近年大手ハウスメーカーや工務店などで 「ZEH」 を売りに住宅を販売しているケースが多くなりました。
買い手の立場からすると 「ZEHって聞いたことあるけど何なの?」 という方がほとんどです。
これから新築を考えている方は知っておくべき情報でしょう。
今回は 「ZEH] についてご説明させていただきます。
ZEHとは?
※わかりやすくするために砕いた表現をしています。
ZEHとは Net Zero Energy House (ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略で, エネルギー消費量が正味ゼロの住宅を指します。
ここでのエネルギー消費量とは「電気の使用量」と考えてください。
正味ゼロというのはプラスマイナスゼロと言う意味です。
簡単に言うと太陽光発電などのシステムを導入し,実際に使用する電力量よりも多く発電すれば良いということです。
ZEHはなぜ出来たのか?
そもそも近年ZEHが注目され,建てられるようになったのはなぜなのでしょうか?
それは国が二酸化炭素の排出量を削減させるためにZEHの普及に力を入れ始めたからです。
国の目標として
・2020年までにZEHが占める割合を50%以上にする
・2030年までにZEHが占める割合を100%以上にする
・2030年までにZEHが占める割合を100%以上にする
と掲げています。
随分急な目標を掲げましたが果たして目標達成できるのでしょうか・・・。
大手ハウスメーカーなどがZEHの普及に取り組んでいるもののまだまだ普及していないのが現実です。
ZEHにするには?
ZEHの住宅を建てる,リフォームするには高断熱,省エネルギー,太陽光発電などの設備導入が必要となってきます。
性能が良い物を使用する分コストも勿論高くなります。具体的には設備導入費150万〜300万といったところでしょうか。
ZEHには補助金の制度がありますが,補助金をもらう際には外皮計算やBELS(性能表示制度)といった細かい計算が必要となってきます。
大手ハウスメーカーなどではZEH補助金専門の部署を設置したりと簡単に建てることが可能ですが,小中規模の工務店等で建てる場合は断られるケースも多いです。と言うのも複雑な計算が必要となってきたり,正直面倒だからです・・・。
補助金申請を希望する場合はまずZEHビルダー・プランナーに登録されているかを確認しましょう。
注文住宅,建売住宅共に 「ZEH仕様」の言葉には注意が必要です。
以前私のお客様で「ZEH仕様の建売を○○で購入したのに補助金対象ではないんです。」と言った方がいました。
というのもそのZEH仕様はあくまで「ZEH基準以上の断熱材を使用しています。」ということらしいのです。
つまりその住宅の断熱材がZEH基準の物を使用しているだけであって,ZEHではないんですね。詐欺じゃ・・・(笑)
購入をする際は注意すべき点ですね。
新築住宅を考えている方は色々なメーカーの見積もりをお勧めします。
ZEHのメリット・デメリット
ZEHのメリット
?@太陽光発電によりランニングコストを抑えることができる。
これがZEHにする一番のメリットとも言えます。ランニングコストを抑えられるどころか売電によって(発電した電気は契約を交わして売ることができます。)収支がプラスになることもあります。初期投資が高くなるので懸念しがちかもしれませんが,長い目で見れば大いに得になるでしょう。
?Aヒートショック防止になる
高断熱住宅により室内の温度変化が小さくなります。断熱性能が悪い家は冬場にトイレや浴室に行くととても寒いですよね。室内温度の急激な変動で起こるのが「ヒートショック」です。
ヒートショックとは急激な温度変化により血圧が急変し,脳卒中や心筋梗塞などを引き起こすことがあります。日本ではあまり浸透していませんが,実はヒートショックによる死亡数は交通事故死傷者数の約4倍と言われています。
?B補助金が貰える
ZEHの住宅を建てたり,リフォームする場合には補助金が貰える場合があります。初期投資にお金がかかる分もらえるものはもらった方が良いですよね。補助金が出ればあきらめていたカーポートや設備のランクアップも・・・。
ZEHのデメリット
ZEHにするデメリットはやはり設備等の導入コストがかかることでしょう。
導入する機器が多い分メンテナンスコストもかかります。
それ以上にZEHに対応している工務店等がとても少ないように感じます。
地方の小さな工務店等はZEH仕様に慣れていない他に申請まで手が回らない場合が多いです。
私の会社もそうですが,最初の申請にはえらく時間がかかりました。書類不備があったり計算が間違っていたり・・・。
正直手数料として補助金を全てもらいたいくらいでした(笑)
まとめ
ZEHについてお分かりいただけたでしょうか?
私的にはこれからの住宅はZEHにして行くべきだと考えています。
初期費用が300万円高くなってもその分メリットがたくさんありますから。
私自身そうですが,最初に直接工務店や展示場に行くと断りづらくZEHをお考えの方は無料の資料請求や見積もり依頼で坪単価いくらくらいになるのかを知っておいた方が良いかもしれません。インターネットって便利ですね(^◇^)
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