江田島の幹部中級課程においては、偶然にも陸自特殊作戦群隊員と出会い話をすることがありました。
幹部候補生学校の同期が元陸自出身であり、そのつながりから特殊作戦群隊員と出会いました。
海自特別警備隊の研究開発を行っていた者として、特殊作戦群の装備思想はどのようなものか?!
海自に足りないものは何なのか研究の時!
(前回の記事):『 【中級課程】特別警備隊(SBU)副長吊し上げ事件の顛末! 』
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(1)同期生の誘い!陸自S隊員にあってみる気はあるか?
江田島での中級学生生活も、少し経つと幹部候補生学校のころより時間があり有意義な時間となります。
このころには、中級共通課程の他にいくつかの中級課程学生の入校もあります。
私の幹部候補生学校の同期生も、だんだんと中級課程に入校してくるようになり、同期との友情を深めることになります。
仲の良かった同期生とも交友を深め、官舎で酒を飲みかわすなど楽しんでいました。
そんな中で、ある時同期が真剣な顔で聞いてきました。
1.1 お前、特警隊の装備研究に関与してるって本当か?
真剣なまなざしで、特別警備隊の装備研究の話をしてきました。
(参考記事):『 【艦発隊】特別警備隊(SBU)に関係する研究について 』
海上自衛隊は、広いようで狭い社会であり特に幹部自衛官の場合はもっと狭い世界です。
誰々が何にかかわっているという話も、結構うわさで流れるのも早いものです。
同期は、潜水艦乗りとなり、艦発隊のころに実用試験で同じ艦に乗艦したことがありました。
(ペンギン)
『確かに関わってきたよ。前に潜水艦でやった試験も特警隊絡みだったさ。』
(同期生)
『やはりそうなのか。試験内容が提示されず何やってたか不明だったんだ。』
そんな中で、話の確信に触れてきました。
1.2 陸自S隊員に会ってみる気はあるか?
同期から驚くような話が切り出されました。
(同期生)
・『陸自特殊作戦群Sの隊員に会ってみる気はあるか?』
・『俺が陸自入隊したときの同期が、S隊員となり偶然江田島で再会した。』
・『SBU隊員以外で、研究開発に係る人間の話を聞きたがっている。』
図1 特殊作戦群
引用URL:wiki
最初は、何か担がれているかと疑いましたが、潜水艦という機密の塊に乗っている同期の話でもあります。
しかし、陸自との研究開発ミーテイングでも聞けなかった特殊作戦群の話であり乗ってみることにしました。
1.3 何が幸いするわからんものだな〜!
まさか江田島で特殊作戦群の人間に、直に話が聞ける機会が来るとは思っとりませんでした。
江田島第1術科学校には、少数ながら陸自の人間が入校してきます。
潜水課程や小型船舶操縦課程に、Wair(今の水陸機動団)の人間が来ていました。
中には、S(特殊作戦群)らしい隊員を見ても、あえて聞かないのが江田島の暗黙のルールです。
図2 西方普通科連隊(Wair)
引用URL:wiki
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(2)特殊作戦群隊員との遭遇!結構驚いた!
中級課程教務などいろいろ忙しい日々の合間を縫って、陸自S隊員との会合の約束を取り付けました。
むろん他の人間に一切話すようなことは、絶対に行わないようにしました。
(会合の条件として約束したため)
会う場所も、場所を厳密に探して外に話が漏れることがない場所で、同期生と会うことになりました。
陸自特殊作戦群について、ある程度想像していましたがいろんな意味で驚かせられました。
2.1 見た目普通!だけど只者じゃない空気!
現われた陸自S隊員は、私服姿で見た目はホントに普通の人間です。
空挺団の猛者のような、筋骨隆々とした人間を想像していた私としては驚かせられました。
確かに鍛えられている体であったもの、陸自の人間と紹介されなければわからないほどです。
図3 現れた隊員
引用URL:https://pixabay.com/
しかし、同期生とその陸自S隊員が話している空気が明らかに普通じゃないのがわかりました。
特別警備隊の隊員や、情報関係の人間とも違う尋常じゃない空気をまとっていました。
その後、私(ペンギン)の自己紹介をして、話をすることにしました。
(陸自S隊員については、氏名階級等を聞かない約束であったため)
そこからは、まさに知らなかった世界が怒涛のように登場しました。
2.2 怒涛の意見交換!
お互い機密事項については、十分に留意をして聞きたかった質問をぶつけあいました。
驚いたのは、陸自S隊員の知識の豊富さと機微をつく質問の鋭さです。
隊員選抜について、単に戦技体力ばかりでなく頭脳明晰を選抜基準にしているのがよくわかりました。
下手をするとこちらが、知識で後れを取りそうなほどです。
私(ペンギン)から聞いてみたかったのは、
?@装備品選定と陸自装備実験隊との関係(どんな協力体制なのか)
?A部隊支援体制(どこまで自隊で整備などができるのか)
?B海自SBUについて、陸自側からみて何が足りないのか?
特に気がかりだったのは、実験部隊との協力関係でした。
回答として、
「S出身の隊員が陸自装備実験隊で研究開発に従事している」
という答えが出ました。
艦艇開発隊では、SBU出身者がいないこともありここが大きな違いだといえます。
図4 先進装具システムの研究
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2009/2009/image/l340107p.png
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2.3 強烈な海自へのダメ出し!
陸自側からみた海自特別警備隊に関しては、痛烈なダメ出しがたくさん出ました。
・『部隊のバックアップ体制・編成が貧弱すぎる』
・『外部部隊との協力体制についても、かなりお粗末』
・『研究開発・装備改善について体制ができていない』
かなり耳の痛い話を聞かされましたが、貴重な現場の意見を聞くことができました。
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(3)SBUの発展に外部の血を入れよ!
陸自S隊員との会合は、白熱しましたがかなり貴重で充実したものとなりました。
やはり陸自の意見は、戦技訓練装備選定思想など見習うべきことの多いものです。
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3.1 今後の発展のために!
海自特別警備隊は、創設から時間が経ち陸自特殊作戦群との共同訓練ができるまでにはなりました。
しかし、海自という枠にこだわりすぎるのは今後の能力増強に障害となります。
適時に、陸自特殊作戦群から教官を招いての訓練が必要でしょう。
また、後方支援体制についても要員育成が必要と考えます。
外部の血を入れることも必要です!
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SBU投入用として、結構向いていたのは海自救難用UH-60Jが向いているというのが当時聞いた見解でした。
(ドアランプの使い勝手の良さや機内空間の広さから)
ただ、救難隊から断固拒否という状況でした。
海自単独で作戦を実施するために結構紆余曲折の時代でした。
ゆうこりんさまのご質問にはなかなか答えずらい部分が多すぎまして・・・(汗)
潜水艦絡みはホントに話せないことが多すぎて・・・
横須賀地方総監部の地方調達になぜか水中銃の調達があったことや、以前書いた艦発隊の契約話の件から察していただけると幸いです。
102飛行隊に同乗しての合同訓練は結構進んでいると聞きます。
SH-60Kを特警隊投入用に使うのは、いろいろ不具合が多かったと聞いています。
(搭載機器の取り外しなどで準備に時間が掛かるため)
rokettoさまのコメントのように、潜水艦では機密が徹底しています。
あの時も潜水艦艦長と副長のみに試験内容を提示してました。
機器の捜査については、副長立ち合いで実験部所属の潜水艦マークの海曹のみで実施したほどです。
(機器担当の乗員を全員ベッドに戻す徹底ぶりです)
Sといえば最近4個中隊に増強していたのが公開されている調達情報のハンコから
判明するとか謎のやらかしがありましたっけ(処分はどう付けたのやら
しかし潜水艦に関しては該当艦の乗員であっても機密確保が徹底していて
幹部クラスにしか公開されていないネタがザラにあるとの話がありましたが本当でしたか……>試験内容が提示されず何やってたか不明だったんだ。
蝙蝠マ—クの皆様関連ネタに関しては公開写真にしれっと映り込んだり
例のフランス大使館ネタといい割と隠しきれてないイメージと有りますがやはり闇は深いようで(笑