今回も、引き続き疲れない歩き方ですが、前回は登りでしたので、今回は下りです。
登山での遭難や事故、けがはどちらかというと「下山時」発生することが多いのです。
そこで、安全を配慮しながら疲れない歩き方を解説します。
もくじ
?@下山時は想像以上に転びます
?A基本は登りと同じ「フラットフッティング」
?B姿勢
?C歩幅
?Dまとめ
?@下山時は想像以上に転びます
登山での遭難事故は圧倒的に下山時に発生します。
原因は様々ですが、下りを歩く時は想像以上に下半身の筋力が求められます。
何故なら、
足を踏み出す際に、
重力による加速度が増し、
その為、自重以上の負荷があり、
転倒防止にその勢いを抑える為の抗力(ブレーキ)が求められ、
更に斜度によるスリップ防止の為に適切な重心移動と衝撃吸収
が必要になります。
階段状の斜面ならある程度安定しますが、
スロープ状や荒れた斜面では、転倒や滑落のリスクがあります。
その為、登りよりは心肺機能に負担はないものの、
登りの時の筋疲労が残っているので、負担の少ない歩き方は覚えいた方が安心です。
?A基本は登りと同じフラットフッティング
基本は登りと同じです。
重心を後ろ足に残しながら前足を下ろして
足裏全体で地面を捉えて
重心を前へ移動させます
この時、後ろ足の膝を曲げて腰を下げるのですが、
足の疲労が残っていると、膝の曲げが浅く、
前足の着地が充分でないのに重心移動してしまいます。
そのタイミングがイチバン不安定で後ろ足の踏ん張りが効かず、前足のグリップが弱いので、スリップします。
疲れていますが、丁寧に一歩一歩下りましょう。
?B姿勢
登山道の下り坂は、日常の道路の下り坂より斜度があるのですが、
実際の斜度以上に肉眼では急坂に感じます。
そのため、初心者の方は頭が下がりがちです。
おそらく急坂で足元を見ようと集中して頭近づけるのでしょう。
しかし、この姿勢になるとお尻が突き出やすくなり、いわゆる「へっぴり腰」の姿勢になります。
この姿勢は、自分では前へ向かっているつもりでも、体は後傾になっています。
歩き方で、「後ろ足に重心を残す」といいましたが、後傾の姿勢は、重心がさらに後方になってします。
登りもそうですが、リュックを背負っているので日常と重心はちょっと違います。
リュックの背負い方にもよりますが、リュックの重さでさらに後方へ引っ張られやすくなるので、
尻もちや後方へ転倒しやすくなります。
スリップ防止のためには、姿勢は正しくまっすぐに保ちながら足を下ろしていきましょう。
重心が体の真ん中「おへそのあたり」にあるとイメージするとよいでしょう。
?C歩幅
歩幅も登りと同様に開きすぎず、狭めを意識して、ちょこちょこ歩きましょう。
また、直先的な方向で降りると踏み出しの加速度が増し、下半身に負荷がかかるので、
登山道の幅を確認して、可能な限りジグザグに歩きましょう。
イメージとしては、
右へ数歩歩いたら左へ切り替えして数歩歩く
この歩き方をすると、登り同様、体に対する坂の斜度が浅くなります。
踏み出しの加速度は抑えられ、足の置き場も安定しますので、
疲労軽減・転倒防止の効果があります。
?Dまとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
行きはフウフウ、帰りはガクガク
下山は心肺機能の負担は軽くなり目に見えた疲労はないものの、意外と脚力が疲弊して
「膝が笑った」状態でフラフラしたり、ひどい場合は、腿の筋肉が攣ったりして歩行が困難になることがあります。
この状態ですから、集中力を切らすと転倒や滑落などの遭難事故につながることがあります。
基本は基礎体力をつけることですが、歩き方の工夫で疲労軽減し、安全無事に下山しましょう。
この解説があなたの参考になれば幸いです。
それでは、次回の【道具編】の解説をお楽しみに…
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