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2016年の年末年始の間に、尖閣諸島をめぐる日中の動きが突然激しくなってきました。
この中国の反応は、ちょっとこれまで以上の緊張をもたらすものになってきています。
ニュースでは、緊張が高まっているといった程度の報道ですが、そのレベルではありません。
今日はこの、尖閣諸島をめぐる中国の反応の意図を検証してみます。
(前回記事):『 自衛隊で中国語を使うことも多いよ!情報戦だ!! 』
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(1)ニュースが伝える以上の中国武装公船侵入の脅威!
2015年12月26日に、尖閣諸島周辺海域へ中国海警局公船侵入のニュースが伝えられました。
この時に写された写真を見て愕然として、我が目を疑いました。
図1 初めて侵入した武装中国海警局公船
引用URL:http://ringosya.jp/wp-content/uploads/2015/12/senkaku-china-kaikei31239-1.jpg
この船の形状には大変見覚えのある船だったためです。
この公船自体は、どうやら機関砲4基搭載だけのように見えます。
しかしニュースで報じているように、この公船は中国海軍フリゲート艦を改修したものです。
そのためあまり緊張感がなく感じるかもしれませんが、搭載している機関砲自体もかなりのものです。
図2 搭載されている機関砲写真
引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/b3/Type_76A_37mm_gun.png
これは『76式37mm連装機関砲』の『76A式』になります。
元々イタリアブレダ社のCIWSシステムを国産化したものであり、公船にも誘導レーダーが残されています。
(後部の飛行用格納庫上部の丸いアンテナ)
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(2)元々の軍艦は江衛-I型054型(ジャンガィ—?T級)!!
この公船の元々のタイプは、江衛-I型(ジャンガィ—?T級)(054型)フリゲート艦になります。
1990年から2004年までI型(054型)・?U型(054A型)と14隻が建造された、システム艦です。
日本でいえば、はつゆき型護衛艦に近いものと思って頂ければわかりやすいと思います。
図3 江衛-I型を上空から撮影
引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/43/A_port_bow_view_of_PRC_Huiman_%28F-540%29.JPEG/1024px-A_port_bow_view_of_PRC_Huiman_%28F-540%29.JPEG
この艦は中国初のシステム艦として、中国海軍の近代化に大きく貢献しています。
現在でも多数の艦が、中国東海艦隊に所属しています。
西側の設計思想を大きく取り入れて建造されているため、かなりの能力と共に構造が強化されています。
今までの中国海警局の巡視船とはレベルの違う軍艦構造の船を出してきたことになります。
また、一応多くの武装が撤去されていますが、おそらく短期間で復旧できるようになっているでしょう。 (
マスト部分と艦橋上部の土台がそのまま残されている)
必要に応じて、対艦ミサイルもすぐに復旧できるはずです。
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(3)中国は完全に武装公船にて実効支配の実績を挙げようとしている。
中国の武装海警局公船に関しては、特に何もコメントを出していません。
これこそが、中国の尖閣諸島への思惑を反映しています。
領土の支配を決定的にするのは、実効的に海上の治安を安定させていることです。
海上保安庁は、そのために常時武器を搭載した巡視船を尖閣諸島に配置させています。
ここで、中国があえて政府公船(軍艦以外の巡視船など)である海警局にしてきたのは、国際海洋法条約があります。
そのまま軍艦を出したのであれば、日本側に排除する権利が発生します。
しかし国際海洋法条約において、政府公船であれば日本側の行動が制約されます。
政府公船の場合、軍艦や商船と同じ処置がとれません。
現在海域侵入されていても、日本側が船舶検査出来ない理由がここにあります。
このようなことを積みかさねながら、尖閣諸島への実効支配への実績を積み重ねています。
今回のニュースは、もっと大きく取り上げられても良いニュースでは?
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