勘違いしないように日本は徹底的に経済制裁を韓国に対してする必要がある。
どのみちGSOMIAからは離脱できない韓国の足元をみることが日本の外交の役回りだ。
Yahoo!より、
GSOMIAと輸出管理を「リンク」させた韓国の手練手管
11/25(月) 18:00配信 日経ビジネス
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191125-59303419-business-kr&p=5
南北の首脳会談も開いていません。北朝鮮は米朝首脳会談を望んでいます。ならば、昨年6月に米朝首脳会談を行った時のように、その前に南北首脳会談を開いて韓国を引き付けておけばよかったのです。
さらに8月16日には「まれに見るほどずうずうしい」と罵詈(ばり)雑言を浴びせさえしました。前日に行われた光復節の式典で文在寅大統領が行った演説を批判したものです。米韓合同軍事演習をしつつ南北融和を呼び掛けたことに怒りをぶちまけました。
よって、今の南北関係はゼロの状態。文在寅大統領に「今の状態を壊したらもったいない」と思わせることができる条件作りを北朝鮮はしていなかった。もし金剛山観光を魅力的なものにすべく実務者協議を進めていたり、南北首脳会談を開いたりしていたら、文在寅大統領は本当のジレンマを感じていたかもしれません。
—北朝鮮が不愉快に思うのを承知でGSOMIAの継続を決めたのは、北朝鮮を振り向かせる意図もあったのでしょうか。しつこく迫られると逃げたくなるけど、そっぽを向かれると追いかけたくなる、とよく言います。
武貞:それはないでしょう。文在寅大統領の北朝鮮に対する思いは非常に素朴です。屈折していない。日本に対してと異なり、手練手管を弄(ろう)することはありません。
ただし、GSOMIA延長以降、文在寅政権は北朝鮮に誤解されないように工夫をすることはあるでしょう。日米韓の軍事協力を拡大する意図がないことを示したり、歴史問題で日本に対して強硬手段を取ったりする可能性があります。輸出管理の厳格化措置を撤回する期限を切ってくるかもしれません。例えば「3カ月以内に、グループAリストに再び載せるように」と迫るとか。
●韓国がGSOMIAを継続する「価値」を日米が釣り上げてしまった
—そうなると懸念が生じるのは徴用工問題ですね。どのような進展が想定されますか。
武貞:日本は1965年に結んだ日韓請求権協定に基づき「補償を求める元徴用工には韓国政府が応ずる」と主張しています。韓国がこれを受け入れることはないでしょう。
同協定によっても個人の財産・請求権は消えてはいない、というのは日韓共通の理解です。しかし、日本は有償無償合わせて5億ドルの経済支援を供与することで、両国およびその国民の間の請求権に関する問題は「完全かつ最終的に解決された」との立場。不満を持つ韓国民の面倒は韓国政府が見るべきだという立場です。
これに対して文喜相(ムン・ヒサン)国会議長が11月に入って、民間が主体となる財団を設立して解決する案を提示しました。日韓の企業と国民が寄付をして財団を設立する。この財団が運営する基金から、元徴用工に慰謝料を支払う、というフレームワークですね。韓国が一方的に解散した「和解・癒し財団」*に対して日本が拠出したお金の残りも、新たに設立する財団の基金に充てる。 *慰安婦問題をめぐる2015年の日韓合意に基づき設立された
この財団の提案から見て取れるとおり、韓国政府が関与主体となって元徴用工に補償をすることはないと思います。
—直近で問題となるのは、韓国大法院(最高裁)に賠償を命じられた日本企業が保有する資産の現金化です。
武貞:「日本が現金化にクレームをつけるならばGSOMIAを破棄する」と主張してくるかもしれません。
日本の保守政治家や一部のメディアが米国の期待を慮って、韓国がGSOMIAにとどまることの価値を上げてしまったのです。韓国が「GSOMIAにとどまるよ。その分、反対給付として〇〇してね」と要求できる構造を作ってしまった。
●GSOMIA維持は米国のメンツ
—実際のところGSOMIAの価値はどれほどなのでしょう。韓国がGSOMIAの破棄を言い始めた今年8月、政府高官は「日本への影響は、そんなにないだろう。日米で安全保障分野の連携はしっかりできている」と話していました。
武貞:よく懸念されるのは、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した場合、そのブースト段階の情報を入手できるか、ですね。韓国の方が日本より北朝鮮に地理的に近いのでデータを入手しやすいからです。しかし、この情報は米国の早期警戒衛星が得たものを入手できます。
脱北者が韓国にもたらす情報を重視する声があります。しかし、これも常に大きな価値があるわけではありません。大半は古い情報です。かつ、金銭目当てに大したことのない情報を売りつけてくる脱北者も少なくありません。私もこうした人物に接触され難渋した経験があります。
実際のところ日韓は2016年にGSOMIAを結んでからの3年間で30数回しか情報を共有していません。それも、トップシークレットではなくレベル2以下のものばかりです。
—そのGSOMIAを継続させるべく、米国の政府や軍の高官が相次いで訪韓しました。11月15日はエスパー米国防長官がソウルを訪れ、韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相にGSOMIA維持を求めました。米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長も相前後して韓国軍の朴漢基(パク・ハンギ)合同参謀本部議長と接触しています。 米議会上院も11月21日「北東アジアとインド太平洋地域における米国の利益を守るため死活的に重要だ」との決議を全会一致で採決しました。 GSOMIAに実質的な価値がないとすると、米国はその維持になぜここまで懸命になっているのでしょう。
武貞:それは主に米国のメンツです。日韓間でGSOMIAが破棄となれば、米国が主導し、日本と韓国を従えて作る東アジアの防衛体制が不完全なものになることを意味します。インフォメーションシェアリングは防衛協力のカギをなすものですから。
武貞:こちらも、メンツが大きな要素です。これまでは米国、英国、ドイツ、フランスなどと並んでグループAリストに載っていたのが、はずされてしまった。それも、輸出品(韓国にとっては輸入品)がその後どこに行ったか分からず安全保障上の懸念があるという理由です。韓国にとってはメンツ丸つぶれです。
ただし、韓国は宿題を抱えています。貿易とは直接関係ありませんが、次のような話を耳にします−−日本の排他的経済水域(EEZ)内で違法操業している北朝鮮の漁船を韓国の軍艦が見守っている。GSOMIAを継続したとはいえ、依然として南北融和を最優先する文在寅政権が抱える構造的な問題です。今後も、問題が起き続けるでしょう。
●文在寅大統領が胸に抱く在韓米軍不要論
—最後に、米韓同盟と在韓米軍の位置づけについて伺います。GSOMIAを破棄しないよう米国が韓国を説得する過程で、在韓米軍の一部撤収を持ち出したため、文在寅政権は仕方なく応じた−−との見方があります。南北融和を最優先する文在寅大統領にとって、在韓米軍の一部撤収は説得材料にはならないのではないでしょうか。 昨年9月に南北は軍事分野合意書を交わしました。韓国はこの中で、大幅な“緊張緩和措置”に合意しています。例えば、非武装地帯にある監視所の試験撤収、軍事境界線の上空での飛行禁止区域の設定などが盛り込まれました。米国政府と十分な調整をすることなく韓国が一方的に進めたこともあり、マイク・ポンペオ米国務長官が韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相を強い言葉で非難したとされています。
武貞:文在寅大統領は長期的には在韓米軍を少しずつ縮小し、最終的には撤収となることを期待しているでしょうね。同大統領は、南北融和を進めて南北経済を統合できれば、在韓米軍が撤収しても北朝鮮は攻めてこないと考えています。
文在寅大統領は進歩派である廬武鉉(ノ・ムヒョン)大統領(当時)の後継です。廬武鉉氏は2007年10月に平壌を訪れ金正日(キム・ジョンイル)総書記と会談し「10.4宣言」を出すなど南北融和に努力しました。その廬武鉉氏「自国の安全を外国の軍隊に依存する国がどこにあろうか」とよく口にしていました。この発言に対して米国は激怒しました。
廬武鉉氏はその延長で、在韓米軍の縮小を求めるとともに、「韓国は北東アジアの安全保障においてバランサーになる」という構想をぶち上げたのです。日本、中国、ロシアともバランスをとって防衛協力を行い、米韓同盟のウエイトを相対的に下げる内容です。これを作成したスタッフがいま文在寅大統領のブレーンになっています。
ただし、文在寅大統領は今すぐにこれを進めるわけにはいきません。韓国はいま保守と進歩の分断状態にあります。その保守勢力は在韓米軍の存在を非常に重視している。野党・自由韓国党の黄教安(ファン・ギョアン)代表がGSOMIA破棄に反対してハンガーストライキをしたのはその表れです。
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