石林の夜は静かで虫の音も遠くから聞こえるくらいだ。同行している彼は机で手紙を書いていた。自分は、まだ早いがベトナムの地図を見て、縦長くて細い国だから、旅がしやすいな。どこを見て行こうかガイドブックを見ながら寝てしまった。次の朝、石林の中を散歩してみた。まだ、観光客も来ないような時間帯の6時。空も青く、太陽もまだ上がりかけている所。石の上で寝そべってみたりして、自由気ままに2人で遊んでいたら、サニ族の子供が2人で現れた。しかも日本語で挨拶をされた。チケットを買って入ってきたの?とサニ族はチケットも要らなくて、ここが聖地との事。前は、サニ族が観光客のガイドを出来たのだが、漢民族に取られてしまったと言っていた。前は日本人の観光客を相手にガイドもしていたので、日本語を使えるサニ族は多いと言う。上海でも、たくさんのサニ族が宿の周りにいたよ。と教えたら、上海に行った方がお金になるけど、電車代が払えないと言っていた。電車代と言っても、そんなに高くないのに、サニ族にとっては高級な乗り物になってしまっているみたいだ。その子達と話していたら、あっと言う間に日も上がり、チラホラと観光客が見え始めた。女の子達は観光客が来始めたので別れを告げて帰ってしまった。ここに産まれて迫害を受けているのは事実。可哀想に思えたが、この先まだまだ同じような経済的に貧しい子供達を見ていくのかと思うと胸が詰まった。石林は充分に見たから、昆明に戻ろうと決めて、宿をチェックアウトしてバスで昆明に戻った。
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