〈1〉ゲームの時間や頻度などをコントロールできない
〈2〉家庭、学校、職場など日常生活に大きな問題が生じても、ゲームにのめり込む
〈3〉こうした行動が1年以上続く)
ゲーム依存症は「精神疾患」...WHOが分類改訂 〔読売新聞〕
世界保健機関(WHO)は25日、
スイス・ジュネーブで開かれている年次総会の委員会で、
オンラインゲームなどにのめり込み、
生活や健康に深刻な影響が出た状態を
「ゲーム障害」(ゲーム依存症)と呼び、
精神疾患と位置付ける「国際疾病分類」を正式決定した。
国際疾病分類は病気の調査・統計に関する国際的な基準で、改訂は29年ぶりとなる。
ゲーム依存症は、アルコールやギャンブルなどの依存症と同様に治療が必要な疾病となる。
WHOの診断基準では、
〈1〉ゲームの時間や頻度などをコントロールできない
〈2〉家庭、学校、職場など日常生活に大きな問題が生じても、ゲームにのめり込む
〈3〉こうした行動が1年以上続く——などの状態は依存症の可能性がある。
WHOは昨年6月、国際疾病分類の改訂案を公表し、
各国政府や専門家から意見を募った。
正式決定を受け、2022年1月に発効する見通しで、
ゲーム依存症の実態把握が進むことが期待される。
欧州の調査会社によると、
世界のゲーム人口は推計で約23億人。
WHOは2〜3%が依存症の恐れがあると試算する。
国内の関連学会は今後、
新しい基準に基づき正確な診断ができるよう、
手引を作成する。
国立病院機構・久里浜医療センター(神奈川県)の樋口進院長は
「国内にゲーム依存症を診断・治療できる医療機関はまだ少ない。
国は、予防も含め積極的な対策を検討してほしい」と話す。
ゲーム依存症などの啓発活動を行う
民間団体「エンジェルズアイズ」の遠藤美季代表は
「今の子どもたちは、ゲーム機でもあるスマートフォンに幼い頃から触れており、
スマホとの付き合い方を社会全体で考えるべきだ」と指摘している。
(2019年5月27日 読売新聞)