倉庫の棚卸はちゃんとしましょう!

『ぎゃああ〜!!MAP供与品というお化けが出た!』

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海上自衛隊艦船補給処は補給機関ですので、物品の在庫保管を行っています。

業務の中で多くの物品を取り扱うため、定期的に棚卸(たなおろし)が必要です。

しかし、時たま発見されるのがMAP供与品というお化け!

在庫管理はしっかりしようねの日常業務!
(前回記事):『 艦補処でイスラエル製装備輸入に関わり思うこと。
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(1)さあ今日は棚卸の日だよ〜!

『さあ今日は楽しい?棚卸の日だぜ〜!不用品は殲滅だ!』

艦船補給処にて勤務していると、定期的に棚卸と呼ばれる行事が行われます。

ビジネスでの棚卸とはちょっと違うけど、艦補処業務に大切な作業です。

この日のために、艦補処各部門から何人も動員されます。

特に装備幹部は、副処長を筆頭にベテランから若いのまで動員されます。

1.1 倉庫整理とはちょっと違う棚卸!

棚卸は、倉庫整理のように思われますがちょっと違います。

引用:ブリタニカ国際大百科事典
棚卸とは,商品を棚からおろしてその数量を実地調査し,品質を吟味し,
その価額を評定すること。

倉庫に収納されている物品について、実際に数量があるか、品質が保たれているかを調査します。

また、不用品(装備品が退役済)を確認して、廃棄の手続きをしたりします。

図1 棚卸の風景
high-bay-408222_640.jpg
引用URL:https://pixabay.com/

1.2 意外と調査が必要!

倉庫の棚卸については、意外と調査が必要です。

海上自衛隊の物品管理については、

の両方で管理がされています。

S/N(ストックナンバー)だけで判断すると、意外と見落としがちになります。

実際に部品番号を確認して、実際に使用しているか確認する必要があります。

1.3 たまに全く違う物品が紛れ込んでる場合も!

補給機関の倉庫には、たまに予想もしない物品が紛れ込んでる場合があります。

予定外の物品が、何かの違いで収納されたということが多々あります。

装備畑の人間が棚卸に参加するのは、部品を判定するためでもあります。
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(2)ぎゃあ〜!MAP供与品が出たー!!

いざ艦補処の棚卸を始めると、いろんなことが起き始めます。

そして、ついに恐れていたMAP供与品を発見してしまいます!

2.1 倉庫内でミサイル発見!?

棚卸作業を始めてしばらくしたころ、別の場所で作業中の班がなんだか騒がしくなりました。
『ミサイルのような物品がある!』

はあ?!艦補処にミサイル?なんじゃそりゃ!?

艦船補給処では、弾薬系の物品を取り扱っていないのですが・・・
図2 ミサイル?
war_missile_character.png
引用URL:https://1.bp.blogspot.com/-ek4GFLTYVSU/VhHgVzPpWAI/AAAAAAAAy60/X6HvSWhqFvc/s800/war_missile_character.png

とりあえず、ミサイル関係を扱う武器課の装備幹部が調査してみます。

結局判明したのは、
『FCS-3実用試験に使用した空中標的の試験体』
でした。(試験は終了したため、不用品として艦補処倉庫に眠っていた。)

とりあえず、こいつは不用品決定委員会で保管か廃棄か審査することに・・・

そんな中、妙なエンジン部品を見つけます。

2.2 でた〜!MAP供与品だ〜!

今度はなんだか古いディーゼルエンジン部品が出てきました。
図3 古いデイーゼルエンジン(イメージ)
Silnik_t_370.jpg
引用URL:wiki


S/Nを見ても、ほとんど情報のない物品であり「艦艇用エンジン」というぐらいしか書いていません。

よーく調べて、部品番号やら部品形状から調査をしていくと艦艇名がありました。
『護衛艦 はつひ(DE−263)』
(1975年に海上自衛隊から退役:米国に返還)
アホー!とっくに退役した護衛艦じゃねーか(怒)!

さらに調べていくと、MAP供与品対象物品であることが判明!
『ぎゃ〜!MAP供与品じゃねーか!!なんで返還してない(怒)!』
※MAP供与品
「日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定」に基づいて、アメリカから無償供与された装備・物品を指す。使用しなくなった場合、米国に返還する規定がある。最近では、FMSに切り替えられている。


まさかの、MAP供与品を発見してしまいました。

2.3 MAP供与品の返還は今も続く!

米国から供与されたMAP供与品については、米国で今もしっかり記録が残っています。

そのため、MAP供与品は返還するのが原則となっています。

最近では、フィリピン軍が供与を受けていたM1ライフルの返還が話題になりました。
図4 返還されるM1ライフル
M1.jpg
ただ、銃や兵器といった武器については返還が原則ですが、例外があります。

それは。返還へのコストが莫大になる物品です。

返還に掛けるコストに見合うだけのメリットがない場合、現地処分となることがあります。

一応、海幕を通じて米国側と交渉して、返還か現地処分を決定することになります。
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(3)倉庫棚卸終了!MAP供与品はこっちで処分だよ!

MAP供与品を発見した、倉庫の棚卸は無事に終了いたしました。

不要物品の処分・整頓した棚に新たな物品を納入していきます。

図5 新たに納入!
forklift-160284_640.png

倉庫に物を格納するときは、ちゃんと情報を書いていきましょう!

3.1 MAP供与品の行方は?

発見したMAP供与品については、正規の手続きにより海幕への報告となりました。

併せて、艦船補給処の米軍側窓口になるFISC(米海軍補給センター)と交渉です。
図6 FISC(米海軍補給センター)
navy_fisc-yokosuka_n1952.png
引用URL:http://www.milart.com/mm5/graphics/00000001/navy_fisc-yokosuka_n1952.png
(艦補処)
『あの〜、米国MAP供与品のエンジン部品見つけたけどどうする?』
(FISC)
『どんなのや?今は使ってないボロやんけ!そっちで処分してええで!』
結局米海軍側から、いらない!ということで現地処分ということになりました。
(書類上では返還したということになります。)

艦補処という補給機関では、時折このような業務があります。

物品管理は大切に行いましょう!
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2020年03月02日

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