2013年08月01日投稿。
それは息を奪うようにまとわりついて、僕の身体を蝕んでいく。
世界は濁って声が出せない。
じめじめと喉をいたぶって吐き気すら覚えるのに、僕はそこから抜け出せない。
手を伸ばすと周りは硬い壁で、そこはとても狭く感じた。
あぁ、酸素を下さい。
僕は叫んだ。
だけれど声はあぶくとなって、ぼこぼこぼこぼこ空へと消えて。
結局誰にも届かない。
息も出来ないほど苦しいのに、そこにたゆたっているという快楽。
身体が熱を帯びていて、ねっとりとした汗をかきながら。
喘ぐ。
その息すらも声帯を震わせることができないようで、また、あぶくが空へと消えていった。
あぁ、周りは硬く閉ざされていて、誰が世界をこんなにしてしまったのか。
分からないまま、熱に心を浮かせたまま、僕は、吸えもしないのに酸素を求めた。
あぁ、
誰か世界を壊して下さい。
誰か僕に酸素を下さい。
何もない場所で、僕は、僕は、僕は。
独りぼっち。
さようなら。
「高湿状態」
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