当初は「限定135台」の抽選販売ということで、著名芸能人の方が当選され購入されたことでも話題になりましたが、2021年3月下旬からは抽選でなく通常購入が可能となっています。
ただし、テスラ・モデル3の大幅値下げの影響なのか、その後の受注状況は好調とは言えないようです。(まだ上期納車可能枠が残っている状態)
レクサスが「UX300e」の本格販売をスタートさせたのと同時に、展示車が東京・日比谷の「LEXUS MEETS…」およびレクサスインターナショナルギャラリー青山でも設置されています。(「LEXUS MEETS…」では、「マダーレッド」のUX300eが置かれているようです)
当方が訪問した、インターナショナルギャラリー青山では「セレスティアルブルー」のUX300e(version.L)が展示されています。
通常モデルとの違いやBEVの特性など、係員の方が非常に丁寧に教えてくれます。
ほとんど需要ないと思われますが、一応内外装の動画も。
【YouTube動画】レクサス初のBEV「UX300e」見てきました!
今後、「UX300e」の展示車や試乗車を置く販売店も増えていくようですし、徐々にレクサスディーラーへの「充電設備」の設置も進んでいます。
レクサスディーラーの充電設備は最新型ですし、レクサスオーナー以外でも、所定の充電カードを持つ場合は充電設備を使用可能ですから安心して利用できるのは嬉しいですね。(日本充電サービス(NCS)の会員であれば使用可能)
https://lexus.jp/models/ux300e/pdf/userguide.pdf
UX300eに関しては、「UX」に新たなパワートレーンが加わったということで、既存のUXとの違いは本当に最小限となっています。
この点は賛否両論あるところかと思いますが、まず「第1弾」としては手堅くまとめてきた印象です。
外観上の違いは「ELECTRIC」と「UX300e」のエンブレムと、専用のエアロホイールでしか区別ができません。
あとは車両の左右それぞれに充電ポートがあるという程度でしょうか。
車両左側後方には「急速充電」用の充電ポートが備わっており、車両アンロック時にはポートのリッド(蓋)を押すことで開けることができます。
「一応つけときました・・・程度のLEDライト」が備わっていますが、BEVを象徴する充電ポートの構造には近未来感はまったくなく、あくまでガソリン車の給油口がそのまま充電コネクタに変わっただけ、ということでこの点はちょっとさみしいですね。
トランクスペースは、初期UXに比べると深型になっているので狭いという印象はありません。床下収納もありますので、積載性については犠牲になっていないのはすばらしいですね。
ボンネット内部については、BEVということで予想されましたが、中途半端にスカスカ感があります。
他のレクサス車のように、樹脂カバーで覆われることもなく、かといってテスラ車のようにボンネット内部に収納スペースがあるわけでもなく、非常にもったいない空間となっています。
また、600万円前後の車両価格にもかかわらず「ボンネットダンパー」が非装備というのも残念なところ。こういったところはベースモデルのUXと差別化しても良いのではと思いますが・・・(まぁ、BEVということ、収納スペースもないので開けることはほぼないのでしょうけど)
インテリアについてもほとんど変更されていません。
ただし、ステアリングホイールに関しては、他の2021年モデル車と同様に、ステアリングスイッチの中央部のボタンが押しやすく形状変更されていました。これは好ましい変更ですね。
スピードメーターでは、残電量がアナログ針ということで、ここまで通常モデルに似せなくても良いのではと思いますが・・・(別に、デジタル表示もあり)
シフトギヤは電子式に変更、シフトレバー自体「LC」と類似の意匠となっていますが、レザーの質感はLCのように高品質なものではなく、差別化が図られています。また、シフトレバーASSYをLCから流用しているため、ここだけインテリアパネルとツライチではなく、不自然なくぼみができているのも残念。ただ、従来の「UX」とは違って全体的なすっきり感や質感向上は果たしていると感じます。
後席には、UX300e専用装備として、「後席シートヒーター」が備わっていますが、スイッチの意匠・質感はレクサスクオリティではないのが残念です。
もう一つ実車確認での留意点は床下に敷き詰められた「バッテリーパック」です。
最低地上高はもちろん問題ありませんが、車両の床下に、ちょっと想像以上に出っ張って設置されています。
(車両最下部の樹脂パーツに包まれた内部がバッテリーパック&補強材)
この影響は室内にも及び、通常モデルの「UX」よりも、床下が高くなっています。
見た目はそれほど変わらないのですが・・・
そのため、後席に座った際、足のつま先が前席シート下にはいらなくなってしまいます。
また、床下自体が高いため、座面とのクリアランスが少なくなることから、膝裏側がシート座面に触れないため、極端な感じでいえば「体育座り」に近い姿勢を強いられます(あくまでイメージ)
ベースモデルのUXに比べると、足の置き場に関しては圧迫感があるので、後席に乗員を乗せる頻度が高い方は、居住性を確認されることを強くお勧めします。
今までのレクサス車となんの違和感もなく乗り換え・増車ができる点、そして海外製BEVでよく聞く不具合に関しても心配不要なのがレクサス「UX300e」の
メリットと思います。
反面、近未来感や先進感、デジタルガジェット感がほとんどないのは物足りなさも感じます。
また、「ES」と異なり、現時点でマイナーチェンジが案内されていないのも「UX300e」の不安材料の一つともいえるかと思います。
好き嫌いがかなり分かれる車かと思いますが、トヨタ/レクサス陣営として、初の本格的な量産電気自動車がいつでも購入可能になったというのは大きな一歩と思います。