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【海江田万里の政経ダイアリー】2018.3.22号 ５分でわかる森友問題の真相

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☆ ５分でわかる森友問題の真相 ☆

●この話は、平成２５年６月に森友学園の籠池氏が、小学校用地と
して国有地を買い入れたいと近畿財務局に申し出たところから始ま
ります。ところが、森友学園には国有地を買い入れるだけの資金が
なく、８月には、鴻池参議院議員（鴻池議員は麻生財務大臣の最側
近）の秘書を使って、「貸付を受けたい」との陳情を行っています。
当初、近畿財務局は、「大阪府が小学校設置の認可が下りていない
から、そちらが先だ」と当然の主張をしています。そこで、籠池氏
は、大阪で力がある維新の会の衆議院議員などに働きかけを行いま
した。

●事態が動き出したのは、平成２６年４月に安倍昭恵総理夫人が、
森友学園を訪問してからです。６月には、近畿財務局は、貸付の問
題についても、「売り払いを前提とした貸付について協力」と「豊
中市に対して財務局が、開発の手続きが可能になる『承諾書』を提
出する」と約束しています。
また、維新の議員の働きかけが奏功したのか、大阪府は平成２６年
１２月に開かれる『私立学校審議会』で、諮問できるよう事務を進
めると約束します。
近畿財務局は、土地の貸付に際しての貸付料の計算を行い。その内
容を平成２７年１月に森友学園に伝えます。

●籠池氏は、この金額に不満を抱き、平沼赳夫議員、鳩山邦夫議員
の秘書などに「貸付料が高すぎる何とかならないか」との要請を依
頼します。国有財産近畿地方審査会は、土地の貸付期間を１０年の
事業用定期借地にすることを決定、学園に通知します。
資金的に苦しい立場にあった籠池氏は何とか貸付料が安くならない
かと考えます。その一つが、払い下げを受ける土地の地盤が軟弱地
盤であるとクレームをつけることです。
地盤が軟弱であったかどうかについては、改ざん前の文書では
「地質調査会社に意見を求めたところ、特に軟弱であるとは思えな
い・・・・」との記述がありますが、国会に提出した文書では、
この部分が削除され、国会では佐川理財局長（当時）が「軟弱地盤
であった」と答弁しています。

●貸付料を安くするもうひとつの方法は、貸付期間を長くすること
です。こうすれば、毎年の賃料が軽減されます。この点については、
安倍昭恵総理夫人が、２７年１１月に夫人付きの公務員に依頼して、
財務省本省の理財局国有財産審理室長に「定期借地の期間を５０年
にできないか」と問い合わせ、というより依頼を行っています。
国有財産の処分は、売却が原則であり、特例的に１０年の定期借地
にしたものを更に５０年にするなどということができるはずもあり
ませんから、断りの通知をしました。安倍総理は、このことを以て
「昭恵が関与していなかったことの証左だ」といっていますが、
この時点で、明らかな財政法違反を財務省の官僚がするはずもあり
ません。しかし、夫人付の公務員が、財務省本省にＦＡＸを送信し
たことが、大きな圧力になっていたことは容易に想像がつきます。

●平成２８年３月になって、籠池氏は、これまでの期間１０年の
定期借地の方針を覆し、土地を購入したいとの申し出を行います。
申し出の日付は３月２４日。実は、このおよそ２週間前に、籠池氏
側から「敷地内に大量の廃棄物が発生した」との連絡があります。
「廃棄物が発生した以上、土地は安く買いたたける。借地にするよ
り買ったほうが得だ」との計算が働いたのでしょう。

●森友学園に定期借地で貸し付ける予定の土地は、元々は田、及び
沼地で、昭和４０年代に宅地化され集合住宅が何軒か建っていまし
た。ですから生活ゴミやガス管、水道管などが埋設されていたこと
は明らかですが、籠池氏が主張するような、地下３メートル以下
９メートルに及ぶ深さまで大量の産業廃棄物があったかどうかは、
大いに疑問があります。
問題は、どの位の量の廃棄物が、どのくらいの深さにまで埋まって
いるのかという点と、その廃棄物の処理をどちらの負担で行うかで
す。廃棄物の処理は本来でしたら、売る側の国土交通省航空局が行
わなければならず、そのためには予算措置が必要です。平成２８年
３月末では、数日後から始まる平成２８年度の国土交通省予算には、
当然この費用は計上されていません。予算がなければ２８年度中に
ゴミ撤去ができません。ここで籠池氏は、「平成２８年６月には学
園の棟上げ式をやる予定だ。そこには安倍昭恵夫人も来て餅を撒く
のだ。棟上げ式がこの日にできなかったらどうするんだ」と財務局
と航空局にクレームをつけます。そのときの籠池氏の凄んだ様子が、
音声データにも残っています。

●慌てた航空局は、分かりやすく表現すると「そちらでゴミを撤去
していただければ、そのぶん売却価格を値引きします」と発言しま
す。
この場面で籠池氏は内心、ほくそ笑んだに違いありませんが、その
思いを顔に出すことはなかったと思われます。
あとは、一瀉千里に、ゴミの撤去費用を過大に見積もって、結果的
に国有地をただ同然の価格で買い取る交渉に入ります。つい先日
（３月１９日）国会に提出された財務省の決済参考メモには「棟上
げ式までの工程に与える影響を最小限にする方策を検討する」と
安倍昭恵夫人が出席する棟上げ式を大いに意識していたことが伺え
ます。航空局が、その後やったことは、ゴミの埋蔵量を第３者機関
に調べてもらうのではなく、あろうことか森友学園の工事にあたっ
ているＦ工業に依頼したことです。このゴミの埋蔵量の調査に当たっ
た作業員が「多めに報告するように学園側から強要された」との新
聞報道があります。「泥縄＝泥棒を捕まえるのに、その縄を泥棒に
作らせる」との表現が適切でしょう。

●３月２７日には衆・参議院で佐川前理財局長の証人喚問が行われ
ます。この喚問の焦点は、佐川氏が，何のために「公文書改ざん」
という民主主義の基盤を覆す罪を犯すようになったのかにあります
が、「刑事訴追の恐れがある」ことを理由に、真相を話さない可能
性があります。私は、国会に真相解明のための特別委員会を作って、
安倍昭恵夫人など必要な人物の証人喚問を含め、腰を据えて真相を
明らかにする必要があると考えています。

衆議院議員 海江田万里

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