光を制御する特殊なマントやコスチュームを着る、
ある特定の空間に入るなどで他人から自分の姿を見えなくする 光学迷彩。
漫画などで見るような道具だが、実際に作るとなると難しいというのは光の性質に詳しくない人でも
なんとなく想像がつくだろう。
そんな想像を裏切り、理論的にはこれが可能であるという道筋を示した研究者がいる。
なんと日本の研究者である。
理化学研究所(理研)理論科学研究推進グループ階層縦断型基礎物理学研究チームの瀧雅人研究員、
東京工業大学量子ナノエレクトロニクス研究センターの雨宮智宏助教と荒井滋久教授らとの共同研究チームの
発表によると、外部から内部は見えないが、内部からは外部を見ることができる
非対称な光学迷彩を設計することが可能だという。
そもそも光学迷彩装置の設計方法は2006年に海外で理論的な提案がなされており、
空間のどの位置にどのような誘電率、透過率の物質を置けばよいかということが具体的に示されていた。
ただし、これらの光学迷彩装置は、例え実現したとしても、入射した光を全て迂回させるため、外部からは見えなくなるが、内部からも外部が見えなくなるという“対称性”の問題があった。
そこで理研らの共同チームは、光子に作用するローレンツ力の概念を用い、
光を捕捉する光学的な共振器を格子状に配置し、その共振器間を光が曲がりながら伝播する理論モデルを考えた。
そこから、この光子共振機器を拡張し、
電場に相当する効果を発生させる光学格子共振器を用いた理論モデルを構築した。
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