二次グループのI組からフランスとドイツが準決勝に進出したのは、予想通り。意外だったのは、二次グループ開始前には勝ち点4で首位にいたクロアチアがグループ2試合目で準決勝進出の望みを絶たれたことである。最大の原因はブラジルとの試合で負けたことだが、この試合のクロアチアはまさに自滅という言葉にふさわしかった。ブラジルが素晴らしいハンドボールを見せたことを否定する気はないが、クロアチアが普通に試合をしていれば、引き分けはあっても負けることはなかっただろう。
2016年のリオ・オリンピックを前に、ハンドボールではルールの改正が行われ、ゴール・キーパーもフィールドプレーヤーと同様に自由に交替できるようになった。現在では、退場者を出したときに、攻撃の人数を減らさないことを目的として、キーパーを引っ込めるチームが多いのだが、クロアチアはブラジルとの試合で、退場者がいないときにもキーパーを引っ込めて、7人で攻撃するという攻撃スタイルをとっていた。そしてそれが最大の敗因になった。
この試合では、クロアチアの7人攻撃が、ブラジルの堅いディフェンスにほぼ完全に抑え込まれ、無駄な失点を繰り返すことになった。どう見ても決まりごとが徹底されておらず、7人攻撃の悪い面、スペースがなくなってディフェンスに引っかかりやすくなるというのが出ていたのに、かたくなに7人攻撃を続けて、前半のうちに大きなリードを許すことになった。後半に入って何度も追い上げたものの同点に追いつくことはなかった。なんだかんだで退場時のものも含めて10点近く無人のゴールに決められたんじゃなかったかな。7人攻撃失敗で喫した失点を除けば、クロアチアが僅差で勝っていたはずの試合なのである。
勝てば望みのつながるドイツとの試合では、ブラジルとの試合よりはずっとマシな戦いを繰り広げていたけど、後半も終盤の大事な場面で、審判にドイツよりの判定を下されて、そこから立ち直れずにそのまま負けてしまった。あのプレーが、正当に判定されていたら、まだまだ試合の結果はわからんというところだったのだけど、開催国のドイツに準決勝までは行ってほしいというハンドボール連盟の都合が審判に重圧としてのしかかっていたのかな。あの判定以外は極めてまともな判定を下していただけに、残念な判定だった。ただここでどんな判定が出ていても、ドイツが準決勝に進出できないことはなかっただろうとは思う。
準決勝進出を早々に決めていたフランスが、二次グループ最終戦でクロアチアに負けて、連勝を止められたせいで、大健闘のブラジルは勝ち点4でグループ5位に終わった。まとめておくと1位ドイツ、2位フランス、3位クロアチア、4位スペイン、5位ブラジル、6位アイスランドである。
グループ?Uのほうは、デンマークとノルウェーが準決勝に進んだ。こちらも同じ一次グループからの進出である。期待していたスウェーデンにとっては、ノルウェーとの直接対決で負けたのが痛すぎた。解説者の話によると、一次グループで攻撃の組み立て役をやっていたセンターの選手が負傷で出場できなくなったことが、選手たち、とくにセンターの選手たちのプレーに影響を与えていたらしく、自信なさげなプレーに終始していた。超ベテランのキム・アンデルソンがこの大会向けに復帰してたんだけどね。
スウェーデンは、デンマークとの試合では、ノルウェーとの試合での姿が嘘のように、躍動していて、後半に力尽きるまでは互角の勝負を演じていたから、ノルウェーとの試合に負けていなかったら、決勝に進出していただろう。残念なことである。とはいえ、今回のデンマークに勝てたとも思えないから、こちらの希望を込めた予想は、どっちにしても外れだったのだけどね。チェコ系のパリチカも最後は控えキーパーになっていたし。
グループ内の最終順位は、1位デンマーク、2位ノルウェー、3位スウェーデン、4位エジプト、5位ハンガリー、6位チュニジアである。アフリカ頑張ってるなあ。
というところで、長くなったのでもう一回。
2019年1月28日21時30分。
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