安宿は、この目貫通りにある有名な安宿の「キャピトル・ホテル」に泊まった。1泊2ドルと安く泊まれる事が出来た。ホーチミンとは全く違う世界であり、さらに貧困差が一目で分かる。未だ内戦の爪痕を感じさせるように、足がない人が多く見受けられた。おそらく、地雷や虐殺にあった人達であろう。地面を這いつくばって空き缶を持って、外人の集まる「キャピトル・ホテル」に来る。今日生きられるかどうかのような人達が多い。可哀そうになるが、1人にお金をあげてしまうと違う人もたかって来るので無視するしかない。交通ルールもあってないようなものであり、車が自転車・オートバイを引いたりぶつけても車両価格が高い方が勝ちとなる。日本とは全く逆の事である。ぶつけられたオートバイなんかは泣き寝入りするしかない。ちょっと道をショートカットしようとすると軍人が銃を持って監視している。その軍人がたかりの軍人なのか、守ってくれる軍人なのかは分からない。何回か遭遇したが、お金をたかって来る軍人でなかったのは幸いだった。
夜になるとモニボンの大きいストリートでさえ、誰もいなくなる。地元のギャングや、軍人、警察などが銃で撃ちあっているとの事であった。夜中に銃の乾いた音が町中に響きわたる。宿の方も安全の為に鉄格子で閉めてしまう。これが、当時のプノンペンの状況でもあった。朝は、氷をノコギリで切る音で目覚める。まだ、冷蔵庫が普及していないせいか、氷を入れて保存するのが主流であり、昔の日本みたいにタイムスリップした感じになる。食事は宿の1階にレストランがあり、そこがメインになるが、ちょっと足を伸ばせば中華料理もたくさんある。支払は1ドル以下の物に関しては、リエルだが1ドル以上になるとアメリカドルの支払いが多い。
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