本日は2月3日の節分です。幼稚園や小学校では豆まきをして楽しく遊んでいるのではないでしょうか。
それとは反対に、節分が嫌になってしまう「ブラックバイト」が今問題になっています。
ブラックバイトとは?
時給制で契約時間内で働くはずのアルバイトが、時間外で サービス残業を強制させられたり、休憩がなかったり、休みや有休がとれなかったり、不当な罰金の請求、正社員並みの 厳しいノルマや仕事量 を課せられます。本来学業に専念するべき学生が、「ブラックバイト」のせいで成績が落ちたり留年したりしています。
中小企業であるほどその傾向が高いのですが、労働環境はあまり表沙汰になることはありません。しかし近年インターネットやSNSの普及で情報のやりとりが盛んになり、企業内の内情もあらわになってきました。
「ブラック企業」が社員版であるのに対し、「ブラックアルバイト」はアルバイト版として今世間に浸透しつつあります。
恵方巻のノルマ
節分で「ブラックバイト」が浮き彫りになったのは、 恵方巻の獲得ノルマが厳しいからです。今では全国区でコンビニやスーパーで当たり前に販売されている恵方巻ですが、 近年各社の競争が苛烈化してきています。
特にコンビニでの獲得争いが異様な状況で、数百本のノルマが1店舗あたりに課せられます。それをコンビニオーナーが売りさばくためにアルバイトにもそれぞれノルマを課すのです。
高校生バイトでも一人15本のノルマが課せられるという異常事態です。特に初めてのバイトという子はそれが当たり前という感覚を刷り込まれ騙されてしまいます。
「客から獲得すればよい」とオーナーに言われるものの、なかなか困難なものでしょう。結局ノルマを達成するために 自腹で買う人もいるようです。
社員であれば販売数は成績になりボーナスや給与に反映されるので「頑張ろう」という気持ちにもなれるのですが、アルバイトは達成してもなにか良いことがあるというわけでないので特にやりがいを感じません。
これは節分の恵方巻だけでなく、「クリスマスケーキ」や「土用の丑の日のうな重」「正月おせち」「中元・歳暮ギフト」などでも同じようにノルマが課せられます。普段の仕事は楽しくても、イベントが来るたびに重圧がかかるのでは面白くないですよね。
本部からの指導
こうなってしまう背景には、本部の強烈な指導があるようです。本部から指導にくる地域指導員が店舗のオーナーと話し合いをして恵方巻の販売目標を立てます。
本部は「利益を出してオーナーの生活を良くしましょう」と甘い言葉で誘導し、昨年の販売数を超えるように必ず指導してきます。反対するオーナーは契約更新時に不利になるような関係性となっています。
全てのコンビニではない
「ブラックバイト」があるのは全てのコンビニ・スーパーではありません。中には家族のような付き合いで仲の良い人間関係で楽しく協力し合っている店舗もあります。普段の人間関係が良好で、目標設定をしっかり話し合って決めたかによって負担と感じるか受け取り方は変わってきます。
「ブラックバイト」がある背景には、 店舗責任者のモラルや商売魂の欠如が実はあります。
モラルの欠如
中小企業が「ブラックバイト」を生みやすいのは「コンプライアンス(法令順守)」の考えが足りないからです。企業は顧客から信用・信頼されなければ存続することはできません。そのために「セクハラ」「パワハラ」をなくして従業員が働きやすい環境を整える義務があります。それを「利益が出ていないからウチは我慢するしかない」「納期に間に合うように」という理由で長時間労働を強いたり、人数を増やすことなく一人あたりの仕事量を増やしてカバーするという事態になるのです。
商売魂の欠如
コンビニオーナーの中には商売魂がない人もいます。コンビニオーナーになった経緯は人それぞれで、「稼いでやる!」と志して始めた人もいますが、多いのが脱サラして始めるというパターンです。サラリーマンとして転職が厳しくなり、貯めた貯金で事業を始めようと思った時に、リスクが少なく資金も少なくて済むのがコンビニです。
そのため「売り込んで稼いでやる!」という商売魂を持たないオーナーもいるのが実情です。「店を営業していればお客さんが自然と入ってきてシフトを回しておけば自分の懐にお金が入る」と甘い考えで営業している人もいます。そうしたオーナーは、接客が苦手だったり従業員への接し方も雑だったりします。
そして商売の戦略をうまく立てることができないため「ブラックバイト」の力押しになってしまいます。
ブラックバイトに入ってしまったら
もしあなたが「今ブラックバイトで働いている」、もしくは「入ったばかりだがブラックバイトかも」と思った場合には、即刻辞めることをオススメします。
もともとバイトですので自由な職選びが可能です。世の中にはもっとクリーンな企業はたくさんあります。自分の体調を崩す前に、辞めて労働環境の良いところに移動しましょう。
だた、ほぼ100%の割合で引き止められると思います。「今人手不足だから待って」「3ヶ月前に言ってもらわないと困る」「後釜を作ってから」いろんな話術で必死に阻止してきます。
その時は「時給が足りない」や「労働時間が長くてきつい」といった向こうが改善できそうな理由を並べるのではダメです。「家庭環境の変化でどうしても辞めざるを得ない」と、向こうが入る余地のない理由で辞めるようにしましょう。そして揺るぎない決意を持って対談しましょう。
ブラックバイトに入らないために
職を選ぶ場合には、その企業がブラックバイトかどうかを見極める必要があります。
店舗を実際に見る
近くに候補の店舗がある場合には実際に働く店舗を見に行くのがオススメです。
従業員がどんな姿勢で働いているのか、笑顔で楽しくやっているか、従業員同士の仲がよさそうかを見ます。名札を見て 店長も知っておくと良いです。また、 トイレの清掃状況や、従業員の使う レジカウンター内の整理ができているかなどを見れば労働環境や管理体制、従業員の意識が見て取れます。
だらしのない企業は、コンプライアンスに対する取り組みも弱い傾向にあります。
ネットのクチコミを見る
ネットで企業について調べてみましょう。実際に働いている人の生の声や辞めた人の理由などが見れて非常に参考になります。店舗の名前は見れないため実際に働く場所の調査をすることはできませんが、その企業の全体像や傾向を予測することはできます。
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