)、派生作品の 「少年名探偵WHO」 2作を、先に読んでしまっていました。
なので、これを読んではじめて、「WHO」の元ネタが分かり、ニヤッとしました。
正規ルートとしては、「未来屋」→「WHO」です。
でも体験談として、 どっちから読んでも、楽しめますよ! ということだけ、書いておきますね。
えー、本編ですが、さすがの、はやみねさんであります。
文章のテンポのよさ が、並じゃないです。
間合いがよくて、言葉がよくて、ぐんぐん読み進められます。
それでもって、この「未来屋」は、他と比べて、主要人物(風太くんと猫柳さん)の かけ合いが高度 ……な、気がします。
お互い、 暗に相手をdisる! のが、特徴的です。
風太くんは小6にしていろいろと達観していますので、そのせいもあるのでしょうか。
2人のやりとり−−日常的なものも、シリアスなものも−−一つひとつに、魅力があります。
まさに、 文章が面白いとはこういうこと……!
あと、猫柳さんの、 「確実な未来を売る」未来屋という職業柄、 かなり現実的 なお話です。
自由研究として、髪櫛町の伝説の謎解きにチャレンジする風太くんの推論を、猫柳さんは、 「現実的じゃない」と否定しまくります。
「未来を見とおす」ことは、確実な答えを導きだすという点で、「過去の謎を推理する」ことにつながります。
そう、未来屋が、 さながら名探偵 のようなのです。
(ちゃんと、未来も売りますけどね! 100円で!)
常に、風太くんの先を見ている猫柳さん。
読みながら、某迷探偵に重なる部分があるなあと、ときめいてしまいます。
力説ポイント
第一には、 風太くん ですね!
考えがやけに冷めてて大人っぽいのに、時折おバカで素直で、やっぱり小学生だな……と思わされる、いい性格をしています。
言うなれば、 「マチトム」の内人と「夢水」の亜衣ちゃんを足して2で割ったぐらい……?(あっ、この2人中学生だ)
風太くんにだけ雑に接する猫柳さんに、自転車から落とされたり、女子高生を優先されて雨の中放置されたりと、かわいそうな扱いを受けるのですが、それを しっかり恨んでいるのが、ほほえましいです。
基本的に、猫柳さんは嫌い。
でも、 本当はすごく信頼しちゃっているツンデレな感じが、たまりませんね。
あと、「冒険ストーリー」と銘打っているだけあって、 冒険要素 がワクワク!
前半は、図書館や、駄菓子屋や、小さな沼でのザリガニ釣り、秘密基地、学校主催の肝試しなどなど、夏休み感で満載です。
一方、後半の舞台は、 夜の森、 墓石から入る地下道、そして 高台の、お化け屋敷みたいな洋館!
自分の町でも、こんな冒険できたらなあ、って、思ってしまいます。
で、この冒険のおともに、風太くんに連れていかれる 飼い犬のポチ が、またイイ味だしてまして。
なんせ、この子がいなければ「ぼくと未来屋の夏」は成立しない!
見てください、表紙、センターですよ!(違う)
コホン。
このポチは、風太くん曰く、誰にもなつきません。もちろん、風太くんにも。
だから連れて行っても、 全然いうこと聞かないし、飼い主おいて逃げちゃうし。
問題起こすだけ起こして、自分はのんびり寝ちゃうような、わんこなんです。
なかなかに強烈なキャラだと思います。
「WHO」にも出ないかな、ポチ……。
なんて思いましたが、WHOは名探偵だから、風太くんのように振りまわされては困りますね。
今回の木口
楽天さんはこちら↓
あっ、最後がポチの話になってしまいました笑
始終面白くて、同時に、伝説の真相や猫柳さんの言葉から、要所要所考えさせられるお話です。
夏休みの読書に、いかがです?
それではまた!
とおの でした。
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