専門家はブームに警鐘を鳴らしている
ハワイにあるその会社の説明によると、たくさんのイルカに囲まれながら水中で出産する「dolphin-assisted birth」は、赤ちゃんの成長速度が通常よりも6か月程早く、脳も重くなる上、両手利きの子になるとのこと。海やロハスが好きな女性の中ではブームになっていて、実践する人は増えているそうです。
しかし産婦人科の専門家は、この「dolphin-assisted births」ブームに対して批判と警鐘を鳴らしているとのこと。海で行う水中出産は、有害な細菌や病原体にさらされる可能性を拭うことはできず、ブームになっている一方で、赤ちゃんや母体への健康被害について把握していない状態で行うことは危険と見なされています。
イルカと泳ぐことで自身のリラックス効果を求めた妊婦さん
一方、ハワイ在住のドリーナさんは、出産の準備のために海でイルカと泳ぐ自身の映像をYoutubeにアップしました。出産自体は水中ではなく普通に行いましたが、彼女は慣れ親しんだイルカと泳ぐことによって自分自身が美しい癒しのエネルギーを得ようと思っていたそうです。
また南米では、イルカの出す超音波は誕生前のお腹の赤ちゃんの脳を刺激し、知覚や感覚を成長させる力があるということで胎教として勧める産婦人科も増えているとか。一緒に泳ぐのはハードルが高いですが、日本でも水族館に行ったりCDを聴かせたりしてお腹の赤ちゃんにイルカの声を聴かせるといったことをしたことのある人もいるかもしれません。
徐々に進むイルカ研究とブームの危険性
日本では歴史が浅いですが、イルカの持つヒーリング効果を享受しようという「イルカセラピー」は、アメリカでは1970年代後半から研究が始まったと言われています。イルカと直接コミュニケーションを取ることで、自閉症やうつ病の治療法として期待されており、今後もますますイルカと人間の研究は進むと言われています。
衛生面や危険性を多くの専門家が指摘する「dolphin-assisted birth」は、多くの海外メディアで議論の是非を読んでいます。イルカに限らず、出産前の緊張状態を解きほぐすために自分の好きな環境でリラクゼーションを得ようとすることは多くの妊婦さんが行うことですが、ドリーナさんが妊娠中にイルカと泳いでいる動画に対しても批判は少なくありません。イルカ研究は徐々に進んではいますが、まだまだ解明されていないことが多いので「ブームだから」と、様々なことに無知な状態で取り組むのはまだ危険と言えるのかもしれません。
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