2018年10月の発売からすでに4年目となりますが、2021年にはマイナーチェンジ相当の改良が行われ、ナビ画面がタッチディスプレイに換装されたにもかかわらず、そこからわずか1年で、新型レクサスNXから採用された新世代マルチメディアシステムに換装されるというのは、昨年の時点は予想もできないことでした。
https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/37543990.html
2023年モデルの改良点については、ニュースリリースどおりですので、本ブログでは直接ニュースリリースで触れられていないと思われる点についてチェックしてみたいと思います。
■アナログクロックの存続
まずはなんといっても嬉しいことに、第4世代レクサス(NX・LX)発売以降、続々廃止されている「アナログクロック」が存続したことです。
(※トヨタグローバルニュースルーム https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/37543990.html より)
アナログクロックの廃止については法則が見えてきました。
・フルモデルチェンジまたは新型車種
→アナログクロックは廃止
(NX、LX、RX、RZ)
・ナビディスプレイが「タッチ化」未了の車種
→タッチディスプレイ化とともに、新規に金型設計をし直す必要があるため、アナログクロックも廃止。(UX)
・ナビディスプレイが「タッチ化」済の車種
→タッチディスプレイ化されているため、アナログクロックはそのまま。(ES、LS)
・ナビディスプレイ(12.3インチ)採用に大々的な改良が必要な車種
→ダッシュボードの刷新などコストやデザイン変更が困難なため、新システム不採用 (IS、RC、LC)
→よって、「リモートタッチ」もそのまま残さざるを得ない
■新内装色「ソリスホワイト」の追加
ニュースリリースでは大々的に報じられていませんが、新内装色が採用されています。
それは、 「ソリスホワイト」 。そう、新型レクサス「RX」で採用がアナウンスされたカラーです。
(※レクサス公式webサイト https://lexus.jp/models/es/ より)
「ホワイト」と「シャトー」の中間のグレーっぽい素材ですが、これが第4世代レクサスの"version.L"系のメインカラーとなる可能性がありますね。
これと引き換えに、ES発売当時から採用されていた、「リッチクリーム」は廃止となりました。
■新インテリアパネル「バンブー(マットフィニッシュ/ミディアムブラウン)」の採用
従来の「ナチュラルブラウン」から、 「ミディアムブラウン」 に変化。色味がダークになりましたね。「モーヴ」に似合いそうです。
新型レクサス「RX」に使用されているのも、ミディアムブラウンと思われますので、こちらも第4世代レクサスのテーマカラーの1つかもしれませんね。
(※トヨタグローバルニュースルーム https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/37367329.html より)
■「ビスコテックス」加工の廃止
ESの特徴の一つ、"version.L"のセンターアームレストやドアアームレストに使用されていた、高度な塗布技術による凹凸やグラデーションを行っていた、セーレン社の 「ビスコテックス」加工が廃止 され、一般的なデザインとなりました。
これは賛否あったのかもしれませんね。個人的には個性的で良いと思いましたが・・・
■おくだけ充電のシンプル化
レクサスESの「おくだけ充電」はこれでなんと3回目の改良!
個人的には充電スピードも遅いですし、「そこまで使用するかな?」・・・と思う装備ですが、ESでは気合が入っています。
従来は「隠していた」ものが、外だし(むき出し)となり、かなり簡素なデザインになっているのが残念です。
ここは実際の質感を見ないとなんとも言えないところですが、 「完全新型設計車ならここには配置しないだろう」 と思わせる配置とデザインなのは疑問です。
なお、「電源スイッチ」がないので、スマホケースを使用している場合など、「充電エラー」が発生したときの「ガチャガチャ」音がなる現象が解決されているでしょうか?(NXではエラー時に「ガチャガチャ」音がするので・・・)
(ES カタログP46より)
■充実した「USB給電端子」
新型ESでは、マルチメディア接続用のUSB Type-Aが1つに加え、充電用のUSB-TypeC端子を5個備えるなど万全の備えです。
レクサス「NX」では、アームレスト内にはUSB端子がありませんでしたが、ESではしっかり備えているのが嬉しいですね。
(ES カタログP47より)
■新型アルミホイール(タイプA)の新設定【DOP】
なんと、突如ディーラーオプションで15本ものスポークをもつ切削光輝タイプのアルミホイールが新設定されました。
スタッドレスタイヤ用のホイールとしても良いかもしれませんね。
(ES ディーラーオプションカタログP8〜9より)
■「HDMI端子」の新設定【DOP】
レクサス「UX」に続き、「ES」においても「HDMI端子」がディーラーオプションで設定されました。
レクサスNX(2023年モデル)においても、この形式で設定されるのは間違いなさそうですね。
■デジタルキーの設定はなし!
ちょっと不思議なのは先般発表されました「UX」2023年モデルで新設された「デジタルキー」について、今回のESではオプション設定がないことです。「デジタルキー」は、後付が困難と思われますので、フルモデルチェンジ時以外の採用が難しいと想定されていましたが、「UX」では採用。
しかし、今回の「ES」では不採用ということで法則がわからなくなってきました。
考えられることといえば、「UX」は比較的スマホを日常的に使用している若者層、一方「ES」はご年配の方も含めた幅広い層ということで、まだ動作も不安定なデジタルキーの採用は見送った、ということも考えられます。
今秋改良予定の「LS」にてデジタルキーが採用されるかどうか、ということも興味深いところです。
(UX カタログP48より)
また、最近はトヨタ/レクサスブランド共通してメーカーオプションの価格が低廉化していますが、残念ながら今回の「ES」においては価格変動がありませんでした。UXでは、「デジタルキー」の価格差がトヨタブランドと同額となりまあしたが
■MOP価格は下がらず
「デジタルインナーミラー」、「おくだけ充電」や「ヘッドアップディスプレイ」、「マークレビンソンオーディオ」、「寒冷地仕様」など価格低減の可能性がある装備についての価格は下がりませんでした。
特に、「おくだけ充電」は、電源スイッチも無いようですし、半額程度でも良いように思いますが・・
なお、「ヘッドアップディスプレイ」に関してはトヨタブランドでは「半額」相当(44,000円程度)までコストダ低減していますので、ぜひレクサスブランドでも価格を下げてほしいところ(とはいえ、強豪の輸入車勢と比べるトとHUDの価格は安いですが)
そして、新型「NX」でも装着率が高い「デジタルインナーミラー」。
こちらも一般的には「44,000円」(レクサスNX、クラウンクロスオーバー等)程度まで価格差が下がっているはずなのですが、細かい規格が異なるのか、従来どおり「110,000円」と2倍以上の価格差がありますので、ここは残念なところです。
(ES カタログP29より)
なお、事前に噂になっていた通り、レクサスESとしては初の 「特別仕様車」“Graceful Escort” も設定。
高価な"version.L"がベースになっており、通常モデルより「+10万円」の価格設定。
ラグジュアリー系では珍しい「レッド系」の「クリムゾン」の内装色を設定し、これはフラッグシップセダン「LS」に続くもので、特別感ありますね!
(※レクサス公式webサイト https://lexus.jp/models/es/features/graceful_escort/ より)
実車については、東京・青山にある「レクサスインターナショナルギャラリー青山」に展示中とのことですので、週末にチェックしてまいります!
https://lexus.jp/dealership/lexus_gallery/aoyama/
さて、特別仕様車“Graceful Escort” については、なかなか評価が難しいところです。
最近のレクサス車は「お買い得感」のある特別仕様車が多かったのですが、このグレイスフル・エスコートに関しては、「内外装の色替え」が主体の改良であり、ベース車両("version.L")に対しての追加装備はありません。
また、些細な点ですが、 「セミアニリン本革」ではなく、通常の「本革」 になっていますので、皮革の柔らかさ・しっとり差では"version.L"のセミアニリン本革シートとの差があるかもしれませんね。
(※レクサス公式webサイト https://lexus.jp/models/es/features/graceful_escort/ より)
なお、ここ最近のレクサスの特別仕様車に設定されているグリルの 「シルバー塗装」 は大変塗装のクオリティが高く(もう少しちゃんとした特別感あるネーミングにすればいいのに・・・)またホイールに関しても「スパッタリング加工」は特別仕様車ならではの装備といえますので、その点で魅力的な方は「買い」と思います。
"version.L"はもともと装備が充実しているため、お買い得感を出すのが難しいですね。
(※レクサス公式webサイト https://lexus.jp/models/es/features/graceful_escort/ より)
実車については、7月7日に発表された「UX」が未だに各販売店に展示車・試乗車の配備もされていないように、「ES」においてもしばらくは2023年モデルの流通に時間がかかるかもしれません。
昨年に改良された2022年モデルは「完成形」に近いモデルでしたが、2023年モデルは実車を見ないとなんとも言えないところではあります。
実車を見て、カタログや動画ではわからない、細部の質感などチェックしてみたいと思います。
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