海上自衛隊船務士として護衛艦勤務した1年4か月!

『船務士として過ごした1年4か月は忘れられない・・・』

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私ペンギンが船務士として勤務したのは、1年4か月ほどです。

その間、いろいろな勤務・訓練、計画やトラブルその他がいろいろありました。

多分忘れられない護衛艦勤務の時間となるでしょう。

そんな、いろいろあった護衛艦勤務について!
(前回記事):『 半島有事で韓国は敵国に回る気か?
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(1)立入検査隊編成・訓練を実施せよ

任務課程修了により、本格的に船務士として勤務を開始しました。

今までのお客さん扱いではなく、護衛艦勤務の幹部自衛官として扱われます。

士官室では、いくつかの係士官の役職を拝命することになりました。

幸い?甲板士官はベテランの砲術士が務めていて、要所をキッカリさせていました。

そのため、艦長も無理に、初任幹部に甲板士官をさせる必要はないと考えていたそうです。

その代わり、砲術士が兼任していたいくつか係士官の職を引き継ぐことになります。

その中で一番重要かつ、計画・訓練までやった大きな仕事がありました。

立入検査隊の編成完結・実動訓練の実施、が私の大きな仕事です。

1.1 護衛艦隊付き立入検査隊の訓練実施

私の艦では、立入検査隊自体はすでに人員の養成と一通りの編成が済んでいた状態でした。

ただまだ必要な装備が完全にそろっていないのと、実動訓練を実施していない状況でした。

図1 立入検査隊の訓練
tatiiri.png
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2007/2007/image/jc38100p.png
立入検査課程訓練終了者が、ようやく配置につく過渡期です

実際に、実動訓練を行うにはまだ装備と訓練計画が不足していました。

1.2 臨時の立入検査隊長になる。

訓練に必要な装備品の請求・納入および、器材の取扱訓練を担当して準備を重ねました。

ここで艦内で問題になったのが、立入検査隊長は誰が行う?ということでした。

通常は立入検査隊の隊長は水雷長が適任なのですが、水雷長が欠員でした。

砲術長・武整長は、前の艦で立入検査隊長を経験していたのですが、現配置上CICにいる必要があります。

その為臨時にペンギン船務士が隊長、水雷士が副隊長という配置編成になりました。

実動訓練よりも、装備品準備などのほうが非常に苦労しました。



この経験が、後々の勤務に役立ちました。
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(2)船務士として・分隊士としての日々

ペンギン船務士は、護衛艦の中でいろいろな仕事をこなしていきました。

時には失敗して怒られ涙することも・・・

しかし、いろいろな経験をさせてもらい、その後の自衛官生活の財産となったことも多くありました。

2.1 副直士官・船務士として航海に自信が出たよ!

護衛艦勤務の中で、特に自信をもってできたことといえば副直士官として航海の補佐をできたことです。

図2 副直士官(イメージ)
副直.jpg
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/yokosuka/bosyusien/semaru/yamagiri/hirashiro.jpg

双眼鏡を袈裟懸けにして、海図に艦位を書き込む艦橋勤務の副直士官として実務をこなしました。

遠洋練習航海出発前には、自分に副直士官なんてできるのか?と思ってた時期とは大違いです。

船務士としても、CICでの仕事のやり方がわかると面白くなりました。

船務科で唯一派手な仕事になる、電子戦訓練のチャフ発射もさせてもらえました。
図3 チャフ発射!
tyaku.jpg

このころ、電子戦に関する知識もたくさん吸収することになりました。

そこでは『Nulka(ヌルカ)』という新しい電子デコイが、外国で開発されているのと情報も耳にしました。
(参考動画:Nulka)

2.2 2分隊士として分隊員のトラブル収拾も・・・

船務士は、2分隊士の役目もありました。

そのため、時には分隊員のトラブル収拾のため走り回ることもありました。

警務隊に、深酒で泥酔した分隊員を貰い受けに行くこともしばしばありました。

これもまた、その後の服務指導のやり方を教わるいい機会でした。

2.3 後任の船務士が来たけど先輩やんけ!

護衛艦に船務士として着任して、1年が経過するころでした。

私の1期下の初任幹部など幹部人事の内定が知らされました。

私の艦にも初任幹部1名と、併せて私の後任者となる人物が配置されることになりました。

私の次の専修科への入校時期が中途半端であるため、先に人員を配置することになったそうです。

しかし、よく聞いて見ると3ローテ目の士が来るとのこと!
『思いっきり先輩やんけ!』
ちょうど私の2期上の人が、船務士で着任することになりました。

人事上私のような大学院出の人間は、2期上の人と同じ人事の扱いになります。

ただ、2期上の先輩に仕事を教えるというのも、なかなか変な感じでした。
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(3)船務士勤務の終わり〜離艦まで

後任の船務士が来たことで、そろそろ自分の入校が近いことを実感しました。

そのころに艦長から
『人事のことで話があるので艦長室に来るように』
とのお達しがありました。
(これは入校の内示かな?なんて思っていました)

3.1 本人さえよければこのまま艦艇職域に進まないか?

艦長室では、副長と直属上司の船務長が同席していました。
艦長から
『来年1月からの幹部専修科艦艇装備課程への入校内示が来たんだが・・・』
という、転勤と入校の内示の内示のお言葉がありました。

転勤などの時、意外とこういう予備的な内示があります。

自分は艦艇装備コースで行くと練習艦隊で提示を受けていたので、そのままお受けします!というつもりでした。

ここで、副長と船務長から、
『希望するのであれば、このまま艦艇職域のコースを推薦するぞ』
『紐付き人事だったが、お前は結構艦艇でいったほうが向いてるぞ』

というまさかの、艦艇職域へのお誘いがありました。

後に、艦長が海幕課長となってお会いしたときに、人事の裏話を聞くことができました。
『経歴管理の中で、別職域に行く予定の初任幹部は結構変更されることがある』
『セシの場合すぐに装備課程に行かせるより、艦艇職域の開発分野が向いてると考えた』

3.2 そのまま、艦艇装備に行かせてください

艦長室で少し悩みましたが、自分としては艦艇装備に行くことに納得していました。
そのため 「そのまま、艦艇装備に行かせてください」 と艦長にお願いしました。

艦長から
『わかった。予定通り入校への人事調整を行う。入校は1月になるぞ。』
との、人事決定が出ました。

その後、正式に入校内示が出て転勤までの間、いろいろな引継ぎなどを済ませていきました。

船務長に、人事決済書類をもらった時に、
『あの時、YESという言葉が出てたら、そのまま隣の艦の航海長にしようと思ったんだがな〜』
なんて物騒な言葉も飛び出ました・・・(汗)

3.3 ついに護衛艦に帽振れ〜!さらば船務士勤務!

護衛艦に着任して2度目の新年を迎えた正月明けに、護衛艦を正式に退艦することになりました。

1術校の海士課程に入校する、海士とともに退艦行事となりました。

いろいろな経験をした、護衛艦船務士勤務でしたが、結構短いように感じました。

『帽振れ〜!』
この号令とともに、自分は船務士(セシ)からペンギン2尉に戻りました。

さあ、次は横須賀の艦艇装備課程だ!
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2020年02月18日

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