「高層ビルに出る幽霊!」は、特命課の紅一点として、6年半にわたってレギュラー出演した 高杉幹子婦警ことカンコ(関谷ますみ)が主役を務めた回で、特捜最前線で時々放送されたホラーっぽいストーリーです。
亡霊に追い詰められるカンコ
特命課は、神代課長はじめ、刑事たち全員が連続殺人事件で出張しており、カンコは留守を任されていました。そんな時、ビル内の一室で不審な男女が抱き合っているのをカンコは目撃してしまいます。
警察の寮に戻ったカンコのもとに「小学校の屋上に来い」という女からの電話が入ります。カンコが向かうと、女は 「あなたを怨むわよ」と言いながら、胸にナイフを突き刺し、屋上から飛び降りたのです。
カンコが所轄署員とともに現場に戻ると、女の死体は姿を消していました。事件後からカンコの前に、たびたび女が亡霊のように現れ、次第にカンコは精神的に追い詰められていきました。
ドラマの前半は、カンコが女の亡霊に悩まされるというホラー仕立ての展開。しかも、女が消えた謎を解くため、屋上から飛び降りて確かめようとし、おやっさん(船村刑事)から怒鳴られる場面も。
そんなカンコの姿を見て、叶刑事(夏夕介)が解明に乗り出します。飛び降り自殺も亡霊も、劇団出身の女が仕掛けたトリックだったと見抜き、カンコの話が事実であったことを立証したのです。
ドラマの中で、カンコは 「私は婦警だ」と何度も口走ります。カンコを単なる内勤警察官としてではなく、エリート集団である特命課の一員だということを印象付ける作品になったと感じました。
関谷ますみさんが体当たりの演技
カンコの亡霊騒動と、特命課が追う連続殺人事件は密接なつながりがあったのですが、ここではストーリーに触れず、カンコ役の関谷ますみさんの体当たりの演技について語ってみたいと思います。
カンコは、男女を目撃したビルの一室に単独で乗り込みます。そこは臨時休業中の歯科医院で、連続殺人事件の主犯の男が、誘拐した女性を監禁していました。カンコは女性を救い出し、脱出を図ったのです。
メスを持って追いかける男にキックを浴びせ、護身術で投げ飛ばし、消火器の粉を浴びせるカンコ。男の刑事たちも顔負けの アクションシーンが続いていき、関谷さんの熱演ぶりがうかがえます。
カンコは男にメスを振りかざされ、服を切り刻まれて窮地に追い込まれますが、寸でのところで刑事たちが男を取り押さえます。カンコは精根尽き果てて倒れ込み、ドラマはエンディングとなりました。
なお余談ですが、冒頭にカンコが更衣室で服を着替え、ブラジャー姿を見せるシーンがあります。どうしても脱ぐ必要がある場面なのかと言えばそうではなく、今のドラマだったら演出されないでしょう。
そういえば、「太陽にほえろ」でも、シンコこと関根恵子さんが下着姿になるシーンがありました。 男向けの「サービスカット」が欠かせなかったのも、昭和という時代を物語っていると言えますね(苦笑)
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