海自新造艦就役だよ!さて補給部品が無いよう〜(泣)!!

『新造艦は就役してからも地獄が続くぜぇ!』


2020年3月にイージス艦「まや」が就役して、海上自衛隊に編入されることになりました。

新造艦が就役するのはめでたいことだけど、結構その後は地獄が待っている!

不足する補給品!予期せぬ故障発生!艦も補給部隊も大騒ぎ!

新造艦の就役は、結構知られざる地獄の始まりだぜぇ〜!
\こちらもご参考に!/

(1)護衛艦「まや」が就役したよ!

2020年3月19日に、護衛艦「まや」が就役して海上自衛隊に編入されました。

海上自衛隊として7隻目のイージス艦就役となります。

2021年には「はぐろ」も就役して、DDGが全てイージス艦になります。
1.1 イージス艦による防空体制の強化へ!

従来のDDGより一層の防空体制となり、艦隊の防空体制が整うことになります。

在職当時には、イージス艦8艦が揃うのはいつの日になるかという状態でした。

ようやく体制が整う形になります。

図1 護衛艦「まや」出港!
護衛艦まや出港.jpg
引用URL:https://twitter.com/JMSDF_PAO/status/1240572233333891074/photo/4

1.2 新造艦が就役するのはいいけれど・・・

新造艦が就役するのはたいへん喜ばしいことですが、実はここからが正念場です。

就役後イージス艦は、就役訓練や各種機器の運用試験などを経てSQT(装備認定試験)を受けます。

イージス艦の場合、アメリカハワイでのSQTを実施することになります。

これからが正念場で、艦船乗員や海幕・防衛装備庁・支援部隊の修羅場と化します。

艦補処時代にイージス艦のSQT支援を行いましたが、まあ〜すごい修羅場です。

1.3 補給部隊にとっても新造艦就役は修羅場だよ!

新造艦が就役すると、定係港の造修補給所や弾薬整備補給所が支援します。

これがまた超ド修羅場となるのが、新造艦就役後知られざる話です。

どんな修羅場と化すのか、ちょっと知ってみたいと思いませんか?
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(2)火を噴く機器!書類が乱舞!修理費が飛んで行く!

新造艦は、進水から就役までにいろんな機器の不具合などを是正して完工してきます。

しかしながら、就役後には思ってもいない故障が飛び出すことがあります。

艦艇乗員も修理部隊も、てんやわんやで対処します。

2.1 故障じゃー!修理機器持ってこーい!

意外とあるのが、就役後の初期故障です。

どんなに完璧に整備をして就役させたとしても、機器故障は発生します。

図2 故障じゃ〜!整備機器持ってこーい!
firefighter-502775_640.jpg

小さな故障から、大きな故障まで機械はどうしても故障します。

中には火を噴くほどの故障も起きるほどです。

新造艦では、どんな故障が起きるか予測がつかないため万全の体制を整えようとするのですが!

2.2 ふぇーん(泣)修理器材が無いよう!

艦船の任務を遂行するために、COSAL(艦船補給品定数表)というのが定められています。

・A表(倉庫品目)
・B表(常用品目)
・CF表(整備支援モジュール)
・CR表(即時支援予備品)


これらのCOSALにより、最初の故障に対応する準備ができているのが理想なんですがね〜。
『COSALが全部揃っていたらどんなにイイことか!』
一応、新造艦の就役には全部そろっているはずなんですが、これがまた厳しい!

ある程度故障予測を立てて、CF表・CR表物品が存在しています。

しかし、初期故障は予測を超えて故障を起こし、修理機器が無い!なんてことになります。

図3 修理器は揃えようね!
bike-repair-shop-2130776_640.jpg

何しろ、COSAL品は会計検査院などの部門からみると 「いらん子扱い」です!

建造費削減の対象で、真っ先に削減されるのがCOSAL品目なんです。

いざ就役した後、故障が発生して書類乱舞・判子連打の嵐に会うのは後方部隊です。

2.3 そして修理費が飛んで行く(泣)

新造艦は、就役から1年間は 瑕疵(かし)担保がついています。

しかし、故障が瑕疵なのか通常の故障なのか判定する必要があります。

通常の故障で、しかも修理部品が高いことになると修理費がすごいことに!

図4 金が飛んで行く〜!
india-3887561_640.jpg

造修補給所や弾薬整備補給所、艦船補給処は新造艦故障のたびに大騒ぎです。

機械は生ものですから、仕方のないことですがかなりの修羅場です。

FMS物品だった場合、さらなる地獄となり米軍とのやりあいになります。

FMS物品の場合、予備品が就役までに納入されないことなんていつもの事です。

しまいにゃ最終手段として、
『お前んとこの新品部品ヨコセ(# ゚Д゚)!』
となります
(ROR調達:米軍に同一部品がある場合、修理費用を払って新品と交換するFMS調達の一種)

イージス艦のSQTで、ハワイに向かう途中でイルミネーター(AN/SPG-62)が故障して、このROR調達で修理したことがあります。

図5 AN/SPG-62
640px-Kirishima_02.jpg
引用URL:wiki

後方支援部隊が修羅場と化すのが、新造艦就役の裏話です。
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(3)もっと後方支援費を増やしてよ〜!

新造艦の就役後には、いろんな故障との闘いが待っています。

官側で保有していない予備品を、製造会社や修理会社がリスクを負って予備品を確保してる状態です。

アウトソーシングなんて美麗字句に踊らされて、予備品保有費用を削減してるようなものです。

3.1 予備品保有を甘く見るな!

平成30年度決算検査報告書で、会計検査院が海上保安庁の巡視船スクリュープロペラ予備品にケチを付けています。

関連文書: https://www.jbaudit.go.jp/report/new/all/pdf/fy30_04_13_20.pdf

図6 スクリュープロペラ(CPP)
640px-50letPob_blades.jpg
引用URL:wiki

会計検査院の視点からは、そう感じるのでしょうがプロペラは船にとって大事です。

海上保安庁のように、激しい航海をする船ではプロペラ破損のリスクがあります。

いつ発生知るかわからず、発生後に慌てて制作しても時間のかかるプロペラを事前に保有するのは大事です。
(プロペラ一枚作製は、急いでも3か月かかります。)

図7 海上保安庁巡視船プロペラの予備品
DSC00492.JPG
(一般公開時に展示してあったものを撮影)

ちょっと重要予備品の保管を、甘く見ているのではないでしょうか
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3.2 修理予備品保管に金をくれ〜!
後方部隊にいた身としては、目立ちやすい正面装備も必要ですが、もっと予備品をくれ〜!

ついでに修理費も増額してくれ〜!海保の予備品も買ってくれー!

ちょこっとばかり、新造艦就役の影に隠れる後方部隊のことも考えていただければ幸いです!
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2020年03月21日

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