さらに情報を集めると、犯人が爆弾を設置したと通報したのは国会の建物だけではなかった。プラハではプラハ6区の区役所と借金が返せなくなったときに取立てを担当すする強制執行の執行機関の建物、それにブルノの最高検察の建物、国会とあわせて四箇所に爆弾を置いたと主張したようである。
プラハ6区は、例のコーネフ像の問題で、親ロシア、親ソ連派から批判されていて、区長に対して脅迫の電話がかかってきたなって話もある。最高検察は、バビシュ首相の「コウノトリの巣」事件をどうするかで、注目を浴びていて、現時点では起訴しないことになりそうだから、反バビシュ派の不満のほうが大きいようだけれども、決定がひっくり返る可能性もなくはない。親バビシュ派も不満を持っていてもおかしくない。チェコの国会の現状に、満足できているチェコ人は一体全体存在するのだろうか。
強制執行のやり方が悪辣すぎるという批判も昔からあって、最近法律が何度か改正されてそんなことは怒らなくなったと思いたいのだが、以前は子供がトラムやバスに無賃乗車したのが発覚して、罰金を払わなければいけなかったのを親に言えずに放置してしまって、延滞公やら利子やら、更なる罰金なんかで、信じられないぐらいに額が膨らんでしまっての強制執行なんてこともニュースになっていた。なかなか払われない罰金やその延滞金は、債権として回収業者に売り払ってしまえるのも問題だったのかな。
警察では、今回の通報に関しては、それほど信憑性が高くないと見たのか、それぞれの建物の周囲の通りを通行止めにしただけで、建物の中にいた人たちの緊急避難は行なわなかったようである。捜索の結果、建物中に爆弾はないことがわかり、通行止めも解除されたようだけど、お昼ごろから1時半ぐらいまで一部の道路が使えなかったのである。
プラハはそれだけでは終わらず、地下鉄も事故で止まった。最初に事故が起こったのはC線のフローレンツ駅で、2時半ごろのこと、その15ぐらい後には、A線のボジスラフカ駅で、利用者がホームから線路に落ちて電車に轢かれるという事故が起こって、運行が停止した。どちらも自殺を図ったのではないかと報道されていた。
プラハの地下鉄では乗客が揉め事を起こすことは多くても、事故は滅多に聞かないし、鉄道での自殺も聞いたことがないから、酔っ払うか何かで線路に落ちたのかと思った。自殺もまた、一種の社会への抗議だから、これもまた現在のチェコに不満を抱えている人が多いことの証明なのだろうか。
爆弾の通報と、二件の地下鉄での自殺が同日に起こったのは偶然なのだろうけど、プラハの人の中には、移動に余計な時間がかかって困ったという人もいるかもしれない。救いはどちらも比較的短い時間で復旧したことである。うーん、落としどころがわからなくなってしまった。
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