女性名詞からの所有形容詞のつくり方は、語尾に「in」をつけるだけである。ただし、語末の母音を取り去るのは忘れてはいけない。これは男性名詞活動体の母音でおわる名詞の場合と同様である。違うのは、「in」をつける際に子音交代を起す場合があることで、慣れて自動的に作れるようになるまでは気をつける必要がある。
子音交替でも、「t」「d」「n」に関しては表記は変わらないから、気にしなくていいし、特に「n」は、発音においても日本人には子音交代を起したとは思えない。問題はそれ以外なのだが、実際に使う機会が多いものとしては、「k」が「?」になるものぐらいだろうか。だから、「Jana」から作る所有形容詞は、単に「in」をつけて「Janin」になるが、「Jitka」からは「Jit?in」になるのである。
ということで、格変化表はあげる必要はないだろうが、念のために一格の形だけ上げておく。
単数
Janin kamarád (男性名詞活動体)
Janin most (男性名詞不活動体)
Janina Univerzita(女性名詞)
Janino m?sto(中性名詞)
複数
Janini kamarádi(男性名詞活動体)
Janiny mosty(男性名詞不活動体)
Janiny Univerzity(女性名詞)
Janina m?sta(中性名詞)
女性名詞から作られた所有形容詞を使った地名というのは思い浮かばないのだが、第二次世界大戦中にナチスの強制収容所があったことで知られるテレジーン(Terezín)は、母音が長くなっているとはいえ、テレザから作られる所有形容詞「Terezin」と関係があるようにも思われる。プラハの地名ヨゼフォフ(Josefov)がヨゼフからつくられる所有形容詞「Josef?v」と関係がありそうなのと同じで、格変化に関しては7格に形容詞的な語尾が出てくることはないのだけど。
もう一つ気になるのは、女性の名前であるマルタと、男性の名前マルティン、女性のマルティナの関係である。「Marta」の男性名詞につく所有形容詞形が「Martin」、女性名詞につく形が「Martina」であることを考えると、なんらかの関係がありそうな気がする。パブラ(Pavla)とパブリーナ「Pavlína」も何か関係がありそうだし。
そんなことを言うと、女性の名字が「ová」で終わるのも、所有形容詞の女性につく形から形容詞化したと考えられなくもない。つまりは女性は男性の所有するものとして認識されていたのではないかなんてことも言おうと思えば言えるわけで、これもまたチェコ語が男性優位の言語だとして、批判されることがあるゆえんとなっている。
気の早い夏ばて故、今日も短めでまた明日。明日は所有形容詞を使うときの注意点だ。
2019年6月16日23時30分。
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