形容詞を並列する場合にも問題がある。文末に述語として形容詞が二つ以上並列されている場合はあまり問題はない。例えば「Ta nemocnice je nová a velká」なんて文は、「あの病院は新しくて大きい」と連用接続の「て」を使って訳しておけばいいだけである。ここでも並列できるのは、日本語で並列できるものだけだというのは適用できる。つまり「あの病院は大きくて小さい」などという対義の形容詞は普通は並列しないものである。これはチェコ語も変わらない。
問題は二つ以上の形容詞が名詞の前にくる場合で、例えば「nová a velká nemocnice」は「新しくて大きい病院」と訳すか、「新しい大きい病院」と訳すか昔は悩んだものである。今は悩まず、文脈からどちらがいいか考えてその場でさっと決めることが多い。チェコ語でも「nová velká nemocnice」ということもできるらしいので、人によっては、「nová a velká nemocnice」は連用接続で「新しくて大きい病院」と訳して、「nová velká nemocnice」はどちらも連体修飾と見て「新しい大きい病院」と訳すなんて人もいる。だけどそんなふうに簡単に割り切れるものでもないだろう。
上で日本語では「大きい」と「小さい」は普通は並列しないと書いたが、チェコ語だと名詞の前に並べるときに限って並列できることがある。ただしその場合は、形容詞の並列というよりは後ろに来る名詞も含めた名詞節の並列といったほうがいいかもしれない。例えば「malé a velké nemocnice」(念のために複数にしておく)は、「大きくて小さい病院」ではなく、「大きい病院と小さい病院」と訳すべきもので、最初の形容詞の後に来る名詞を省略した形だと考えたほうがいい。
それで問題になるのが、次の例。「bílé a ?erné pono?ky」は、白と黒の二色が使われた靴下を指すのか、白の靴下と黒の靴下を指すのか、よくわからない。使われた場合にはしかたがないので、確認の質問をするが、自分では、できるだけこのわかりにくい形は使わないで、一つの靴下に白と黒が使われている場合には、「?ernobílé pono?ky」と二つの形容詞を一語化した形を使い、白と黒と二種類の靴下の場合には、「bílé pono?ky a ?erné pono?ky」と靴下を繰り返すようにしている。日本語でも「白と黒の靴下」と言われたら微妙だから、似ていると言えば似ているのかな。
副詞を二つ並べる場合には、前の副詞が後の副詞に係る場合もあって、そのときには「a」は使わない。とてもという意味の「moc」「strašn?」「velice」なんかはしばしばもう一つの副詞を強調するのに使われる。日本語に訳すと、二つ目の副詞を形容詞で訳すこともあるけどさ。サマースクールの先生が連発していた「moc p?kn?」なんてのは、前後に来る言葉次第だけど、「とても美しい」と訳すことも多い気がする。
チェコ語で「a」を入れるのは、二つとも同じ用言、たいていは動詞にかかる場合なのだけど、日本語だと特に何も入れなくてもいいはずである。「mluvte pomalu a jasn?」なんてお願いは、日本語にすると、「ゆっくりはっきり話してください」ということになる。強調しようと思えば、「そして」を入れてもいいか。あれ、チェコ語でも「a」を省略できるかもしれない。
この辺の言葉の使い方は、系統立てて勉強していないので、どういう使い方をするのが一番いいのか、いまいちよくわからないのである。質問してもどっちでもいいよなんて答えが返ってくることもあるし、あれこれ試行錯誤しながら、自分なりの使い方を見つけていくしかないのである。
中途半端だけど、ここでまた明日。
2018年11月27日24時。
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