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2022年08月28日
私だけの特捜最前線→45「窓際警視の靴が泣く!〜神代課長と蒲生警視のライバル関係」
※このコラムはネタバレがあります。出演者は敬称略
「窓際警視の靴が泣く!」は、特捜最前線のセミレギュラーで、窓際警視シリーズの主役だった 蒲生警視(長門裕之)が出演したドラマです。今回、蒲生と絡むのは紅林刑事(横光克彦)でした。
警察官の県人会に出席した紅林は、自慢の高級靴を誰かに間違えられ、紛失してしまいます。靴探しを所轄署に依頼したところ、引き受けたのが蒲生警視。蒲生は再び、窓際族に戻っていたのです。
特命課は連続強盗殺人事件を追っていましたが、その犯人が失くした紅林の靴を履いていたことが判明。ひたすら靴探しをしていた蒲生に紅林は協力し、靴の行方、すなわち犯人の足取りをたどっていったのです。
容疑者にたどり着いた蒲生ですが、逆に刺されて重傷を負ってしまいます。紅林は、蒲生が履いていた汚れだらけの靴を履き、容疑者が現れる現場へと向かい、ついに容疑者を逮捕したのでした。
このドラマの大きな見どころの一つは、靴をキーワードに 蒲生と神代課長とのライバル関係が語られているところです。かたやエリートコースを歩んだ神代、かたや叩き上げの蒲生。二人はそれぞれ若い頃を回想します。
神代は、蒲生から指摘された「靴がピカピカじゃねえか」という言葉に、エリートの自意識が高すぎた自分を恥じ入り、刑事や捜査とはどうあるべきかを顧みるきっかけになったとも言います。
一方の蒲生は、だんだんと差をつけられていた神代に対し、「俺があいつに対抗できるのは、脚を使うことだけだ」と紅林に話します。それは、神代の才能を高く評価していたからこそ、出てきた素直な感情だったのです。
互いに相手の力量を認め合いつつ、それでも「あいつには負けたくない」という神代と蒲生。理想的なライバル関係であると同時に、 ゆるぎない信頼と友情があることを見せてくれたドラマでした。
また、このドラマでは、紅林が警備局長(中谷昇)直々に警備局への栄転を打診されますが、蒲生のひたむきな捜査を見た紅林は栄転を断ります。「自分には現場が似合っている」と改めてやりがいを感じたのでしょう。
紅林は、神代課長のようなエリートコースではなく、蒲生のような叩き上げを選択したことになるわけですが、それが彼の人生で吉と出るか否か・・・余計なおせっかいでしょうかね(笑)
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私だけの特捜最前線→44「手配107・凧をあげる女!〜母と子の愛情と憎しみが交錯する辛口のストーリー」
※このブログはネタバレがあります
第152話「手配107・凧をあげる女!」は、 塙五郎脚本の神髄ともいえる非常に重苦しいドラマです。その主役となったのは母親(有吉ひとみ)と下半身が不自由で車いすを使う子供(少年、おそらく中学生くらい)。
「憎しみが生きる力になる」
母親が事件に巻き込まれ瀕死の重傷を負います。時を同じくして、母親は子供を障がい者施設に入所させることを決めていたのです。母親が死んだら自分は生きていけないと思った少年は自殺を図ってしまいます。
母親は結婚式場で働く一方、裏では売春婦をしていました。桜井刑事(藤岡弘、)は、売春組織の男の取り調べのようすを少年に聞かせます。母親の裏の顔を知った少年は、母親に激しい憎しみを持ってしまいます。
なぜ、少年にそんなひどい仕打ちをしたのか。憤る高杉婦警(関谷ますみ)に対し、桜井に代わって神代課長(二谷英明)がこう言います。 「人を救うのは、愛情だけでなく、憎しみもある」。
神代は、目の前で娘を銃殺された過去がありました。「私は犯人を憎んだ。その憎しみが私を支えてくれたのだ」と振り返り、母親への「憎しみ」が少年の生きる力になってほしいと願うのです。
ただ、神代は「危ない橋でもある」とも言っています。もしかすると、その憎しみがとんでもない方向に向かってしまうかもしれない。桜井のとった行動に、全ての責任を自分が負うという覚悟を見たのでしょう。
母親の本心を知らされない少年
ストーリーは、さらに辛口になっていきます。母親は昔の愛人と再会し、男に貢ぐために売春をしていたのです。その男に刺されて瀕死の重傷を負い、治療の甲斐なく亡くなってしまいます。
桜井に向かって母親が最後に口にした言葉・・・「私は男と一緒になりたかった。だから、 子供を捨てようとした」。つまり、施設へ入所させようとしたのは、子供と決別し、男を選んだからだったのです。
母親に憎しみを持った少年は、母の死を悲しむことなく、施設の車に乗り込みます。その車中で、母親の形見である家計簿の中から、一枚の切符を見つけました。施設のある新潟までの切符だったのです。
「母親は自分を見捨てたわけではない」・・・そう思った少年は、桜井にこのことを告げます。少年の語り口から、母親への憎しみが消えたことを悟った桜井でしたが、硬い表情を崩しませんでした。
なぜなら、その切符は桜井が用意した 「偽装工作」だったのです。
書いているだけでも重苦しくなるようなストーリーで、特捜最前線おなじみの「後味の悪いドラマ」です。中島みゆきの「この空を飛べたら」がBGMで使われており、ドラマの重さに一層拍車をかけています(苦笑)
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私だけの特捜最前線→43「誘拐II・果てしなき追跡!〜サスペンスあふれる尾行だけを描いたドラマ」
※このコラムにはネタバレがあります
「誘拐?T」「誘拐?U」として前後編で放送され、前編は「誘拐1・貯水槽の恐怖!」と題し、事件発生から身代金受け渡しまでを描いています、身代金を受け取った犯人を追って・・・というところで後編に続くのです。
犯人は異常なほど猜疑心が強いとの設定で、特命課の刑事たちは絶対に悟られないように尾行するという命題を課せられます。現場で直接指示を与えるのは橘刑事(本郷功次郎)です。
ドラマの大半を 「尾行する刑事たち」に費やしているのが、この回の特徴。逃げられそうになったり、気づかれそうになったりと、そのつど視聴者をハラハラさせる物語の展開は、さすが長坂秀佳脚本です。
最大のピンチは、滝刑事(桜木健一)が犯人に詰め寄られるシーン。そこにカンコこと高杉婦警(関谷ますみ)が現れ、デート中の喧嘩を装って危機を脱出します。もっとも、神代課長(二谷英明)が命じたのでしょうけど。
これが、前任の玉井婦警(日夏紗斗子)だったら、デートではなく違ったシチュエーション(例えば痴漢を追う婦警とか)だっただろうと思うと、キャスティングの妙もよく考えられた場面だと感心させられます。
スリリングな尾行劇の一方で、桜井刑事(藤岡弘、)だけは犯行の動機を捜査し続け、ついに容疑者を特定します。さらに、誘拐された子供の救出のために大掛かりなローラー作戦の指揮を取るのです。
このドラマでも、 橘、桜井が特命課の二枚看板として活躍していることがうかがえます。その二人をうまくコントロールしているのが神代課長であり、特命課のチーム力を見せつけた作品とも言えます。
この作品では、誘拐された子供が実は犯人の実子だったという伏線が張られていました。しかし犯人は逃亡の末、車にはねられて死んでしまうのです。そして子供は、父親と桜井によって救い出され、九死に一生を得ます。
父親は「この子は私の子です」と泣きながら刑事たちに話しかけます。桜井はじめ紅林、吉野、津上、滝、カンコはその姿を笑顔で見つめていますが、 橘だけは厳しい表情を崩していません。
橘は、結果として本当の父親である犯人を死なせてしまい、将来子供が真実を知る時がきたら、どうなってしまうのか、という思いがよぎっていたのでしょう。現場責任者として、とても笑う気になれなかったと思います。
決してハッピーエンドだけには終わらせず、「後味の悪さ」をちょっとでも悟らせる演出・・・さすがは、特捜最前線だなとうならせました。
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私だけの特捜最前線→42「チリアーノを歌う悪女!〜橘と桜井のキャラが際立ったストーリー」
※このコラムにはネタバレがあります
「チリアーノを歌う悪女!」では、 橘刑事(本郷功次郎)と桜井刑事(藤岡弘、)のダブルキャストに加え、麻薬密売人の男と、その情婦の女が中心となってドラマを展開していきます。
「両雄並び立った」ドラマ
桜井刑事が特命課に復帰して間もない頃だったため、橘刑事とはお互いに良くも悪くも対照的。ただ、以前紹介した「6000万の美談を狩れ!」のように対立させることなく、 それぞれのキャラを際立たせています。
桜井は、密売人の男を徹底的にマークします。取調室でも激しく詰問しますが、元麻薬取締官でもある男は腹が座っており、口を割ろうとはしません。男と男のハードボイルドな対決ぶりを見せつけてくれます。
一方の橘は、情婦の女に張り付き、女の子供(男の実子ではない)と温かく接しながら、女が何か知っているのではないかと探ります。その根底には「女の人生と子供の将来を守りたい」との思いがあったのです。
対決を通して桜井に「男惚れ」した男は、自ら取引先に出向いて麻薬ルート摘発に協力します。橘も、女の家にあった手掛かりの品と子供の証言から取引先を割り出すことができました。
麻薬ルートを壊滅させるという共通の目的に対し、桜井と橘は 全く違うアプローチの仕方だったわけですが、二人のキャラを明確にしたうえで、見事に「両雄並び立った」ドラマを作り上げています。
キャスティングの妙+特別出演も
このドラマに厚みを持たせてくれたのが、男役の 藤巻潤さんと女役の 緑魔子さんです。藤巻さん、桜井(藤岡さん)ともに男気あふれる役柄で、二人のシーンには張り詰めた緊張感が漂い、視聴者を圧倒しました。
緑さんは、男に尽くす女の生き様を、時には気だるい雰囲気で、時には激しい情念をぶつけながら演じています。そんな緑さんの相手役は、若い刑事やおやっさんではなく、やはり橘(本郷さん)でなければ務まりません。
ラストでは、瀕死の状態にもかかわらず、女の子供を人質にした男を桜井が射殺しました。橘は「桜井に撃たれたかったのだろう」と男の胸中を察します。適切な表現ではありませんが、桜井は 「介錯」をしたのです。
最愛の男を失った女は、途方に暮れた表情で橘たちの前から去っていきます。こういう救いようのない結末のドラマこそ、塙五郎脚本の真骨頂でもあり、特捜最前線らしいストーリーだと言えるでしょう。
ドラマでは、番組のエンディング曲「私だけの十字架」を歌う チリアーノ氏が特別出演し、ギターの弾き語りを見せてくれます。哀愁漂うメロディーが、ドラマの物哀しさを一層際立たせているのが印象的です。
余談ですが、リアルタイムで見ていた時、歌手のチリアーノってどんな人物なのか、ずっと謎のままでした。今ならば、スマホでググればあっという間に調べられる・・・便利な時代になったものですね(笑)
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私だけの特捜最前線→41「死んだ男の赤トンボ!〜流れ弾に当たった被害者を徹底的に深掘りしたドラマ」
※このコラムにはネタバレがあります
特捜最前線は、「事件が発生し、犯人を逮捕する」という 本筋から外れたところで、ストーリーを作っていくというドラマを時々見せてくれます。今回紹介する「死んだ男の赤トンボ!」もその一つです。
特命課の刑事たちが麻薬取引の現行犯を逮捕する際、犯人が撃った流れ弾に当たって浮浪者風の男性が命を落としました。ドラマは、事件そのものではなく、男性が何者なのかに焦点を当てていく展開になります。
男性は一代で財を成した大企業の社長でした。外出した車から突然降り、そのまま行方不明になったと思ったら、浮浪者風の姿で死亡していたのです。 なぜ、男性はその場にいたのか?謎は深まります。
辣腕経営者だった男性は、労働組合員など多くの人たちと敵対していました。側近である幹部に対しても、容赦なくカミナリを落とすようなワンマンぶりで、「殺されても仕方ない」と陰口を叩かれるほどです。
しかし、紅林刑事(横光克彦)らが身辺を調べてみると、辣腕経営者の外面とは違う、家族思いの父親像が浮かんできました。そこには、貧困が原因で幼い時に生き別れになった妹への情愛が根底にあったのです。
40年ぶりに再会した妹は、男性の会社が立ち退きを迫る児童養護施設の職員という皮肉な立場にいました。男性が施設を強制的に取り壊そうとすると、妹や子供たちは 「赤とんぼ」を歌って抗議の意を表したのです。
「赤とんぼ」は、幼い妹をあやす時に男性が歌っていた子守歌でした。その郷愁の思いは男性の胸の奥底に残り、ある時、突然フラッシュバックして、男性を射殺現場となった公園へといざなっていったのです。
紅林刑事がメインとなったドラマですが、主役は男性役を演じた 西村晃さんです。様々な顔をもつ男性像を見事に演じ分け、回想シーンでの登場ばかりという中で、圧倒的な存在感を見せつけてくれました。
「流れ弾に当たって死んだ男」というだけの被害者を、徹底的に深掘りしていくドラマは、特捜最前線ならではと言えるでしょう。脚本、演出、そして名優あってこそ、名作として残る作品になったのだと思います。
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