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2019年01月17日

読者?(正月十五日)




 ブログを始められたばかりの方のようで、文書の書き方指南のような本が何冊か取り上げられていた。ブログの文章を書く参考にということなのかな。個人的には、所謂文章読本の類はほとんど読んだことがなく、三島由紀夫の文章読本について、栗本薫が「グイン・サーガ」のあとがきで言及していたのを覚えているくらいである。

 このブログの文章も、行き当たりばったりで書いているので、時間があるときには全体の結構とか考えるけど、余裕がなくて細切れに書くことも多く、そうなると、最初と最後がなんだかずれているということも多い。同じようなことを繰り返すのはもちろん、同じ表現が頻出するのも問題である。推敲しろよというのは簡単だけど、締め切りに迫られて、自分が設定しているだけだけど、ついつい次を書くのを優先してしまう。
 そういえば、どこかでこれまで書いた文章を全面的に推敲しなおして、最初の記事から間違いを修正したり、よくわからなくて放置した記事にタグをつけるというのをやってみたりしようかとも思ったのだが、開始から三年以上の月日を経て1000以上も積み重なった駄文の山に、ため息をつくしかない。せめて、チェコ語に関する記事だけでも何とかしようかなあ。参考にしてくれている人はいないわけではなさそうだし。

 そんなでたらめな文章を書き散らしている人間が、唯一ちゃんと読んで、書かれていることを少しは意識しながら文章を書いているのが、黒田龍之助師の『大学生からの文章表現』(ちくま新書、2011)である。副題に「無難で退屈な日本語から卒業する」とあるように、型通りの文章を書かないことを考えさせてくれる本である。小学校から高校まで、作文が嫌いだったのは、型にはまった文章を書くことが期待されていたからかと、この本を読んで納得してしまった。
 内容は、著者が大学で行なった文章を書くことをテーマにした授業の再現で、実際に学生たちが書いた文章の、修正前、修正後も上げられていて、文章を書く際の参考にならなくはないのだが、読むのが楽しくて、特に参考にしようなどと考えては読んでいないので、この本に書かれたことが、我が文章にどのぐらい反映されているかというと、心もとない。

 一つだけ、意識していることがあるとすれば、日本人の書く文章は「思う」を使いすぎだという指摘(正確にどんな書き方がされていたかは覚えていない)だろうか。これは、あれこれ文章を書いていた大学時代は意識して、「思う」を使わないようにしていたのだが、チェコに来てからはすっかり忘れていて、本書を読んだあとに、自分が書いた文章を読み返して、「思う」の多さに頭を抱えたことがある。
 読んだ直後、一時は、一つも使わずに文章を書こうと肩に力が入っていて、余計な時間がかかったり、不自然なわかりにくい文章が出来上がったりしていたが、最近は、そこまでこだわらずに、「思う」を使えるようになっているのではないかと思わなくもない。自分の文章を客観的に評価する能力はないから確信はないのだけどさ。
 一般的な、文章の書き方指南を批判的に取り上げていたのも覚えている。その手の指南書で書かれるであろう、一つ一つの文を短くして簡潔に表現したほうがいいってのが不可能に近い人間としては、師の意見に大賛成だった。文章にはリズムというものがあって、短文ばかりを積み重ねていくのは単調になりがちである。だからといって我が文章のように長文が果てしなく続くというのも読みにくいことは重々わかってはいるのだけど、せっかく書くとなると、ついつい文を長くしてしまうのである。これはもう性としか言いようがない。

 ということで、文章を書くための本の紹介だった、のかな。カテゴリーはブログではなく別のところにしよう。
2019年1月15日23時55分。
















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